HIVのスクリーニング検査
スクリーニング検査を行う場面
※ 検査を行うためには同意の取得が必須
・入院時、術前検査(施設の方針による)
・妊婦(強く推奨される)
・梅毒患者
・非ホジキンリンパ腫の患者
・MSMで不明熱の患者
・40歳代で帯状疱疹を繰り返している患者
スクリーニング検査
・「酵素免疫抗体法」や「イムノクロマトグラフィー」を用いた抗原・抗体検査
・スクリーニング検査の陽性率は0.26%
→検査前確率が低いため、スクリーング検査が陽性でも必ずしもHIV感染と確定できない
・感染から検出可能になる期間(window period)は約2~4週間とされる
(そのため接触・曝露後早期では偽陰性の可能性がある)
→検査前確率が高い患者の場合、初回のスクリーニングが陰性でも、約1か月空けて再検査することが必要(保健所ではウインドウ期を60~90日と広めに設定している)
スクリーニング検査で陽性の場合の対応
① 患者への説明
・真に陽性である可能性は低いことを説明
・たとえ陽性であったとしても、現在はきちんと治療すれば死に至る疾患ではないことを説明する
確定検査
・スクリーニング検査で陽性の場合、確定のため遺伝子検査を実施する。
・「ウエスタンブロット法によるHIV-1/2抗体検査」と「HIV-1 RNA定量検査(核酸増幅検査:NAT検査;Nucleic acid Amplification Test)」の両法を同時に実施する
急性HIV感染症
・HIV感染後2~4週間で生じる急性HIV症状
・発熱、倦怠感、咽頭痛、発疹などが多い
・伝染性単核球症様症(潰瘍を伴うような咽頭炎)で初発することが多い
・その他、消化管症状、神経症状(非特異的な頭痛、無菌性髄膜炎、脳炎、脳症)、皮膚症状(口腔粘膜、陰茎、肛門の疼痛を伴う潰)など多彩かつ非特異的症状が多い
・口内炎は有痛性(↔無痛性口内炎:梅毒、SLE)
・最大2週間症状持続
・無症候患者も40~90%認める
・感染1~20週でギランバレー症候群を発症した例もある
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