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亜鉛(特に亜鉛欠乏症について)

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亜鉛について

・必須微量元素のひとつ

・成人の体内には1~2g存在

・亜鉛は多くの酵素の中心活性として重要

 

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欠乏の原因

・摂取不足

・吸収不良

・排泄増加(透析、慢性肝疾患、キレート作用のある薬剤(Lドーパ、イミプラミン、アロプリノール、炭酸リチウム、カルバマゼピン、アンピシリンなど)

 

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亜鉛欠乏による症状

・味覚障害

・皮膚炎

皮膚炎は腸性肢端皮膚炎と称され、眼瞼、口囲、鼻孔、耳周囲、肛門周囲、外陰部などの開口部および四肢末端の皮膚炎となる。

・口内炎

・脱毛症

・褥瘡(難治性)

褥瘡治療では外用療法だけではなく、亜鉛を補充して体内から効果的に血中の亜鉛濃度を上昇させることが推奨されている。

・食欲低下

・発育障害(小児で体重増加不良,低身長)

・性腺機能不全、不妊症

・易感染性

・貧血

 

検査

・血液中の亜鉛は約80%が赤血球中に含まれ、約20%が血清中、約3%が血小板や白血球中に存在する

・そのため溶血では亜鉛濃度が見かけ上高値となる

・血清亜鉛濃度には日内変動があり、早朝空腹時が高く、その後徐々に低下し、午後には早朝の値から約20%低下する。

・また食事の影響を受け、空腹時と比べて食後に低下する

・そのため、血清亜鉛を測定する際は、早朝空腹時の採血が推奨される

・亜鉛は多くの酵素の中心活性として重要。特にALPは亜鉛欠乏時に活性が低下するため、血中ALPが低値となる

 

亜鉛欠乏の診断指針

亜鉛欠乏症は,亜鉛欠乏の臨床症状と血清亜鉛値によって診断される.

表に亜鉛欠乏症の診断基準を示す.

亜鉛欠乏症の症状があり,血清亜鉛値が「亜鉛欠乏」または「潜在性亜鉛欠乏」であれば,亜鉛を投与して,症状の改善を確認することが推奨される.

亜鉛欠乏の診断指針

1. 下記の症状/検査所見のうち1項目以上を満たす
1) 臨床症状・所見

皮膚炎,口内炎,脱毛症,褥瘡(難治性),食欲低下,発育障害(小児で体重増加
不良,低身長),性腺機能不全,易感染性,味覚障害,貧血,不妊症

2) 検査所見

血清アルカリホスファターゼ(ALP)低値

2. 上記症状の原因となる他の疾患が否定される

3. 血清亜鉛値

3-1:60µg/dL未満:亜鉛欠乏症

3-2:60 ~ 80µg/dL未満:潜在性亜鉛欠乏

血清亜鉛は,早朝空腹時に測定することが望ましい

4. 亜鉛を補充することにより症状が改善する

 

Definite(確定診断):上記項目の1.2.3-1.4をすべて満たす場合を亜鉛欠乏症と診断する.
上記項目の1.2.3-2,4をすべて満たす場合を潜在性亜鉛欠乏症と診断する.
Probable:亜鉛補充前に1.2.3.をみたすもの.亜鉛補充の適応になる.

 

亜鉛の補充

治療は亜鉛補充であるが、亜鉛は銅への親和性の高い内因性キレート蛋白を誘導するため、多量の亜鉛を継続的に摂取すると銅吸収阻害による銅欠乏が生じる

 

Rp)

・ポラプレジンク(プロマック®)

・ノベルジン

 

 

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