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子宮頸がん(子宮頸癌)

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疾患

・HPV感染が危険因子である

・若年日本人女性において罹患率が増加している。ことに20~30歳代の若年者での増加が明らかである。

 

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子宮頸がん検診

・子宮頸がん検診の対象年齢は20歳以上の女性すべてである

・検診結果が「精密検査不要」の場合でも、「2年に1回の定期的ながん検診の受診」が重要である。

 

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液状化検体細胞診(liquid-based cytology: LBC法)

・子宮頸部細胞診の検査方法の一つで、採取した細胞を専用の保存液で回収保存し、その後専用の機器を用いて塗抹標本を作製して、細胞診検査を行うもの。

・従来の方法と比較し、より精度が高い

・「液状化細胞診」では、採取したブラシごと容器に入れるため、採取した細胞をほぼ100%回収することができる。

・また「液状化細胞診」検査法では、血液や粘液などの不純物を取り除いた上で標本化されるので、異常細胞が発見しやすくなる

・そのため採取した細胞を直接スライドガラスに塗布する「従来法」と比較し、不適正検体が減少する

・綿棒ではなく、ヘラ、またはブラシ採取がのぞましい

(専用のブラシやヘラを用いない場合、検査を正確に行う上で必要な数の細胞を採取できない、サンプリングエラーが生じやすくなる)

子宮頸がん検診の細胞診標本作成には不適正標本が減少することから、LBC(液状検体法)が望ましい

・自己採取細胞診は精度が低いため推奨されない

 

ベセスダシステム

・子宮頸がんの新しい細胞診報告様式

子宮頸部細胞診の結果報告はベセスダシステムのみによって行われることになっている。

・子宮頸がん検診の結果について、以前は、「日母分類」でⅠ~Ⅴで分類して、ⅠとⅡを陰性、ⅢaとⅢbを疑陽性、ⅣとⅤをがんとしていた。

・しかし近年、子宮頸がんは「HPV(ヒトパピローマウイルス)」の感染が原因となっていると判明し、これを前提として、「ベセスダシステム」ではNILM(異常なし)、LSIL(軽度異形成)、HSIL(中~高度異形成)、SCC(がん)と診断する。

・しかし、なかなか診断の難しい症例もあり、「ASC-US」と「ASC-H」という診断もあります。

・日本語にすると、ASC-USは「意義不明な異型扁平上皮」、ASC-Hは「高度病変を除外できない異型扁平上皮」となります。

・何のことか、産婦人科の医師でも理解しにくい結果で、ある病理学の先生は、診断に迷ったときの「ごみ箱」というほどです。

・しかし、この場合、「ASC-USはNILM(異常なし)とLSIL(軽度異形成)の区別が難しく、ASC-HはLSIL(軽度異形成)とHSIL(中~高度異形成)と区別が難しいのだな」と理解するとわかりやすいように思います。

・精密検査としてはASC-USの場合は原則的にHPV(高リスク群)がいるかどうかの検査(簡易ジェノタイプ判定)を行う(実施不可能な施設の場合は直ちにコルポ診、生検も容認)。ASC-Hの場合はコルポスコープ下で生検をおこない、診断が確定します。

・このように、従来のクラス分類(日母分類)では、疑陽性が出たときの取扱いが結構バラバラにおこなわれていましたが、ベセスダシステムが導入されて以来、異形成の結果が出たときの取扱いが明確になった。

 

検査結果と対応

NILM(クラスⅠ・Ⅱ):

正常な細胞のみ

→定期検診を続ける

 

ASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞:Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance)

・ASC-USとは、細胞の形態が正常ではないが異形成と診断するには細胞の異形変化が少ないと判断されたグレーな所見をいう。

・がんが疑われる所見ではなく、異形成が疑われている所見である。

子宮頸部細胞診の結果が「ASC-US」の場合は、「ハイリスクHPV検査」を行う(がんに進展する可能性のあるHPV)。

実施不可能な施設の場合は直ちにルポ診、生検も容認される

 

ASC-H( 高度扁平上皮内病変疑い):

高度な細胞異型の可能性がある

→コルポ診、生検

 

LSIL(軽度扁平上皮内病変: low grade squamous intraepithelial lesion)

HPV感染や軽度異形成と考えられる

→コルポ診、生検

 

HSIL(高度扁平上皮内病変):

中等度異形成・高度異形成・上皮内癌と考えられる

→コルポ診、生検

SCC(クラスⅣ・Ⅴ):

明らかな扁平上皮がんと考えられる

→コルポ診、生検

AGC(異型腺細胞):

腺系病変が疑われる

頸管内および子宮体部の検索が必要

 

HPVワクチン

参照:

HPVワクチン
HPV(human papillomavurus)・ヒトにのみ感染する2本鎖DNAウイルス・性交渉によって感染・多くは12か月以内にウイルスは消失する。・しかしそれ以上に感染が持続した場合に、数年の経過でがんを発...

 

 

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