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鉛中毒

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原因

・経気道(粉塵、フューム)が主(蓄電池製造、クリスタルガラス製造、七宝焼き、塩化ビニル加工)

・鉛入りの塗料を飲み込むこと、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器での飲食

 

 

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病態

・吸収された鉛の99%が赤血球に結合し、長期間留まる(半減期35日程度)

・赤血球のδ網のレブリン酸脱水素酵素を阻害することで、ヘム合成を抑制する

 

 

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症状

・3徴:貧血、腹部疝痛(鉛疝痛)、神経症状

・低色素性小球性貧血

・認知障害、腹部痙攣,便秘,振戦,気分変化

・伸筋麻痺(橈骨神経麻痺、下垂足)

・鉛縁(Bruton’s line):歯肉の青み掛かった、または灰色の色素沈着。鉛が口腔内細菌の代謝物と反応することで生じる。

診断

血算

・小球性貧血

・特に網状赤血球数増多

・赤血球に好塩基性斑点が出現

 

 

 

治療

鉛源の除去(例,鉛が消化管にある場合全腸管洗浄)
中毒症状がありPbBが70μg/dLを超える成人ではキレート化
脳症が認められるか,またはPbBが45μg/dL(2.15mmol/L)を超える小児ではキレート化
全ての患者において,鉛源を除去する。鉛の小片が腹部X線上でみられる場合は,繰り返しの腹部X線で鉛がみられなくなるまで,ポリエチレングリコール電解質溶液を用いて成人で1~2L/時,小児で25~40mL/kg/時で全腸管洗浄を行う。そのような大量の投与には経鼻胃管による投与が必要になることがあり,気道を保持するように注意する必要がある;挿管が必要になる場合がある。弾丸が原因の場合は,外科的除去を考慮すべきである。PbBが70μg/dL(3.40μmol/L)を超える小児,および神経症状を呈する全ての患者は,入院させるべきである。急性脳症患者はICUに収容する。

キレート剤(例,サクシマー[succimer][メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸],CaNa2EDTA,ジメルカプロール[British Anti-Lewisite,BAL])を投与し,鉛に結合させて排泄可能な形にする場合もある。キレート療法は,経験豊富な毒物学者が監視すべきである。キレート療法は,中毒症状があることに加えてPbBが70μg/dLを超える成人,および脳症を認めるかまたはPbBが45μg/dL(2.15μmol/L)を超える小児に対して,適応となる。肝疾患および腎疾患は,キレート剤に対して相対的禁忌である。キレート化により鉛の消化管吸収が増加する可能性があるため,鉛曝露が継続している患者に対してはキレート剤を投与してはならない。キレート化で除去されるのは,比較的少量の金属のみである。鉛の身体への総負荷が非常に大きい場合は,多年にわたる複数回のキレート化が必要になることがある。

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