高気圧作業とは
・高気圧作業とは、大気圧を超える気圧下や水中で行われる作業をいいます。
・高気圧作業は,大気圧を超える気圧下の作業室,又はシャフトの内部で行う「圧気土木作業」と,潜水器具を装着し,かつ空気圧縮機等による送気、又はボンベからの吸気を受け水中で行う「潜水作業」に大別される。
・高気圧作業では、加圧と減圧によって健康障害を引き起こす可能性があるため、高気圧作業安全衛生規則(高圧則)に基づいて安全管理が行われます。
・高気圧作業では、減圧症や酸素中毒、窒素中毒(窒素酔い)、二酸化炭素中毒などの健康障害を引き起こす可能性があります。
高気圧作業の種類
高気圧作業は,大気圧を超える気圧下の作業室,又はシャフトの内部で行う「圧気土木作業」と,潜水器具を装着し,かつ空気圧縮機等による送気、又はボンベからの吸気を受け水中で行う「潜水作業」に大別される。
圧気土木作業:
・潜函工法等の圧気工法により、大気圧下を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部で行う作
業
・トンネル工事、軟弱地盤や地下水を有する地盤の掘削工事等
潜水作業:
・潜水器を用い、かつ、空気圧縮機等による送気又はボンベからの給気を受けて、水中で行う業務
・港湾整備工事、ダム・水道設備のメンテナンス、海域環境調査、海難救助等
高気圧作業安全衛生規則
高気圧作業安全衛生規則
作業室の気積
【高気圧作業安全衛生規則】
(作業室の気積)
第2条 事業者は、労働者を作業室において高圧室内業務に従事させるときは、作業室の気積を、現に当該作業室において高圧室内業務に従事している労働者一人について、4立方メートル以上としなければならない。
送気量及び送気圧
第28条 事業者は、空気圧縮機又は手押ポンプにより潜水作業者に送気するときは、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下における送気量を、毎分60リツトル以上としなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、事業者は、潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合には、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下において毎分40リツトル以上の送気を行うことができる空気圧縮機を使用し、かつ、送気圧をその水深の圧力に〇・七メガパスカルを加えた値以上としなければならない。
圧力調整器
第30条 事業者は、潜水作業者に圧力1メガパスカル以上の気体を充てんしたボンベからの給気を受けさせるときは、2段以上の減圧方式による圧力調整器を潜水作業者に使用させなければならない。
事業者が高圧作業主任者に携行させなければならないもの
・事業者は、高圧室内作業主任者に、携帯式の圧力計、懐中電灯、酸素、炭酸ガス及び有害ガスの濃度を測定するための測定器具並びに非常の場合の信号用器具を携行させなければならない。
酸素ばく露量の制限
・高圧則第16条により、高圧室内作業者の酸素ばく露の制限が定められている
・呼吸ガスの酸素分圧は、原則 18kPa 以上 160kPa 以下(0.18atm 以上 1.6atm 以下、1.8msw 以上 16.0msw 以下)と酸素ばく露の制限が定められている。
・水深40mを超える潜水作業では、ヘリウム混合ガスを呼吸ガスとする。
連絡員
・事業者は、高圧室内業務を行うときは、気こう室の付近に、高圧室内作業者及び空気圧縮機の運転を行う者との連絡その他必要な措置を講ずるための者(次項において「連絡員」という。)を常時配置しなければならない。
「気こう室」とは
・高気圧室内業務に従事する労働者(以下「高圧室内作業者」という) が作業室への出入りに際し加圧又は減圧を受ける室をいう。
・高圧室内業務を行うときは、気こう室の付近に、高圧室内作業者及び空気圧縮機の運転を行う者との連絡その他必要な措置を講ずるための者を常時配置しなければならない。
作業室及び気こう室におけるガス分圧の制限
作業室及び気こう室における次に掲げる気体の分圧がそれぞれに定める分圧の範囲に収まるように、作業室又は気こう室への送気、換気その他の必要な措置を講じなければならない。
1 酸 素:
18キロパスカル以上160キロパスカル以下
ただし、気こう室において高圧室内作業者に減圧を行う場合にあっては、18キロパスカル以上220キロパスカル以下とする。
(0.01気圧≒1kPa)
2 窒 素;
400キロパスカル以下
3 炭酸ガス:
0.5キロパスカル以下
減圧時の措置
・事業者は、気こう室において、高圧室内作業者に減圧を行うときは、次の措置を講じなければならない。
一 気こう室の床面の照度を20ルクス以上とすること。
二 気こう室内の温度が10度以下である場合には、高圧室内作業者に毛布その他の適当な保温用具を使用させること。
三 減圧に要する時間が1時間を超える場合には、高圧室内作業者に椅子その他の休息用具を使用させること。
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