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紫外線、赤外線、レーザー光線

紫外線、赤外線

(口頭試問)紫外線と赤外線の健康障害:

・紫外線にはヒトに対する発がん性(皮膚がん)があり、紫外線の方が赤外線より有害と認識されている。

赤外線は、紫外線よりも皮膚の深層まで浸透し、コラーゲンを破壊したり、体温を上昇させたりする可能性があります。そのため、紫外線の方が一般的に有害と認識されていますが、赤外線も注意が必要です。
・赤外線は、毛細血管を拡張し、全身の血液循環を活性化させ、新陳代謝を促進する効果があるが、近赤外領域の赤外線はヘモグロビンに吸収されて日焼紅斑を引き起こすことがある。

 

紫外線

紫外線の波長:

紫外線の波長は可視光線よりも短く、1nm (109)から 380 nm 程度である。

 

 

紫外線が発生する作業:

アーク溶接・溶断、ガス溶接・溶断、殺菌、検査等の業務

 

組織透過性:

組織透過性は、波長の長いものの方が高く、紫外線よりも赤外線の方が高い。

組織への作用

・紫外線は、皮膚でビタミンDを合成する作用があるが、同時に、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えて老化に影響を与える。

 

紫外線の健康障害:

紫外線保健指導マニュアル

・紫外線は、皮膚でビタミンDを合成する作用があるが、同時に、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えて老化に影響を与え紫る。このため、色素細胞がメラニンを合成して、角化細胞の基底細胞の核を覆って遺伝子を紫外線から保護する。

・紫外線による皮膚障害として、急性の日焼け(サンバーン、サンタン)、慢性のシワ ( 菱形皮膚)、シミ、日光黒子、前がん症(日光角化症、悪性黒子)、皮膚がん(悪性黒色腫)

・紫外線にはヒトに対する発がん性(皮膚がん)がある。

・紫外線と赤外線では、紫外線の方が一般的に有害と認識されている。

・紫外線による眼障害には、急性の紫外線角膜炎(電光性眼炎、雪目)、慢性の白内障などがある。

 

急性傷害

①日焼け(サンバーン、サンタン)

②紫外線角膜炎(雪目)

③免疫機能低下

 

慢性傷害

皮膚:

①シワ ( 菱形皮膚)
②シミ、日光黒子
③良性腫瘍

④前がん症(日光角化症、悪性黒子)

⑤皮膚がん(悪性黒色腫)

目:
①白内障、電光性眼炎(紫外線角膜炎)
②翼状片

 

赤外線:

赤外線の波長:

赤外線の波長は可視光線よりも長く 780 nm から 106,000 nm 程度である。

 

赤外線が発生する作業:

製鉄、製鋼、ガラス等の炉前作業、造塊(製鋼工程で溶鋼を鋳型に注入し、凝固させてインゴット(鋼塊)を製造する工程のこと)などの高熱物体取扱作業、赤外線乾燥作業等に係る業務

 

組織透過性
・波長の長い光ほど皮膚深くにまで到達する特徴があるため、赤外線は紫外線よりも皮膚の深部に到達する。
赤外線の組織への作用:
・赤外線は、毛細血管を拡張し、全身の血液循環を活性化させ、新陳代謝を促進する効果があるが、近赤外領域の赤外線はヘモグロビンに吸収されて日焼紅斑を引き起こすことがある。

・赤外線は、皮膚の深層まで浸透し、コラーゲンを破壊したり、体温を上昇させたりする可能性があります。そのため、紫外線の方が一般的に有害と認識されていますが、赤外線も注意が必要です。

赤外線の健康障害:

・赤外線による眼障害には、白内障、黄斑変性などがある。

・赤外線による皮膚障害をには、熱火傷がある

・紫外線にはヒトに対する発がん性(皮膚がん)があることが知られている。赤外線については、ヒトに発がん性があると信じるに足る証拠はない

 

熱発生
・赤外線は、熱線という別名からも分かるように、照射物に吸収されて熱作用を及ぼす。これに対し、紫外線は、化学作用を起こすが、熱作用はほとんどない。

 

 

太陽からの放射熱:

・太陽からの放射熱は、太陽表面から放出される電磁波が地球に届いて、放射(輻射:熱が電磁波として伝わる現象)により地表や空気を温めることで発生している温度である。

・太陽からの電磁波は主に可視光線と赤外線で構成されており、それらが地球に届き、地表を温めることで、大気も暖められ、地球の平均気温を維持するのに重要な役割を果たしています。

 

レーザー光線

レーザー光線の物理的特性:

・レーザー光線は、180nm から1 mm までの波長域にあり、単一波長で位相のそろった指向性の強いものである

・その物理的特性には、指向性(広がらない)、集光性(狭い範囲への集光が可能)、単色性という性格がある。また、光子の周波数、及び、時間的・空間的位相がそろっているため、可干渉性(コヒーレンス:波動がどれだけきれいに重なり合い、干渉(波同士が強め合ったり弱め合ったりする現象)しやすいか)がある。

 

レーザー光線による健康障害

・レーザー光線による健康影響にはへの影響と皮膚への影響がある。

・眼への影響としては、視覚焦点域外の波長のレーザー光線は、角膜、水晶体等の組織に吸収されて角膜火傷、視力低下を伴う白内障等を起こす。

・視覚焦点域内の波長及び赤外部の一部をもつレーザー光線は、網膜火傷などの網膜障害を起こすことがある。

・皮膚への影響としては、高出力のレーザー光線に対する過度のばく露を受けると軽度の紅斑から水泡形成、熱凝固、炭化までの変化が起こることがある。

 

レーザー機器

・レーザー機器とは、レーザー発振器(媒質、励起光源、共振器(増幅器)からなる装置で、媒質に励起光源から光を当て、媒質中の原子を励起状態にして(元に戻るときに)光子を放出させ、共振器によって共振させてレーザー光を放出させる装置である。
・具体的な例としては、レーザー加工機、レーザーマーカー、通信機器、医療用レーザーメスなどがある。
・これらを用いる作業としては、レーザー加工機を用いた材料の加工、レーザー機器の開発・修理等、医療業務(レーザー機器を用いた医療行為)などがある。

 

「レーザー製品の安全基準(JIS C 6802)」によるレーザークラス

日本ではレーザー製品に関する安全性を確保するために、「レーザー製品の安全基準(JIS C 6802)」により、レーザークラスが8つに分類されています。

クラス1 :ルールを守って使用すれば安全
最も安全なレーザークラスであり、皮膚や目に対する直接的な危険性がないため、特別な安全対策は必要ありません。ルールを守って使用すれば、光学器具(ルーペまたは双眼鏡等)を使っても安全です。ただし、使用方法を誤ると障害を引き起こすことがありますので、油断しないようにご注意ください。
クラス1M :光学器具の使用以外ではクラス1と同じ安全性
裸眼でのビーム内観察でも、ルールを守って使用すれば安全です。ただし、光学器具を使用して観察する場合には、露光による目の障害が生じる可能性があります。
クラス1C :少し特殊で取扱時はそれぞれの製品に安全事項を定める
医療や美容分野にもちいられるレーザー製品で、人体に照射されることを前提として開発されています。ただし、目への照射は避ける必要があります。また、出射されるレーザーのクラス分類は3R、3B、4の場合もあり、これらは対象組織に危険をもたらすことがありますので注意が必要です。
クラス2 :凝視以外の瞬間的な使用では安全
短時間の露出では目に対する影響は認められません。ただし、故意にレーザーを凝視すると危険があります。光学器具を使用する場合も、正しく使えば目に障害を引き起こすリスクは増加しません。
クラス2M :光学器具の使用以外ではクラス2と同じ安全性
裸眼においては、クラス2と同様の安全性です。従って、意図的な凝視は危険が生じる場合もありますので注意が必要です。さらに、光学器具を使用する場合は、使用状況によって目に障害が生じる可能性があります。
クラス3R :直接見るのは危険だがリスクは比較的小さい
直接的にレーザー光を目で見ると、障害が生じる可能性がありますが、そのリスクは比較的小さくなります。障害が生じるリスクは、露光時間が長くなるにつれて増大します。また、意図的にレーザービームを目に当てることは、非常に危険であるため厳に慎む必要があります。
クラス3B :レーザーを直視することは極めて危険。皮膚への照射にも注意
直接レーザービームを見ることは危険であり、皮膚への照射も避けなければなりません。加えて、条件によっては、皮膚障害や可燃物の発火などのリスクがあります。ただし、拡散反射光であれば、比較的に安全です。

クラス4 :高出力。火災を発生させる危険性もあり取扱注意

ビーム内の観察や皮膚への露光は非常に危険です。さらに、拡散反射光によっても深刻な危害が発生することがあります。加えて、火災が発生する危険性もあるため、あらゆるケースにおいて注意が必要です。

 

JIS C 6802「レーザー製品の安全基準」に基づく「クラス4」のレーザー機器使用作業に係る作業管理の措置項目:

1 レーザー機器の操作
レーザー機器の操作は、レーザー光線からできるだけ離れた位置で行う
2 光学系調整時の措置
レーザー光線により光学系の調整を行う場合は、調整に必要な最小の出力のレーザー光線により行う
3 保護具等の使用
レーザー光線の種類に応じた有効な保護眼鏡を作業者に着用させるとともに、できるだけ皮膚の露出が少なく、燃えにくい素材を用いた衣服を作業者に着用させる
4 点検・整備
作業開始前に、レーザー機器管理者にレーザー光路、インターロック機能等及び保護具の点検を行わせる。また、一定期間以内ごとに、レーザー機器について専門的知識を有する者に、一定の事項についてレーザー機器を点検させ、必要な整備を行わせる

 

「クラス4」のレーザー機器使用作業に常時従事する労働者の健康管理において行う検査:

雇い入れ又は配置替えの際に視力検査に併せて前眼部(角膜、水晶体)検査及び眼底検査を行うこと。

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