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小児の気管支喘息

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長期管理の重症度:

長期管理に関しては、治療前の臨床症状に基づく小児気管支喘息の重症度分類によりまず重症度を判定する。

小児気管支喘息の重症度分類

・間欠型:軽い症状が年に数回生じる程度で、呼吸が苦しくなっても薬で治り、短期間で症状が改善し、持続しない状態。
・軽症持続型:軽い症状が月1回以上、週1回未満で、症状の持続は短い状態。
・中等症持続型:軽い症状が週1回以上、毎日ではなく、ときに中・大発作となる状態。
・重症持続型:毎日症状があり、週1、2回は大きな発作がある状態(それ以上は最重症持続型)。

 

 

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長期マネジメント

・慢性期治療の主力となるのは吸入ステロイド薬である。

吸入ステロイド薬は使用量、期間によっては最終身長に影響を与える可能性があり、コントロールを良好に保つ必要最少量であることが望ましい。

・思春期前に吸入ステロイド薬を使用して、成人期までフォローした報告では1.2cm程度の成長抑制が認められる。また、ステロイド薬に対する感受性や吸入効率は個人差が大きいため、漫然と使用するのではなく、リスク/ベネフィットを考慮して最小必要量で維持するように心がける。

・吸入ステロイド薬を使用すると、臨床症状、呼吸機能、気道過敏性が改善し、喘息死が減少する。

・吸入ステロイド薬の中断により、再び気道過敏性は亢進し、症状が再燃するとされている。

・吸入ステロイド薬が、喘息の自然経過を変化させ、小児喘息の寛解率を上昇させるというエビデンスはまだない。

・吸入ステロイド薬の投与量と効果には用量依存性があるが、投与量が多くなると増量効果が乏しくなる。高用量に増量する代わりに、吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤への切り替えも提案される。

・長時間作用性β2刺激薬は長期管理薬としてこの薬だけが処方されることはなく、「吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬配合剤」として処方されます。

・テオフィリン使用中のけいれんは5歳以下に多く、中枢神経疾患の既往のある症例には、低濃度でもけいれんが起こることがある。

・テオフィリンは適応を十分検討し使用するべき薬剤である。低年齢、神経疾患の既往歴のある患者、発熱例などでは、慎重に使用する。

・吸入ステロイド薬/長時間作用性吸入β2刺激薬配合剤は気管支喘息治療に有用であるが、長期的な安全性に関するデータは乏しいため、漫然と使用せずにコントロール状態に応じて吸入ステロイド薬単独への切り替えを考慮する。

 

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吸入薬の年齢による使い分け

・pMDI:ガスの圧力で薬を噴霧するタイプの薬です。薬の噴霧にタイミングを合わせて薬を吸い込みます。
タイミングを合わせることが難しいお子さんはスペーサーと呼ばれる吸入補助具を使うことがあります。
・DPI:粉末状の薬を吸い込むタイプの薬です。一定以上の吸い込む力が必要なので、学童以上(6歳以上)に処方されます。

 

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