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ANCA関連血管炎

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ANCA関連血管炎とは

・顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis, MPA)
・多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis, GPA)
・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis, EGPA)

の3疾患を包括した概念

 

 

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疑う症状(血管の炎症、虚血、出血)

炎症

・発熱

・体重減少

・倦怠感

・関節痛

・強膜炎、ぶどう膜炎

 

虚血

・多発・多発単神経障害(しびれ)

・皮膚壊死、皮膚潰瘍

 

出血

・急速に進行する腎機能障害、急速進行性糸球体腎炎所見(血尿、蛋白尿)

・鼻出血

・紫斑(palpable purpura)

・リベド

 

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検査

 

ANCA(Anti-Neutrophil Cytoplasmic Antibodies;抗好中球細胞質抗体)

PR3-ANCA ( proteinase-3(プロテネース3)抗好中球細胞質抗体)

・C-ANCA(cytoplasmic ANCA)パターン
・PR3-ANCAは多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis, GPA)の疾患標識抗体

 

MPO-ANCA(myeroperoxidase(ミエロペルオキシダーゼ)抗好中球細胞質抗体)

・P-ANCA(perinuclear ANCA)パターン
・顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis, MPA)と好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis, EGPA)の疾患標識抗体

 

腎機能障害

 

腎生検

各疾患の臨床的特徴

① 顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis, MPA) ;MPO-ANCA

・好発年齢は55〜74歳と高齢者に多い。
・発熱、体重減少、易疲労感、筋痛、関節痛などの全身症状(約70%)とともに組織の出血や虚血・梗塞による徴候が出現する。
・血痰
急速進行性糸球体腎炎を合併することが多い。
糸球体性血尿(尿中赤血球変形、赤血球円柱)
数週間から数ヶ月で急速に腎不全に移行することが多いため、早期診断・早期治療が極めて重要である。
・CTにてびまん性肺胞出血や間質性肺炎
・末梢神経障害(20%)
・検査所見はCRPなどの炎症反応の上昇、血清クレアチニン上昇、MPO-ANCA上昇などがみられる。

② 多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis, GPA) ;PR3-ANCA

・好発年齢は男性30〜60歳代、女性は50〜60歳代が多い。
・発熱、体重減少などの全身症状とともに
①上気道の症状:膿性鼻漏、鼻出血、鞍鼻、中耳炎、視力低下など
②肺症状:血痰、呼吸困難など
③急速進行性腎炎
④その他:紫斑、多発関節痛、多発神経炎によるしびれ・感覚異常、運動機能異常
などが生じる。
・一般的には①⇒②⇒③の順序で起こるとされる。
・検査所見はCRPなど炎症反応上昇、PR3-ANCAの上昇がみられる。
・画像所見では胸部レントゲンでの肺多発結節、副鼻腔CT・MRIで骨破壊性病変などを認める。

③ 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis, EGPA) ;MPO-ANCA

・平均発症年齢は38歳
・MPO-ANCA陽性(約50%)
・多くの患者で気管支喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎などのなどのアレルギー性疾患が先行する(これらの患者で四肢がしびれてきたら想起する)
・中耳炎の合併
好酸球増加を認める
・発熱や倦怠感、体重減少などの全身症状
・多発単神経炎により知覚および運動障害
・皮膚血管炎による紫斑などが見られる。
血液検査

・末梢血の好酸球数の増加(1500/μL以上)

・CRPなど炎症反応の上昇

・MPO-ANCAの上昇

※ EGPAにおいてはMPO-ANCAの陽性頻度は40〜50%程度と言われる

・組織所見(著明な好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫または壊死性血管炎)が決め手となることが多い。

 

 

 

 

卒後15年目総合内科医の診断術 ver.2

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