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大動脈弁狭窄症

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診察所見

・遅脈(脈の立ち上がりが遅い)、小脈(拍動が小さい)

・心不全、失神、狭心症の原因

・大動脈弁の狭窄で発生する収縮期駆出性雑音を聴取

・第2肋間胸骨右縁(2RSB;大動脈弁領域)に最強点

→右鎖骨頭の上でよく聴取

・右頚部から心尖部にかけて幅広く放散

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心エコー所見

大動脈弁狭窄症の評価項目
・弁口面積(AVA):1.0cm2 未満

・弁最大血流速度(V max):4.0m/s以上

・平均圧較差 (mean PG):40mmHg以上

 

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治療

参照:2020 年改訂版 弁膜症治療のガイドライン

 

大動脈弁置換術(aortic valve replacement:AVR)

・第一選択

・硬くなった弁を人工弁に取り替える手術

 

経皮的大動脈弁形成術(Percutaneous balloon aortic valvuloplasty :PTAV)

・バルーンカテーテルを用いて狭窄した大動脈弁を拡張することで、大動脈弁狭窄の症状を改善することを目的として行われます。

・長期効果は不良である。AVR、TAVIへの橋渡し治療として、短期効果を目的に行われる

 

経カテーテル的大動脈弁植え込み術(Transcatheter Aortic Valve Implantation:TAVI)

・開胸せず、心臓を止めることなく、カテーテルを用いて人工弁を大動脈弁位に留置する手技

・通常、AVRが不可能もしくはハイリスクと判定された症例に行う。

TAVI 実施を考慮する因子

・高齢
・フレイル
・全身状態不良
・開胸手術が困難な心臓以外の疾患・病態が存在する
肝硬変

呼吸器疾患

閉塞性肺障害(おおむね1秒量<1L)

間質性肺炎(急性増悪の可能性)

出血傾向

・TF-TAVIに適した血管アクセス

・術野への外科的アプローチが困難
胸部への放射線治療の既往 (縦隔内組織の癒着)
開心術の既往
胸骨下に開存するバイパスグラフトの存在
著しい胸郭変形や側弯
・大動脈遮断が困難 (石灰化上行大動脈)
・PPMが避けられないような狭小弁輪

適応にならないケース

・超高齢者

予後改善効果が小さく,ADLの改善も限定的である.

・寝たきりや認知症
予後が悪い

・余命1年以上を期待できない悪性腫瘍患者

・活動性の感染患者

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