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職場における感染対策(労働災害における生物学的要因)

参考:情報誌「産業保健21」

情報誌「産業保健21」87号 (2017年1月発行)

【特集】 感染症予防~産業保健スタッフが取り組むべき危機管理~

 

労働災害における生物学的要因

労働災害における生物学的要因とは、感染症やアレルギー、中毒を引き起こす可能性がある要因をいう。

 

職場における新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止対策

職場における新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止対策:

・感染経路はエアロゾル感染、飛沫感染、接触感染

・テレワーク・時差出勤等を推進しています。

・体調がすぐれない人が気兼ねなく休めるルールを定め、実行できる雰囲気を作っています。

・職員間の距離確保、定期的な換気、仕切りなど、密にならない工夫を行っています。

・マスクの着用は個人の判断ですが、感染対策上又は事業上の理由等により、職員に着用を求めることは差し支えありません。

・休憩所、更衣室などの“場の切り替わり”や、飲食の場など「感染リスクが高まる『5つの場面』」での対策・呼びかけを行っています。

感染リスクが高まる『5つの場面』

飲酒を伴う懇親会等
大人数や長時間におよぶ飲食
マスクなしでの会話
狭い空間での共同生活
居場所の切り替わり(仕事の休憩時間など気のゆるみや環境の変化によりリスクが高まることがあります)

・手洗いや手指消毒、咳エチケット、複数人が触る箇所の消毒、換気など、感染防止のための基本的な対策を行っています。

 

結核患者の発症時の対応

感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引き 改訂第6版

・結核は感染症法の2類感染症のたま、診断した医師は保健所に発生届を提出する。

・積極的疫学調査で、患者の感染性(排菌)の有無を確認。
(注:感染性がない場合はここで終了し、職場の対応は必要なし)

・排菌している場合は入院治療を受ける。

・産業医は保健所と密に連絡をとる。結核についての正しい知識とその後の対応について従業員に説明する。

・排菌がなくなったら通院治療となり就業も可能となるが、服薬が終了するまでの期間の就業判定は「就業制限」の扱いとする。

・服薬完了後は通常勤務として可。

・感染性がある場合は接触者をリストアップ。

・患者の感染力の強さに応じて健診の対象者を定め、2ヶ月後に接触者健診を実施。
(血液検査またはツベルクリン反応検査)

・接触者健診の結果、感染の疑いがある場合は、半年ごとに胸部レントゲン検査を行い、2年間追跡する。発病を防ぐため予防内服を行うこともある。

 

企業における風しん対策

職場における風しん対策ガイドライン

・風疹の感染経路は、患者の咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染による。

・「職場での風しん対策」は、感染予防対策としての「日頃からの対応」と、「風しん患者発生時の対応」の 2 本柱があり、「日頃からの対応」が重要となる。

・事業者等や産業保健スタッフ等が実施する日頃からの対応としては、まずは、事業者等や労働者等の意識の醸成が重要であり、特に、管理監督者は、風しんに限らず感染症や予防接種についての知識を持っておくことが必要で、意識付けのための教育研修を実施することが重要となる。

・その上で、取り組む対策として、
① リスクの把握
② 対策立案とその実施

が挙げられる。

・労働者等は、風しん、先天性風しん症候群、予防接種についての理解を深めるとともに、職場の行う対策に協力することが求められる。

・患者が発生した場合、事業者等は終息に向けて速やかな対応に努めることが必要である。

・労働者等は医療機関等で風しんと診断された場合、主治医や上司等と相談して休業等の措置をとること

・感染を広げないためには、風しんを発症した者が、発しんが消失するまで勤務を休む環境を作ることが極めて重要である。労働者等は医療機関等で風しんと診断された場合、症状が軽いからといって無理して出勤せず、主治医や上司等と相談て、適切に休業等の措置をとるよう努める必要がある。

・欠勤基準としては、学校保健安全法を参考に、主治医や産業医の判断を踏まえることが適切である。また、休業等の取扱いについて、あらかじめ労使で協議しておくとともに、就業規則等に記載して周知しておくことが望ましい。
※ 風しんは第二種学校感染症に位置づけられ、出席停止の疾患である。学校等での出席停止措置の基準は、「発しんが消失するまで」となっている。

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