リスクアセスメント対象物健康診断
リスクアセスメント対象物健康診断に関するガイドラインの概要について
「リスクアセスメント対象物健康診断」とは、事業者による自律的な化学物質管理の一環として、化学物質のばく露による健康障害発生リスクが許容される範囲を超えると判断された労働者に対し、医師等が必要と認める項目について、健康障害発生リスクの程度および有害性の種類に応じた頻度で実施するものである。
概要
・「事業者による自律的な化学物質管理」の一環として、労働安全衛生規則の改正により、令和6年4月1日から、
(1)リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、リスクアセスメントの結果に基づき、関係労働者の意見を聴き、必要があると認めるときは、医師又は歯科医師が必要と認める項目について、医師等による健康診断を行い、その結果に基づき必要な措置を講じなければならないこと、
(2)リスクアセスメント対象物のうち、一定程度のばく露に抑えることにより、労働者に健康障害を生ずるおそれがない物として厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う業務に従事する労働者が、厚生労働大臣が定める濃度の基準(濃度基準値)を超えてリスクアセスメント対象物にばく露したおそれがあるときは、速やかに、医師等が必要と認める項目について、医師等による健康診断を行い、その結果に基づき必要な措置を講じなければならないことが事業者に義務付けられることになっています。
リスクアセスメント対象物健康診断の種類と目的
リスクアセスメント対象物健康診断の種類と目的(第3項健診、第4項健診):
安衛則577条の2第3項に基づく健康診断(第3項健診)
安衛則577条の2第3項に基づく健康診断(第3項健診)は、リスクアセスメントの結果、健康障害発生リスクが許容される範囲を超えると判断された場合に、関係労働者の意見を聴き、必要があると認められた者について、当該リスクアセスメント対象物による健康影響を確認するために実施するもの。
・リスクアセスメントで「許容範囲を超える状態」の場合に、健康影響をモニタリングするために実施されます
・頻度:医師等の意見もふまえ事業者が判断(例:6か月以内ごとに1回など)。
・検査項目:医師等が判断
安衛則577条の2第4項に基づく健康診断(第4項健診)
安衛則577条の2第4項に基づく健康診断(第4項健診)は、ばく露の程度を抑制するための局所排気装置が正常に稼働していない又は使用されているはずの呼吸用保護具が使用されていないなど、何らかの異常事態が判明し、労働者が濃度基準値を超えて当該リスクアセスメント対象物にばく露したおそれが生じた場合に実施する趣旨。
・緊急時(漏洩や基準値超えなど)に限定し健康被害の有無を確認・早期発見する趣旨です。
・頻度:速やかに1回
・検査項目:医師等が判断
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