ガイドライン
監修:一般社団法人日本アレルギー学会喘息予防管理ガイドライン2024WG
喘息増悪(発作)の強度判定
・患者来院時、病歴聴取とその臨床症状、バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、SpO2)から喘息増悪(発作)の強度判定を行う
・「苦しくて横になれない」場合は中等度の増悪を示す
表:喘息増悪の強度
ピークフローメーター、SpO2をチェック
SpO2の正常値は96%以上
ピークフローメーターがいつもより60%以下なら重症
↓
SpO2 89~94%を目標に1~3Ⅼ/分で酸素投与(口呼吸の場合はリザーバーマスク)
(この程度ならCO2ナルコーシスなし)
↓
SABA吸入(ステップ1)
短時間作用性β2刺激薬(SABA:short acting β2 agonist) 吸入
※ ネブライザーでの投与が推奨
Rp①)
サルブタモール(ベネトリン®吸入液0.5%(5mg/mL))
0.3~0.5mL+生食5~10mL
ネブライザー吸入
20分あけて3回まで可
Rp②)
プロカテロール(メプチンエアー®)
10μg/吸入(パフ)を1回2吸入(パフ)頓用、20分おきに1日4回まで
帰宅可の基準
・治療開始してから1時間後に安定していれば帰宅可、症状改善なければ入院考慮。
・SABA吸入は3回まで
・翌日、少なくとも数日以内に専門医受診指示
Rp)
プレドニゾロン0.5㎎/kg(30㎎) 1日1回朝食後 5日間内服
または
ベタメタゾン(リンデロン®) 1回4㎎ 1日1回朝食後 5日間内服
ステロイド:ステップ2(中等度)以上
・1度目のSABA吸入で効果が乏しい場合や、中等度以上の発作の場合に考慮
・リン酸エステル製剤(デカドロン、リンデロン)が原則
リン酸エステル製剤(デカドロン、リンデロン)
① デキサメタゾン(デカドロン®、デキサート®)6.6~9.9㎎+生食100ml
1時間ペースで点滴静注
必要に応じて6時間毎に投与(1日4回まで)
② ベタメタゾン(リンデロン®)4~8㎎+生食100ml、1時間で点滴静注
1時間ペースで点滴静注
必要に応じて6時間毎に投与(1日4回まで)
リン酸エステルの採用がなく、NSAIDs喘息が否定できる場合
① メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール®)2mg/㎏(40~125㎎)+生食100ml
1時間で点滴静注
以降、40~80㎎を必要に応じて4~6時間毎(4~6回/日)
②ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ®)5~10㎎/㎏(200~500㎎)+生食100mL
1時間で点滴静注
以降、100~200㎎を必要に応じて4~6時間毎(4~6回/日)
高度(大発作):アドレナリン皮下注(ステップ3)
吸入β2刺激薬などの加療で気道狭窄が改善しない場合
0.1%アドレナリン0.1~0.3mL 皮下注
・喘息発作の場合は皮下注
・0.1~0.3mⅬ、20~30分間隔で反復可。
・原則として脈拍は130/分以下に保つようにモニターすることが望ましい。
・虚血性心疾患、緑内障(開放隅角(単性)緑内障は可)、甲状腺機能亢進症では禁忌
・高血圧の存在下では血圧、心電図モニターが必要。
↓
アミノフィリン
・「中等度(中発作)」以上で使用検討
・気管支拡張効果あり
・副作用(頭痛、嘔気、動悸、期外収縮)の出現で中止
・増悪前にテオフィリン薬が1日600㎎以上投与されている場合は、半量もしくはそれ以下に減量する
・可能な限り血中濃度を測定しながら投与する(有効血中濃度:8~20μg/mL)
アミノフィリン(テオフィリン®注)250mg+ソルデム③A200mL
1時間ペースで点滴静注
入院の場合の指示
・SABAとステロイド継続
Rp)
SABA:1日3~4回定時吸入+必要時屯用
ステロイド:
プレドニゾロン0.5㎎/㎏内服3~5日間(漸減の必要なし)
リンデロン
デキサメタゾン(デカドロン®)
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