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特定健康診査(特定保健指導)、がん検診、人間ドック

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特定健康診査

・実施年度中に40歳〜75歳となる者で、公的医療保険加入者全員を対象とした保健制度。

・一般には『メタボ健診』といわれている。

・「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて実施される。

・医療費の高騰の原因の一つとされる、糖尿病などの生活習慣病の医療費抑制が目的。

・なお、75歳以上の後期高齢者医療制度加入者は、後期高齢者医療広域連合からの委託にもとづき、国民健康保険の実施する特定健康診査と同様の健診が受診できる。

 

「一般健康診断」との違い

特定健診と定期健康診断、人間ドックの違い

・通常の一般健康診断は、事業者には常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回の定期健康診断の実施が義務づけられており、労働者側もこの定期健康診断を受ける義務があります

・一般健康診断は、事業者が労働者に対して1年に1回以上実施することが義務付けられている。20代~30代の人が毎年、1回受けているのがこの一般健康診断である。

・一般健康診断とは職種・業種を問わず、全ての労働者への実施が義務付けられている。労働安全衛生法の定めにより、事業者は労働者に対して医師による健康診断を実施しなければなりません。企業が行う健康診断の費用は企業負担です。

・一方「特定健康診査」とは、メタボリックシンドロームに該当する人やその予備軍を減少させることを目的とした健診で、40〜74歳のすべての国民を対象とし、国民健康保険や各健康保険組合などの医療保険者に実施が義務づけられています。

・「一般健診」は病気の発見を目的としたものであるが、「特定健康診査」はメタボリックシンドロームに注目し、糖尿病など生活習慣病予防のための保健指導(特定保健指導)を必要とする人を抽出するために行われるため、「メタボ健診」とも呼ばれる。

・「特定健康診査」ではメタボリックシンドロームに着目しているため、腹囲の測定が行われる。

 

「一般健診」と「特定健診」、どちらを受ければよい?

・一般健診には特定健診の受診項目が含まれているため、会社員の方は40歳以降も一般健診(定期健康診断)を受けていれば特定健診を受けたことになり、特定健診を別途受ける必要はありません

・また健康保険組合等は常時雇用している従業員の扶養者に対しても特定健診を実施する義務があることから、会社員の扶養となっている40歳以降の方(妻や夫)は、夫または妻の勤務先が実施する特定健診を受診します。

・自営業・個人事業主など国民健康保険に加入している方は、一般健診を受ける機会がないため、40歳以降は自治体等が実施する特定健診を受診しましょう。

 

 

 

検査内容

特定健診の基本的な項目
・標準的な質問票(咬んで食べる時の状態)
・既往歴(服薬歴、喫煙習慣を含む)
・自他覚症状(理学的所見)
・身長・体重・腹囲・BMI
・血圧
・肝機能(AST (GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP))
・脂質(トリグリセライド、HDLコレステロール、LDLコレステロールまたはNon HDLコレステロール)
・血糖(空腹時血糖またはHbA1c)
・尿糖・尿たんぱく
詳細な健診の項目(基準に該当し医師が必要と認めたものに対し選択して実施する項目)
・心電図
・眼底
・貧血
・クレアチニン(eGFR)
検査の注意点
・LDL-Cの直接測定法も可
・TG400㎎/dL以上や食後採血(食事開始から3.5時間未満)の場合は、原則としてnon-HDL-Cを用いて評価する

 

特定保健指導

・特定健康診査の結果から、生活習慣病の発症リスクが高い方に対して、医師や保健師や管理栄養士等が対象者一人一人の身体状況に合わせた生活習慣を見直すため特定保健指導を実施する。

・特定保健指導には、メタボリックシンドロームのリスク数に応じて、「動機付け支援」「積極的支援」がある(よりリスクが高い方が「積極的支援」)。

 

ステップ 1
・腹囲 男性 85cm以上、女性 90cm以上の方・・・・・・・・・・(1)
・腹囲 男性 85cm未満、女性 90cm未満で、BMI 25以上の方・・(2)
↓ ステップ 2
①血糖:空腹時血糖100mg/dL以上* 又はHbA1c 5.2% 又は薬の治療を行っている
②脂質:中性脂肪150mg/dL以上 又はHDLコレステロール40mg/dL未満 又は薬の治療を行っている
③高血圧:収縮期血圧130mmHg以上 又は拡張期血圧85mmHg以上 又は薬の治療を行っている
④喫煙歴あり(①から③のリスクが1つ以上の場合のみカウント)
↓ ステップ 3
ステップ1,2から保健指導対象者をグループ分け
(1)の場合 ①~④のリスクのうち追加リスクが
      2個以上の方は   積極的支援レベル
      1個の方は     動機づけ支援レベル
      0個の方は     情報提供レベル   の対象となります。
(2)の場合 ①~④のリスクのうち追加リスクが
      3個以上の方は   積極的支援レベル
      1又は2個の方は  動機づけ支援レベル
      0個の方は     情報提供レベル   の対象となります。

ステップ 4(特定保健指導における例外的対応等)
・服薬中の方は、医療保険者による特定保健指導の対象となりません。

・前期高齢者(65歳以上75歳未満)の方は、積極的支援の対象となった場合でも動機づけ支援の対象となります。

 

<情報提供レベル>

 

<動機付け支援>
内臓脂肪型肥満Aでリスクが1つ、内臓脂肪型肥満Bでリスクが1つ~2つ
生活習慣を振り返り、ライフスタイルにあった目標を設定し、実行に移せるようなきっかけ作りを、保健師等がお手伝いします。
【初回】個別面談またはグループ学習
 【3ヵ月後】生活習慣改善状況などを伺います(電話、手紙、FAX)
【サポート方法】
20分以上の面談で生活習慣の改善についてご一緒に考えます。
3ヵ月後に生活習慣のご様子や腹囲・体重などを伺います。
<積極的支援>
・内臓脂肪型肥満Aでリスクが2つ以上、内臓脂肪型肥満Bでリスクが3つ以上
・生活習慣を振り返り、ライフスタイルにあった目標を設定し、実行を続けられるように保健師等が継続的にサポートいたします。

 

【初回】個別面談またはグループ学習
【3ヵ月以上】個別に面談、電話、手紙、FAXで継続サポート
【3ヵ月以上経過】生活習慣改善状況などを伺います(電話、手紙、FAX)
【サポート方法】
20分以上の面談で生活習慣の改善についてご一緒に考えます。
その後、数回のご連絡を取り合いながら、生活習慣の改善をサポートします。
3ヵ月以上経過後に生活習慣のご様子や腹囲・体重などを伺います。
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対策型がん検診

現在日本では5種類の癌に対して公共政策として実施されている
・胃がん検診
集団 バリウム検査:40歳以上、毎年可
上部消化管内視鏡:50歳以上、2年に1回

・肺がん(結核)検診 :

集団 X線撮影: 40歳以上、毎年
喀痰細胞診:ハイリスク者

 

・大腸がん検診 

便潜血2日法 :40歳以上、毎年

 

・乳がん検診

集団 マンモグラフィ検査:40~74歳、2年に1回

 

・子宮頸がん

細胞診:20~69歳、2年に1回

 

その他:
・前立腺がん検診  血液検査 50歳から5歳間隔の年齢の男性
・肝炎ウイルス検査 血液検査: 検査を希望する人で、過去に一度も検査を受けたことがない人
・ピロリ菌検査 血液検査:40・56歳。新潟市特定健診または新潟市胃がん検診(胃内視鏡検査)と同時実施

実施が推奨されるがん検診

死亡率減少効果を認め、かつ不利益も比較的少ない推奨レベルAおよびBで、「対策型がん検診」でも「任意型がん検診」でも実施が推奨されるがん検診は以下の5つ

 

・胃がん検診(胃部X線検査または胃内視鏡検査)

・子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)

・肺がん検診(胸部X線検査)

・乳がん検診(マンモグラフィー)

・大腸がん検診(便潜血検査)

 

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「人間ドック」と「定期健康診断」の違い

参照:人間ドックは健康診断として代用可能。人事が知っておくべき注意点

 

・定期健康診断は法律で義務付けられているものに対して、人間ドックは自分の意志で受けるもの

・人間ドックも健康診断の一部と言えますが、法的な義務はなく、個人の意志によって受診するものになり、大きな違いは「検査項目の多さ」になります。一般健診や特定健診の内容に加えて、胃カメラやCT、MRIなどの検査項目が増え、女性特有の病気や脳に特化した検査など医療施設によってさまざまなコースが用意されています。

・「人間ドックは健康診断だけではわからない病気の早期発見が目的」と覚えておくと良いかもしれません。なお個人の意思で検査項目を選んで行うものなので、基本的に自費になりますが、最近では費用を補助する職場もあります。

・定期健康診断で必要とされる項目を満たしていれば人間ドックを受けたら健康診断の代用は可能

・健康診断は、法の規定に基づいて事業者に実施を義務づけているものなので、費用は事業者が全額負担する。これに対して、人間ドックの場合には法定の項目に関しては会社が負担、その他の項目に関しては個人負担になるケースが多い。ただし、会社や自治体、健康保険組合によっては独自に補助金を出しているケースもある。

 

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