交代勤務睡眠障害
交代勤務睡眠障害:
・交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化することにより、睡眠をはじめ精神・身体機能の障害がもたらされる症状。
・交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化させられることによって、睡眠障害をはじめとする種々の精神・身体機能の障害がもたらされることがあり、交代勤務睡眠障害と呼んでいます。
・典型的なものでは、夜間の勤務を終えて朝方から睡眠をとる際になかなか寝付けず、寝付いても何回も途中で目が覚めてしまうという症状が認められます。
・起床後に疲労回復感が乏しく、夜間の勤務時間帯における眠気と注意集中困難および作業能力の低下がみられます。
・深部体温リズムやメラトニン・コルチゾールなどのホルモンリズムは夜間勤務に伴う睡眠スケジュールに完全に同調しにくいため、上記の症状は、交代勤務に伴う睡眠・覚醒スケジュールと、他の生体リズムとの間のずれによると考えられています。
・治療としては、まとまった期間夜勤が続く場合には、個々の生体リズム間のずれを改善し、夜間勤務時の覚醒レベルを高めるために夜間の高照度光照射を行うことがあります。
・また夜間勤務中に仮眠をとると作業能率の低下が少ないとも言われています。
・さらにカーテンなどで日中の遮光に十分注意すれば、日中の睡眠内容を改善させることも可能です。
・三交代勤務の場合には、日勤、準夜勤、深夜勤の順にシフトを組むと、生体リズムを同調させやすいことがわかっています。
特定業務従事者健診
・深夜業(PM10~AM5時の間の労働)を週1回以上程度行うものに、年2回の定期健康診断を義務付け
ポワソネのシフトワーカー6原則
① 交替時間の方向は正循環が良い
・ヒトのサーカディアンリズム(概日リズム)は24時間より長いので、1日が長くなる方向でのローテーション(正循環、順方向シフト)を組むとよい
・例)
日勤→準夜→明け→深夜→休み→日勤→・・・
② 十分な勤務間隔時間のない勤務スケジュールは避ける
・終業時刻から次の始業時刻までの間に、原則として11時間の休息期間を設けること
(6時間の時間確保のため)
③ 夜勤はできるだけ少ない方がよい
・月間夜勤8回以下
・連続勤務:夜勤2回まで、勤務日5日以内
ルーテンフランツの9原則
夜勤・交代制勤務の負担軽減に関する国際的なガイドライン
1.連続夜勤は2~3日にとどめる
2.日勤の始業時刻を早くしない
3.交代時刻は個人毎の弾力化を認める
4.勤務の長さは労働負担で決め、夜勤は短くする
5.短い勤務間隔時間は避ける
6.2日連続の休日が週末にくるように
7.正循環の交代方向
8.交代周期は短くする
9.交代順序は規則的に
仮眠の取り方
夜勤中の仮眠
・夜勤中は積極的に仮眠をとること
・夜勤中に短時間仮眠を取ると、その後の勤務中の眠気が減る。
・できれば90~120分(レムーノンレム睡眠周期の1周期に相当)
・短時間仮眠でも効果あり(目をつむる)
・テレビやwebは避ける
・間食は少なめに
・深部体温が下がる午前3時~4時が効率的
・夜勤後の仮眠は帰宅前の職場でとる(帰りの事故予防)
夜勤後、よく寝るために
・夜勤明けは、入眠開始時間が遅くなると睡眠が取りにくくなるため、できるだけ早く睡眠を取るようにする。
・夜勤明けの帰宅時はサングラスをかけて日光を浴びない
・歩くときは日陰を歩くようにする
・眠る時はアイマスクを着用する
・寝室は遮光カーテンや2重カーテンで日光を避ける
・昼間は眠気を取るだけにして(3時間程度)、夜間にしっかり寝る
通常の仮眠
・通常の昼間の仮眠は15~30分程度が推奨
概日リズム
・ヒトの概日リズムの中枢は脳の視床下部にある視交叉上核
・ヒトの概日リズムの周期については、24時間10分前後(23.9~24.3時間)とされている(24時間よりも長い)
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