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騒音作業(健康診断、作業環境測定、聴覚保護具、ガイドライン)

  1. 可聴域、日常会話での周波数域
  2. 騒音・振動の単位「dB(デシベル)」について
        1. デシベル(㏈)とは
        2. 「A特性」とは
  3. 等価騒音レベル(LAeq)
  4. dB 和の計算方法
  5. 騒音性難聴
    1. 騒音性難聴を悪化させる日常生活活動
  6. 騒音職場改善策
  7. 代表的な騒音対策の方法
        1. 1 騒音発生源対策
        2. 2 伝ぱ経路策
        3. 3 受音者対策
  8. 聴力保護のための対策
  9. 騒音の許容基準(日本産業衛生学会)
  10. 常時騒音作業に従事する労働者に対して行う「労働衛生教育」
        1. ⑴ 管理者に対する労働衛生教育
        2. ⑵ 騒音作業に従事する労働者に対する労働衛生教育
  11. 騒音の作業環境測定
    1. 単位作業場所
    2. 騒音計
    3. 作業場の騒音測定
        1. A測定:
        2. B測定:
        3. 個人ばく露測定による等価騒音レベルの測定:
  12. 騒音性難聴
    1. 騒音環境の管理区分
    2. 評価結果に基づく措置
        1. ⑴ 第Ⅰ管理区分の場合
        2. ⑵ 第Ⅱ管理区分の場合
        3. ⑶ 第Ⅲ管理区分の場合
    3. 測定結果等の記録
  13. 聴力レベルに基づく管理区分
    1. 健康管理
    2. 聴力レベルに基づく管理区分(「騒音障害防止のためのガイドライン」より)
        1. 3分平均聴力レベル
    3. 区分(→要観察以上では耳鼻科受診が必要)
        1. 正常:
        2. 要観察1(前駆期の症状が認められるのも)
        3. 要観察2(軽度の聴力低下が認められるもの)
        4. 要管理
  14. 騒音健康診断
    1. 騒音障害防止のためのガイドライン見直し
    2. 「騒音健康診断の検査項目」の見直し
    3. 雇入時等健康診断
    4. 定期健康診断(騒音)の一次検査(6月以内ごとに1回)
    5. 解釈
    6. 定期健康診断(騒音)の二次検査
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可聴域、日常会話での周波数域

・可聴域(健康成人が感知できる周波数の最小値と最大値)は一般に20~20,000Hzといわれている。

・日常会話での周波数域は250 ~4,000 ㎐ 程度である。

 

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騒音・振動の単位「dB(デシベル)」について

デシベル(㏈)とは

・デシベル(㏈)とは、音の大きさのレベル(音圧レベル)を表す単位である。

・我々が普段聴いている音は、空気の振動によって伝わっている。音の大きさは、この空気の振動するときの圧力の変化の実効値(一定時間内の音の総エネルギーの時間平均値)によって表され、これを音圧と呼ぶ。

・この音圧の単位は㎩であるが、そのレベル(基準となる量との比の対数をとって表した量)を表す単位がデシベル(㏈)である。

・具体的には、音圧レベル(Lp)は、測定された音圧(p)の二乗と基準音圧(p0)(人間が聴くことのできる最小の音圧:20µ㎩)の二乗との比の対数を10倍した値で、次式のようになる。

 

「A特性」とは

・音に対する人間の感じ方は音の強さ、周波数の違いによって異なります。

・人間の耳は、一般に20~20,000Hzまでしか聴きとる事ができないと言われ、しかも低い周波数や、非常に高い周波数はあまりうるさく感じないという特性があります。

・このことは、音圧を周波数に関係なく測定しただけでは、人間のうるささの感覚とは多少ずれたものとなります。

・そこで、音圧レベルを測定する場合、うるささの度合が人間の聴覚に近づくように周波数によって、音圧レベルの修正を行ったものが「A特性」と言われています。

・実際にA特性で測定した場合と、音圧レベルの測定値そのもの(C特性)を比較すると、人間がもっともうるさく感じる周波数は1KHz~5KHzである事がわかります。

・騒音の大きさは、物理的に測定した騒音の強さに、周波数の違いによる人間の耳の感覚の違いを加味して「dB(A)(デシベル エー)」で表します。

・実際には、騒音計のA特性(聴感補正)で測定した値を騒音レベルとして、dB(A)で表示します。

※従来騒音レベルの単位として使われていた「ホン」と「dB(A)」は同じ意味ですが、計量法の改訂により騒音レベルの単位がdB(A)に統一されました。

 

・音圧レベルの大きさと人間の感じる騒音の大きさは必ずしも正比例しません。それは人間の耳が周波数別に異なる感度を有するためです。例えば100Hzの音と2,000Hzの音では同じ音圧レベルであっても20db程度「うるささ」は異なります。

・このような音圧レベルと人間の感じる「うるささ」を補正するために「A特性」という周波数補正値があり、騒音レベルを算出するために用いられています。

 

参照(このサイトより引用):https://www.skklab.com/a%E7%89%B9%E6%80%A7%E3%81%A8%E3%81%AF_%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%AE%E6%84%9F%E3%81%98%E3%82%8B%E3%81%86%E3%82%8B%E3%81%95%E3%81%95%E3%81%A8%E9%A8%92%E9%9F%B3

 

 

参考:騒音レベル(そうおんれべる)

 

 

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等価騒音レベル(LAeq)

・「等価騒音レベル」( Equivalent continuous A-weighted sound pressure Level:LAeq ) とは、騒音レベルが時間とともに不規則かつ大幅に変化している場合(非定常音、変動騒音)に、ある時間内で変動する騒音レベルのエネルギーに着目して時間平均値を算出したものです。
・等価騒音レベルは、自動車からの騒音のように時間的に大きく変動する騒音レベルを評価するために考案された。

・ある測定時間内で時間とともに騒音レベルが大きく変動する多数の測定値が得られたときに、時間変動のない一定の騒音レベル(定常音)で代表させたらどの程度の数値になるかを算出し、測定時間内での騒音のエネルギーが両者で等しく(等価)なるようにした場合の定常音の騒音レベルが「等価騒音レベル」である。

時間的に変動する騒音のある時間範囲 T における等価騒音レベルは、その騒音の時間範囲 T における平均2乗音圧と等しい平均2乗音圧をもつ定常音の騒音レベルに相当する。単位はデシベル(㏈)である。
・言い換えると、測定時間内における騒音エネルギーによる総曝露量を時間平均した物理量であるため、異なる音源からの騒音の合成などの計算に便利です。

・また、変動騒音に対する人間の生理・心理的反応とも比較的よく対応することから、環境騒音を評価するための評価量として多くの国で採用されている。

dB 和の計算方法

音源の数が2倍になったときに、騒音レベルは3dB大きくなる

例)

機械A及びBがあり、作業者の位置において、一方の機械のみを運転したときA及びBのいずれの場合も52dBである場合、A及びBを同時に運転すると作業者の位置における騒音レベルは

52㏈ + 3db = 55db

となる。

 

騒音性難聴

・騒音性難聴とは、慢性的に激しい騒音(85dB(A)程度以上)に長期間(1日8時間、5年程度以上)ばく露することによって発症する聴覚障害である。

・騒音にばく露して5~15年の間に進行し、それ以降の進行は少ないと言われる。

蝸牛の有毛細胞の障害によって起き、有毛細胞は再生されないため不可逆的な疾患である。

・騒音性難聴の特徴は両側対称性である

・発症には個人差があり、騒音にばく露しても発症しないケースもある。

・老人性難聴と異なり、初期には4,000Hz付近の聴力損失が現れる。これは、通常の会話には悪影響がほとんどないので気付かれにくい。症状が進むにつれて、2,000~8,000Hz程度まで障害が進む。

・騒音性難聴は初期には高音部に強く表れ、4000Hzが聞こえにくくなる「C5 dip」という難聴を示すのが特徴である。ただし進行とともに2000~8000Hzにも難聴が及ぶようになる。

・「C5dipの有無」が加齢性難聴との鑑別になる

・高い周波数成分で音も小さい無声子音(s、k、t 等の音)が聞こえにくくなる

騒音性難聴では、内耳の蝸牛内の聴毛と有毛細胞が損傷を受ける。これらは、再生することはないので非可逆的な変化となる。そのため、予防が何よりも重要となる。

 

参照(このサイトより引用):http://home.a01.itscom.net/tcoh/part1.htm

 

 

騒音性難聴を悪化させる日常生活活動

・ヘッドフォンによる大音量での音楽等の視聴

・カラオケなど

・疲労の蓄積や睡眠不足

・動脈硬化や肥満の原因となる食事や運動不足

 

 

 

騒音職場改善策

① 作業環境測定による、騒音に関する問題点の把握
② 騒音を発生させる原因の除去(本質安全化)や、騒音の発生を小さくすることなど
③ 騒音源の密閉化や遮蔽などによる、騒音の低下(工学的対策)
④ 作業手順の作製や労働衛生教育による、騒音にばく露されない作業の推進
⑤ 保護具の適切な選択、正しく確実な使用、正しい管理の推進

 

代表的な騒音対策の方法

騒音障害防止のためのガイドライン(令和5年4月改訂)

1 騒音発生源対策

発生源の低騒音化: 低騒音型機械の採用
発生原因の除去: 給油、不釣合調整、部品交換等
遮音: 防音カバー、ラギング等の取り付け

ラギング:配管,ダクトなどの防音,保温のためにロックウール,グラスウールなどの吸音材料,鉄板などの遮音材料,またはこれらを組合せた材料を対象機器表面に巻付けたもの,あるいはこれらの材料で機器表面を覆ったものをラギングと呼んでいる.

消音: 消音器、吸音ダクト等の取り付け
防振: 防振ゴムの取り付け
制振: 制振材の装着
運転方法の改善: 自動化、配置の変更等

 

2 伝ぱ経路策

対距離減衰: 配置の変更等
遮蔽効果: 遮蔽物、防音塀の設置
吸音: 建屋内部の消音処理
指向性: 音源の向きの変更

 

3 受音者対策

遮音: 防音監視室の設置
作業方法の改善: 作業スケジュールの調整、遠隔操作化等
耳の保護 :耳栓、耳覆いの使用

 

聴力保護のための対策

① 騒音発生作業を自動化して周囲を遮蔽する、遮蔽されたケースの中に手を入れて作業を行うようにするなどの工学的対策をとること。
② 6か月を超えない期間ごとに1回、定期に作業環境測定を行い、その結果を評価して管理区分を決定し、第Ⅲ管理区分となったときは適切な対策を取ること。なお、作業環境測定の結果、評価の結果、結果に基づいてとった対策を3年間保存すること。
③ 新たに労働者を騒音作業に就けるとき、及びその後、6か月を超えない期間ごとに1回、定期に健康診断を行うこと。有所見者については、オージオメータによる250,500,1,000,2,000,4,000,8,000Hzにおける聴力の検査を行うこと。
④ 新たに労働者を騒音作業に就けるとき、騒音の人体に及ぼす影響及び聴覚保護具の使用について教育を行うこと。
⑤ 作業者に適切な保護具を使用させる、騒音作業時間を減じる、関係のない労働者を騒音職場に立ち入らせない等の作業の改善を行うこと。

 

 

騒音の許容基準(日本産業衛生学会)

許容濃度等の勧告(2020年度:日本産業衛生学会)

・「日本産業衛生学会」が騒音の許容基準定めている。

・「騒音のバンドレベルがこの基準以下であれば、1日8時間以内のばく露が常習的に10年以上続いた場合でも、騒音ばく露に起因する永久的聴力損失は、1kHz以下の周波数で10dB以下、2kHzで15dB以下、3kHz以上の周波数で20dB以下にとどめることが期待できる」としている

 

 

常時騒音作業に従事する労働者に対して行う「労働衛生教育」

⑴ 管理者に対する労働衛生教育

事業者は、管理者を選任しようとするときは、当該者に対し、次の科目について労働衛生教育を行うこと。
① 騒音の人体に及ぼす影響
② 適正な作業環境の確保と維持管理
③ 聴覚保護具の使用及び作業方法の改善
④ 関係法令等

⑵ 騒音作業に従事する労働者に対する労働衛生教育

事業者は、騒音作業に労働者を常時従事させようとするときは、当該労働者に対し、次の科目について労働衛生教育を行うこと。

ただし、第Ⅰ管理区分に区分されることが継続している場所又は等価騒音レベルが継続的に 85 ㏈未満である場所において業務に従事する労働者については、当該教育を省略することができ
る。
① 騒音の人体に及ぼす影響
② 聴覚保護具の使用

 

騒音の作業環境測定

単位作業場所

・作業環境測定基準では、測定は「単位作業場所」ごとに行うように定められています。

・騒音職場における単位作業場所 は 、作業者の行動範囲 、 騒音レベ ル の分布状 況に基づいて定めるもので、作業者が常時作業するために立ち入る場所で、おおむね80dB(A)以上の騒音レベルであるような範囲とします。

騒音計

・測定に用いる騒音計は、等価騒音レベルを測定できるものであること。

・騒音計の周波数補正回路はA特性で行うこと。

 

作業場の騒音測定

作業場の騒音測定は、A測定、B測定ともに10 分間以上の等価騒音レベルの測定を行なうことになっています。

 

A測定:

・単位作業場所内の平均的な 騒 音 レ ベ ル の 分 布 を 調 べ る た め の 測 定 を 「 A 測 定 」 と い い ます。

・作業場を縦、横6m以下の等間隔で引いた直線の交点(5点以上)において、床上120cmから 150cmの間で、各測定点を10分間測定する。

・測定に用いる機器は、等価騒音レベルを測定できるもので、騒音計の周波数補正回路のA特性で行う。

 

B測定:

・発散源の近くで作業する作業者が 高 い 騒 音 レ ベ ル に ば く 露 さ れ る 危 険 が あ る か な い か を調べるための測定を「B測定」 と い ま す 。

・B 測 定 は 、 作 業 方 法 、 作 業 姿 勢 、 騒 音 レ ベ ル の発散状況等から判断して、 測定値 が 最 大 と な る と 考 え ら れ る 位 置 で 、 測定値 が 最 大 と な ると考えられるときを含めて10分間 測 定 し ま す 。

・測定に用いる機器は、等価騒音レベルを測定できるもので、騒音計の周波数補正回路のA特性で、10分間測定する。

 

参照(このサイトより引用):https://eiseikanri.bloomlinks.jp/blog-sagyoukankyousokutei-rouei-1/

個人ばく露測定による等価騒音レベルの測定:

・騒音源が移動する場合等においては、上記の方法に代えて、次による個人ばく露測定による等価騒音レベルの測定に基づいて、測定を行うことができる。

① 同種の業務を行うグループごとに1台以上のばく露計による測定を行うこと。

② ばく露計のマイクロホン部分を測定対象者の頭部、首又は肩の近くに装着すること。

③ 測定対象者に、終日又は半日、ばく露計を装着させたままで騒音作業を行わせることにより、騒音作業に従事する時間の等価騒音レベルを測定する。ただし、2時間ごとに反復継続する作業を行うことが明らかな場合等、一定時間の測定を行うことで作業時間全体の等価騒音レベルを算定することが可能な場合は、測定の開始から終了までの時間が1時間以上であれば、測定時間を短縮してよい。

④ 測定を開始する前に、測定対象者にばく露計が正しく装着されていることを確認する。測定対象者は、測定中にばく露計が落下したり、マイクロホン部分が作業着等で覆われたりすることがないよう注意する。

 

騒音性難聴

騒音環境の管理区分

事業者は、単位作業場所ごとに、次の表により作業環境測定結果を評価する

 

参照(このサイトより引用):https://kenkou-anzen.jp/noise-disorder/

評価結果に基づく措置

事業者は、管理区分ごとに、それぞれ次の措置を講ずること。

⑴ 第Ⅰ管理区分の場合

当該場所における作業環境の継続的維持に努めること。

 

⑵ 第Ⅱ管理区分の場合

ア 標識によって、当該場所が第Ⅱ管理区分であることを明示する等の措置を講
ずること。
イ 施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設
又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他の作業環境を改
善するため必要な措置を講じ、管理区分が第Ⅰ管理区分となるよう努めること。
ウ 騒音作業に従事する労働者に対し、必要に応じ、聴覚保護具を使用させるこ
と。

⑶ 第Ⅲ管理区分の場合

ア 標識によって、当該場所が第Ⅲ管理区分であることを明示する等の措置を講ずること。

イ 施設、設備、作業工程又は作業方法の点検を行い、その結果に基づき、施設又は設備の設置又は整備、作業工程又は作業方法の改善その他の作業環境を改善するため必要な措置を講じ、管理区分が第Ⅰ管理区分又は第Ⅱ管理区分となるよう努めること

なお、作業環境を改善するための措置を講じたときは、その効果を確認するため、当該場所について、当該措置を講ずる直前に行った作業環境測定と同様の方法で作業環境測定を行い、その結果の評価を行うこと。

ウ 騒音作業に従事する労働者に聴覚保護具を使用させた上で、その使用状況を管理者に確認させるとともに、聴覚保護具の使用について、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示すること。

 

 

測定結果等の記録

事業者は、作業環境測定を実施し、測定結果の評価を行ったときは、3年間保存することになっています。

 

 

聴力レベルに基づく管理区分

健康管理

・「騒音障害防止のためのガイドライン」では、85dB(A)以上になることが想定される騒音作業に常時従事する労働者に対して特殊健康診断(オージオグラムによる250ヘルツから8,000ヘルツまでの聴力検査など)を行うことが定められている。

・聴力検査の結果から耳科的既往歴、騒音業務歴、現在の騒音作業の内容、防音保護具の使用状況、自他覚症状などを参考にするとともに、生理的加齢変化(老人性難聴の影響)も考慮する必要がある。

 

聴力レベルに基づく管理区分(「騒音障害防止のためのガイドライン」より)

 

※「高音域」の聴力レベルは4000Hzについての聴力レベルを指す

※「会話音域」の聴力レベルは3分平均聴力レベルを指す

 

3分平均聴力レベル

・純音聴力検査の結果を一つの数値にまとめ、 その後の処理を進める際の最に用いられる平均 (算術平均) 法。

・3分法平均聴力レベルは、500Hzの、1,000Hz及び2,000Hzの聴力レベルを合算して3で割った値である。

・目的に応じて平均する周波数は限定され るが、 音声周波数帯の平均法として世界的に算術平均 (3分法) が用いられている

・計算式:

3分法平均聴力レベル

=(A+B+C)/ 3

A:500Hz 、B:1000Hz、 C:2000Hz

 

区分(→要観察以上では耳鼻科受診が必要)

※管理区分が「要観察」および「要管理」の場合は耳鼻咽喉科専門医での指導を受ける必要がある

 

正常:

高音域および会話音域とも30dB未満

 

要観察1(前駆期の症状が認められるのも)

高音域が30dB以上50dB未満で、会話音域が30dB未満

または

高音域が50dB以上で、会話音域が30dB未満

 

要観察2(軽度の聴力低下が認められるもの)

高音域が50dB以上で、会話音域が30dB以上40dB未満

または

高音域が50dB未満で、会話音域が30dB以上40dB未満

 

要管理

高音域が50dB以上で、会話音域が40dB以上

または

高音域が50dB未満で、会話音域が40dB以上

 

 

 

 

騒音健康診断

騒音障害防止のためのガイドライン見直し

騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について(令和5年4月 20 日)

 

「騒音健康診断の検査項目」の見直し

・新ガイドラインでは、聴力低下のごく初期段階を把握するため、、 定期健康診断(騒音)における4000ヘルツの聴力検査の音圧を、「40dB」から「25dBおよび30dB」に変更しました。
・雇入れ時または配置替え時や、定期健康診断(騒音)の二次検査での聴力検査に、6,000ヘルツの検査を追加しました。

 

雇入時等健康診断

・250Hz、500Hz、1,000Hz、2,000Hz、4,000Hz、6,000Hz、8,000Hzにおける聴力検査

 

定期健康診断(騒音)の一次検査(6月以内ごとに1回)

・1,000Hzおよび 4,000Hzにおける「選別聴力検査」

・1,000Hz については30dB、4,000Hzについては25dBおよび30dBの音圧での検査

 

解釈

・1,000 ヘルツ又は 4,000 ヘルツについて 30dB の音圧レベルにおける計測で異常が認められた者及び医師が必要と認める者については、気導純音聴力レベル測定法による聴力検査(雇入時等健康診断と同様)を含む二次検査を行い、健康管理区分を決定する。

・4,000 ヘルツ25dB の音圧レベルにおける計測は、異常が認められたことのみをもって二次検査を行う必要があるとするものではないが、前回までの健康診断結果、作業状況等を勘案して医師が判断することとなる。

 

 

定期健康診断(騒音)の二次検査

※ 定期健康診断の結果、30dBの音圧での検査で異常が認められた者、その他医師が必要と認める者について行う。

・250Hz、500Hz、1,000Hz、2,000Hz、4,000Hz、6,000Hz、8,000Hzにおける聴力検査

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