疫学
・小児肺炎の原因微生物の多くはウイルス
・特に2歳未満に小児肺炎入院の80%弱がウイルス性
・RSウイルスが最多で、ライノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどが原因
・細菌性とウイルス性の混合感染もあり(約7%)
・5歳以降ではマイコプラズマ肺炎を念頭に入れる(原因微生物の19%を占める)
小児の細菌性肺炎
・肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、A群溶連菌
小児肺炎の診断
・決まった診断基準はない
・肺炎の診断は呼吸ジストレス(多呼吸、呼吸困難、陥没呼吸、シーソー呼吸、鼻翼呼吸、無呼吸)や低酸素血症(室内気でSpO2 90%未満)に注目し、臨床的に行う
・胸部X線は参考程度(外来ではルーチンで撮影する必要はない)
・入院症例では血培も考慮
治療
・ウイルス性肺炎に対しては対症療法(酸素、輸液、理学療法)
・細菌性肺炎との合併が懸念される場合は抗菌薬を開始
・「肺炎球菌」を念頭にアンピシリン、アモキシシリンなど
静注:アンピシリン(ビクシリン®) 200㎎/kg/日(1回50㎎/kg)1日4回6時間毎
内服:アモキシシリン(ワイドシリン®)90mg/kg/日(1回30㎎/kg)1日3回
抗菌薬ドリル 実践編〜臨床現場で必要な力が試される 感染症の「リアル」問題集
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