異常帯下の原因
・膣内はDöderlein桿菌によってpH4.5以下の酸性環境で、常在細菌叢を形成している
・Döderlein桿菌の減少やその他の原因でpHが上昇すると、さまざまな微生物が膣内で異常に繁殖し、膣炎を起こす
・思春期の異常帯下では「細菌性膣炎」「外陰膣カンジダ症」「トリコモナス膣炎」の3つが多い
・その原因として、抗菌薬、ステロイド、長時間にタンポン挿入(月経血はpH7のため)、トイレでの陰部洗浄(ビデ)のしすぎ、入浴でのアルカリ性石鹸の使い過ぎ、長時間の高温多湿(締め付ける下着など)、性感染症など
・性交渉歴がある場合は「クラミジア子宮頚管炎」「淋菌子宮頚管炎」の可能性がある
1)細菌性膣炎
・起因菌はさまざま
・灰白色、魚臭、干物臭(アミン臭)
・膣分泌物検鏡でclue cell 確認
2)外陰膣カンジダ症
・カッテージチーズ臭
・激しい掻痒感
・膣分泌物KOH検鏡、膣分泌物培養
3)トリコモナス膣炎
・トリコモナス原虫
・潜伏期約4週間
・淡黄色~黄緑色、泡状、悪臭
・膣分泌物検鏡で虫体確認、帯下培養(男性は尿培養)
4)クラミジア子宮頚管炎
・性交渉歴
・クラミジア・トリコマチス
・潜伏期1~3週間
・無色透明
・排尿痛
・PIDやFits-Hugh-Curtis症候群に伸展することがある
・淋菌との合併が多い
・子宮頚管スワブPCR
5)淋菌子宮頚管炎
・性交渉歴
・潜伏期約2週間
・粘液状、膿状
・排尿痛
・クラミジアとの合併が多い
・子宮頚管スワブ、PCR(パートナーの男性では尿道擦過スワブまたは尿PCR)
特集 ライフステージでみる 女性診療 at a glance! よくあるプロブレムを網羅しピンポイントで答えます
コメント