腫瘍による皮膚の潰瘍性病変
・進行した皮膚がん、または体表に露出した皮膚がん以外のがん(乳がん、頭頸部がんなど)は、広範囲の潰瘍性病変を生じ、増大した腫瘍や皮膚潰瘍からの出血・浸出液や悪臭などを生じ、患者さんやご家族のQOL(生活の質)を著しく損なうことがある。
ロゼックスゲル®0.75%(メトロニダゾール)
・ロゼックスゲル0.75%(一般名:メトロニダゾール)は、がん性皮膚潰瘍臭・酒さ治療薬です。
・「酒さ」に対する効能・効果は、世界60以上の国又は地域で承認取得、販売されており、欧米の治療ガイドラインでも推奨度の高い標準治療薬として位置づけられています。
・名称の由来は、ロゼックスゲルの一般名であるメトロニダゾール(MetROnidaZole)のROとZを用いて命名されています。
・ロゼックスゲルはメトロニダゾールを有効成分とする水性ゲル製剤です。
・ロゼックスの有効成分であるメトロニダゾールは、酒さ病変部に増加している活性酸素種の生成を抑えることで抗炎症作用を示します。
・また、免疫細胞によるTNF-αの産生や貪食細胞の免疫能等を抑えることで免疫抑制作用を示し、慢性の皮膚の炎症を抑えます。
・1日2回、患部を洗浄後(朝・夕の洗顔後または入浴後)に使用。
Mohs(モーズ)軟膏(Mohs変法)
・米国の外科医F.E.Mohsが考案した軟膏製剤とされている。
・主成分は塩化亜鉛で、塩化亜鉛が潰瘍面の水分でイオン化し、亜鉛イオンの蛋白凝集作用により腫瘍細胞や腫瘍血管および二次感染した細菌の細胞膜硬化作用を有する。
・「Mohsペースト」はタンパク質を凝固させる性質がある
・効能:
①腫瘍を凝固させ、凝固した部分を切除することにより腫瘍を小さくする。
②腫瘍を凝固させることにより、出血・浸出液や悪臭などの症状を緩和し、QOLを向上させる。
Mohsペーストの組成:
・塩化亜鉛飽和水溶液 50mL
・亜鉛華デンプン 20~35g
・グリセリン 15mL
(亜鉛華デンプンの量で硬さを調節)
亜鉛華デンプン
・亜鉛華デンプンは蛋白質を変性させることで組織や血管を収縮させ、収斂作用により滲出液や臭気を軽減できる(だたし効果は不十分なことがある)
・亜鉛華デンプンを患部一面が白くなる程度に散布し、その上からガーゼを当ててテープで固定する
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