騒音・振動の単位dB(デシベル)について
・音に対する人間の感じ方は音の強さ、周波数の違いによって異なります。
・人間の耳は、一般に20Hz~20KHzまでしか聴きとる事ができないと言われ、しかも低い周波数や、非常に高い周波数はあまりうるさく感じないという特性があります。
・このことは、音圧を周波数に関係なく測定しただけでは、人間のうるささの感覚とは多少ずれたものとなります。
・そこで、音圧レベルを測定する場合、うるささの度合が人間の聴覚に近づくように周波数によって、音圧レベルの修正を行ったものが「Aレンジ」と言われています。
・実際にAレンジで測定した場合と、音圧レベルの測定値そのもの(Cレンジ)を比較すると下図のようになります。この図から人間がもっともうるさく感じる周波数は1KHz~5KHzである事がわかります。
・騒音の大きさは、物理的に測定した騒音の強さに、周波数の違いによる人間の耳の感覚の違いを加味してdB(A)(デシベル エー)で表します。
・実際には、騒音計のA特性(聴感補正)で測定した値を騒音レベルとして、dB(A)で表示します。
※従来騒音レベルの単位として使われていた「ホン」と「dB(A)」は同じ意味ですが、計量法の改訂により騒音レベルの単位がdB(A)に統一されました。
・音圧レベルの大きさと人間の感じる騒音の大きさは必ずしも正比例しません。それは人間の耳が周波数別に異なる感度を有するためです。例えば100Hzの音と2,000Hzの音では同じ音圧レベルであっても20db程度「うるささ」は異なります。このような音圧レベルと人間の感じる「うるささ」を補正するために「A特性」という周波数補正値があり、騒音レベルを算出するために用いられています。
騒音環境の管理区分
参照(このサイトより引用):https://kenkou-anzen.jp/noise-disorder/
騒音性難聴
・騒音下での職業など、長期間騒音に暴露され徐々に進行する難聴
・低音成分より3000ヘルツ以上の高音成分の方が傷害を起こしやすいですが、主に傷害を受けるのは内耳の有毛細胞です。
・騒音性難聴の特徴は両側対称性である
・騒音性難聴は初期には高音部に強く表れ、4000Hzが聞こえにくくなる『C5 dip』という難聴を示すのが特徴である。ただし進行とともに2000~8000Hzにも難聴が及ぶようになる。
・『C5dipの有無』が加齢性難聴との鑑別になる
参照(このサイトより引用):http://home.a01.itscom.net/tcoh/part1.htm
聴力レベルに基づく管理区分
健康管理
・「騒音障害防止のためのガイドライン」には、85dB(A)以上になることが想定される騒音作業に常時従事する労働者に対して行う特殊健康診断(オージオグラムによる250ヘルツから8,000ヘルツまでの聴力検査など)が定められています。
・聴力検査の結果から以下の表に示す措置を講ずることが基本ですが、耳科的既往歴、騒音業務歴、現在の騒音作業の内容、防音保護具の使用状況、自他覚症状などを参考にするとともに、生理的加齢変化(老人性難聴の影響)も考慮する必要があります。
聴力レベルに基づく管理区分(騒音障害防止のためのガイドラインより)
※「高音域」の聴力レベルは4000Hzについての聴力レベルを指す
※「会話音域」の聴力レベルは3分平均聴力レベルを指す
【3分平均聴力レベル】
・純音聴力検査の結果を一つの数値にまとめ、 その後の処理を進める際の最に用いられる平均 (算術平均) 法。
・目的 に応じて平均する周波数 は限定され るが、 音声周波数帯の平均法として世界的に算術平均 (3分法) が用いられている
・式:(500 Hz + 1000 Hz + 2000 Hz)/ 3
区分(→要観察以上では耳鼻科受診が必要)
※管理区分が「要観察」および「要管理」の場合は耳鼻咽喉科専門医での指導を受ける必要がある
正常:
高音域および会話音域とも30dB未満
要観察1(前駆期の症状が認められるのも)
高音域が30dB以上50dB未満で、会話音域が30dB未満
または
高音域が50dB以上で、会話音域が30dB未満
要観察2(軽度の聴力低下が認められるもの)
高音域が50dB以上で、会話音域が30dB以上40dB未満
または
高音域が50dB未満で、会話音域が30dB以上40dB未満
要管理
高音域が50dB以上で、会話音域が40dB以上
または
高音域が50dB未満で、会話音域が40dB以上
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