規格
・1単位(全血200mL由来)=140mL
濃厚赤血球輸血適応
・急性出血:Hb7g/dL以下で輸血開始。Hb6g/dL以下では輸血は必須
※ 濃厚赤血球1単位でHbは40/体重(kg)上昇
→体重80Kgなら1単位で40/80=0.5上昇
輸血前血液型検査
・3~5mL採血検体必要
交差適合試験(クロスマッチ試験)
・輸血用血液製剤と患者血液との間に血液型抗体に起因する抗原抗体反応が起こるかをあらかじめ試験管内で検査し、血液型不適合による副作用を未然に防止するために行う検査。
・主な目的は,不適合輸血を防ぐためにABO血液型の適合性を再確認することと、37℃で反応する臨床的意義のある不規則抗体や低頻度抗原に対する抗体を検出することである。
・原則としてABO血液型検査検体とは別の時点で採血された、輸血予定日に先立つ3日以内のものを用いる必要がある。
・連日にわたって輸血を受けている患者では,少なくとも3日ごとに検査用検体を採血する。
・
主試験と副試験
主試験
患者血清と供血者血球との反応
副試験
患者赤血球と供血者血漿との反応
現在、血液センターではすべての血液について37℃で反応する不規則抗体のスクリーニングを実施し、不規則抗体の認められない血液を供給しているため、患者の血液型検査が適正に行われていれば、副試験は省略することができます。
不規則抗体
・「ABO式血液型」は、A型の人は抗B抗体、B型の人は抗A抗体というように、自分自身の赤血球とは反応しない抗体を血液中に持つというランドシュタイナーの法則に従って4つの型に分けられます。
・一方、その他の血液型では対応する抗体を持たないことが普通
・抗A抗体、抗B抗体を法則に従った規則性抗体というのに対し、抗D抗体や抗E抗体などABO式血液型以外の血液型に対する抗体を総称して不規則性抗体という
・不規則性抗体は生まれつき自然に持っている場合(IgM型)と、輸血や妊娠で免疫されて作られる場合(IgG型)があり、その不規則性抗体の検出率は約0.2~4%に認められる。
・不規則性抗体を持つ患者にその抗体が反応する血液型の赤血球を輸血すると、体内で抗原抗体反応が起こり、輸血した赤血球が破壊され副作用を引き起こす。
・妊娠においては、母体血液中にIgG型が存在し、胎児が対応する血液型を有している場合、その抗体は胎盤を通過して胎児の赤血球を破壊し、新生児溶血性疾患を引き起こすことがある。
・すべての不規則性抗体が溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患を引き起こすわけではないが、これらの不規則性抗体の有無を事前に確認することは安全な輸血や適合血液の確保、血液型不適合妊娠の予知と対策に重要な意義を持つ。
Rh血液型について
・人の赤血球にはアカゲザル(Rhesus monkey)と共通の血液型抗原があることがある。この抗原の有無によって分ける血液型をRh血液型とする。
・「Rh(+)」や「Rh(-)」という表現は、数種類あるRh抗原のうちの「D抗原」の有無をいう。
・日本人のRh(-)の頻度は0.5%で、白人の頻度15%に比べると相当低い率である
・Rh(-)の人がRh(+)の血液を輸血された場合、抗D抗体を作る可能性が非常に高いため,通常Rh(ー)の人にはRh(ー)の血液しか輸血することはできない。
・Rh(ー)の人でも輸血歴(初回感作歴)がなければ、Rh(+)を輸血しても初回はショックを起こさない
・Rh(+)の人にRh(ー)の血液を輸血することは何ら問題はない。
緊急O型赤血球輸血(異型適合血輸血)
・O型は、その他の型と違っては「A抗原」も「B抗原」どちらも持っていない。
・O型の人は「抗A抗体」と「抗B抗体」の両方を持っていて、AB型の人はどちらも持っていない。
・Rh(ー)の人でも輸血歴(初回感作歴)がなければ、Rh(+)を輸血しても初回はショックを起こさない
・血液型検査結果の判明まで待てない場合、交差適合試験未実施のO型赤血球濃厚液を使用できる(全血は不可)
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