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「胃ポリープ」の種類

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「胃ポリープ」とは?

・「胃ポリープ」とは正確には「胃に発生する上皮性、良性、隆起性病変」のことをいう

・広義には腺腫、粘膜下腫瘍、癌など胃の中に隆起した病変の総称として使用されることもある。

・胃ポリープは「過形成性ポリープ」「胃底腺ポリープ」「特殊型(炎症性、症候性、家族性)ポリープ」に分類される。

・一般診療で多くみられるのは「過形成性ポリープ」と「胃底腺ポリープ」である。

 

過形成性ポリープ

・過形成性ポリープは概ね赤色で胃のどの部位にもみられ、大きさは大小様々で、単発の場合もあれば複数みられることもある。

・発赤調

ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)感染で、萎縮性胃炎のある胃に発生する

H.pylori除菌治療で、ポリープが縮小もしくは消失したとの報告もある。

・過形成性ポリープは頻度こそ高くないが、癌化することがあるため、年に1回程度の内視鏡検査が必要である

 

胃底腺ポリープ

・胃底腺ポリープは周囲の粘膜と同じような色調を呈する大きさ1cm以下の小さな半球状の隆起小さなポリープで、胃体部、特に大弯側に複数みられることが多い。

・ポリープの大きさは5mm程度と小さく、単発より多発することが多い

H.pylori陰性できれいな胃に発生する。今後、H.pylori陰性者の増加に伴い、遭遇する機会も増加することが予想される。

・胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬を服用するとポリープが腫大したり、数が増加するとの報告もある。

・胃底腺ポリープでの癌発生例も報告されているがその頻度はきわめて低い。治療の必要はほぼありません。

 

過誤腫性ポリープ

・粘膜下に異所性に腺管の増生を認め,胃内腔に膨張性に発育してポリープ状の形態を示す病変

・hamartoma(過誤腫)とはその構成成分が存在する臓器や組織の成分として元来存在するもので,

その組織成分の量的組み合わせの不均衡により,特定の成分が過剰形成されて腫瘍の形態をとるものと定義されている.

・HIPは胃体上部や穹窿部などの胃底腺領域に好発し,病変は粘膜下異所性胃腺の増生,貯留,嚢胞化により,比較的大きな孤立性腫瘤を形成する.

・内視鏡所見は病変の大きさにより様々であるが,基本的には粘膜下腫瘍様形態を呈することが多い.

・本症の形態に関して有茎性の病変をポリープ型,無茎性の病変を粘膜下腫瘍型と分類しているが,病変が小さいものは粘膜下腫瘍様の形態を呈し,サイズが大きくなると,腫瘍が重みで胃内腔側に引っ張られ,有茎性の形態を呈すると考えられる。

 

胃腺腫

・胃腺腫は白色調の平坦な隆起が特徴で、高齢者に見られる傾向が多い。

・胃腺腫の多くは良性だが、一部に癌化するものもあり、胃腺腫は前癌病変とされている

胃がんを発症しやすい病変である(癌化率約20-50%)(文献によって癌化率に幅がある)

・比較的大きなもの(20mm以上)場合、乳頭状増殖を示す場合、細胞異型が高い場合、陥凹を伴う場合は癌化の可能性があり、積極的に内視鏡治療を行う。

・胃ポリープと似ているが胃ポリープは上皮の過形成によるものに対し、胃腺腫は異型上皮(上皮細胞が変化している状態)で構成されている。

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