疾患
・B型細胞の最終形態である形質細胞が腫瘍化した疾患
・9割以上が50歳以上の高齢者で発症
・骨髄中で異常な形質細胞が増殖するため正常な造血が抑制される。
・腫瘍の産生する免疫グロブリンがモノクローナルに増殖し、M蛋白として検出される
・IgG、IgA、IgD、IgEのいずれかが増加し、他の免疫グロブリンは低下する。
症状
・骨病変にともなう疼痛が初期症状で多い
・全身倦怠感、体重減少などの非特異的症状のみであることも多い
・貧血
・腎機能障害
・高カルシウム血症
検査
スクリーニング検査
・血算(網赤血球)
・生化(カルシウム、鉄、TIBC、フェリチン)
・蛋白アルブミン解離(拡大):グロブリンの増加による
→総蛋白/アルブミン比>2の時には、多発性骨髄腫を考える
・尿検査(蛋白定性、g/gCr)
専門的検査
・免疫グロブリン定量(IgG,IgA,IgM)
・血清蛋白電気泳動
・尿蛋白電気泳動
・病変部骨X線
・MRI:T1low、T2 high、STIR high
診断基準
「骨髄中のクローナルな形質細胞≧10%、もしくは髄外形質細胞の存在」
に加えて、下記の骨髄腫診断事象を1つ以上有する
臓器障害(CRAB)
C:calcium(高Ca血症)
R:renal failure(腎不全)
A:anemia(貧血)
B:bone lesion(骨病変)
骨髄中のクローナルな形質細胞≧60%
血清遊離軽鎖(FLC)比≧100
MRIで巣病変>1つ
画像所見
・溶骨性変化が多い
(骨硬化性変化を認めた場合は症候群を疑う)
・MRIにてT1 low、T2 high、脂肪抑制(STIR)high
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