疾患
・血清IgG4高値と、IgG4陽性形質細胞の浸潤、線維化による臓器の腫瘤影性、結節性ならびに肥厚性病変を呈する全身性免疫性、全身性慢性疾患である
・原因は不明。
・涙腺、唾液腺、膵、胆管、腎、後腹膜、動脈周囲、肺といった全身の様々な臓器に時間的、空間的な多発性をもって病変が出現するのが特徴である
症状
障害される臓器によって症状は異なるが、頻度の多いものとして下記のものがある。
・閉塞性黄疸
・ 上腹部不快感
・腹部膨満(腹水)
・食欲不振
・ 涙腺腫脹
・ 唾液腺腫脹
・水腎症
・ 喘息様症状(咳そう、喘鳴など)
・ 糖尿病に伴う口乾
など
診断基準
厚生労働省「IgG4関連疾患包括診断基準」
1.臨床的に単一または複数臓器に特徴的なびまん性あるいは限局性腫大、腫瘤、結節、肥厚性病変を認める。
2.血液学的に高IgG4血症(135 mg/dl以上)を認める。
3.病理組織学的に以下の2つを認める。
①組織所見:著明なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認める。
②IgG4陽性形質細胞浸潤:IgG4/IgG陽性細胞比40%以上、かつIgG4陽性形質細胞が10/HPFを超える。
上記のうち、1)、2)、3)を満たすものを確定診断群(definite)、1)、3)を満たすものを準確診群(probable)、1)、2)のみをみたすものを疑診群(possible)とする.
ただし、できる限り組織診断を加えて、各臓器の悪性腫瘍(癌、悪性リンパ腫など)や類似疾患(シェーグレン症候群、原発性/二次性硬化性胆管炎、キャッスルマン病、二次性後腹膜線維症、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドーシス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)と鑑別することが重要である。
また、比較的生検困難な臓器病変(膵、胆道系、中枢神経、後腹膜、血管病変など)で、充分な組織が採取できず、本基準を用いて臨床的に診断困難であっても各臓器病変の診断基準を満たす場合には診断する。
疾患
IgG4関連冠動脈周囲炎
・冠動脈の肥厚や動脈瘤をきたし、心筋梗塞や動脈瘤破裂により突然死の原因となりうる重要な臓器病変である
IgG4関連腎臓病
・IgG4関連疾患患者の20~25%に認める
・造影CTで、多発性腎実質造影不良域を認める
・高IgG4血症に加え、低補体価が時に腎病変に特徴的な所見とされる(約50%)
治療
ストテロイド
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