疾患
・肋軟骨を介して胸骨に固定されていない第8,9,10肋骨で、結合組織がゆるんだり外傷により断裂したりすることで起こる結合組織の脆弱化により、肋間神経が挟まれ,胸痛をきたす疾患
・肋骨を胸の中央の胸骨につなぎ止めておく靱帯がゆるんでしまって、肋骨が本来あるべき場所からすべり出して肋間神経を圧迫することで痛みが出現する。
・外傷歴はある場合もない場合もある
・あらゆる年齢で発症する。
・かつては若年者に多いとされたが、最近は高齢者でとても多く認める。
脊椎後弯により、下位の肋骨が上位の肋骨の下に滑り込むことで発症すると考えられる。
症状
・「前屈位で誘発する季肋部痛」の鑑別疾患としてslipping rib症候群を考える
・体をひねる、前かがみになる、両腕を上にあげるなど、胸壁が動く動作で痛みが増強する
・ただし、第11-12肋骨が原因の場合は、これらの肋骨は短いので後屈位で症状が誘発される
Hooking maneuver
・疼痛誘発試験
・検者の指を肋骨縁に引っ掛けて、上前方に引き上げる
・クリックや疼痛を誘発した場合に陽性とする
参照(このサイトより引用):https://www.practicalpainmanagement.com/pain/other/abdominal-pelvis/slipping-rib-syndrome-overlooked-cause-abdominal-pain
治療法
対症療法
・症状を誘発する姿勢を避ける
・局所冷却
消炎鎮痛剤
・NSAIDsなどの鎮痛薬で症状が消失することも多い
その他:
アジャスメント
・肋骨滑り症候群の原因は肋骨肋軟骨結合のサブラクセーションである。
従って、この部位のアジャスメントを行う。
・また必要なら同じレベルの肋横突関節、さらに胸椎のアジャスメントも行う。
神経リリース
・肋間神経痛を伴っている場合、肋間神経のリリースを行う。
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