肺炎球菌ワクチン
現在の肺炎球菌ワクチン
・「15価肺炎球菌結合型ワクチン」(PCV15:バクニュバンス®)(→2024年4月から乳幼児定期接種)
・「20価小児用肺炎球菌ワクチン」(PCV20:プレベナー20®)(→2024年10月から乳幼児定期接種)
・「23価莢膜多糖体型肺炎球菌多糖体ワクチン」(PPSV23: ニューモバックスNP®)(→高齢者定期接種)
結合型と莢膜多糖体ワクチンの違い
・結合型ワクチンは莢膜多糖体をキャリア蛋白に結合させることで、T細胞依存性抗原に変換され、よりaffinityの高い抗体産生能があり、免疫学的記憶の成立によりブースター効果も期待でき、B細胞が未熟な乳幼児にも良好な免疫応答を誘導することができる。
・一方、成人用の莢膜多糖体型ワクチンに含まれる莢膜多糖体はB細胞依存性抗原であるため免疫記憶を獲得できず、免疫は数年後には減弱し、また追加接種による著明なブースター効果は認められない。
「15価肺炎球菌結合型ワクチン」(PCV15:バクニュバンス®) (→2024年4月から乳幼児定期接種)
・小児の予防接種ではPCV15が定期接種であるが、65歳以上の者に対する肺炎球菌による感染症の予防の効能・効果が承認された。
20価小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー20®) (→2024年10月から乳幼児定期接種)
・2024年10月1日から20価小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー20®)が定期接種に追加されました。
・カバーする型:PCV15の15種 + 8, 10A, 11A, 12F, 15Bの合計20価
・2024年10月1日以降の小児用肺炎球菌予防接種に使用するワクチンは20価小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー20)と15価小児用肺炎球菌ワクチン(バクニュバンス)になります。
・バクニュバンス(PCV15)とプレベナー20(PCV20)の交互接種はできません(交互接種に関する効果や安全性に関して十分なデータがないため)。従って、バクニュバンス(PCV15)ではじめた方はバクニュバンスですべて打ち終える必要があり、10月以降は基本的にプレベナー20(PCV20)で開始し、すべてプレベナー20で打ち終える必要があります。
PPSV23( ニューモバックスNP®)
・2014年10月1日から、高齢者を対象としPPSV23( ニューモバックスNP®)が定期接種化された。
・成人用のPPSV23( ニューモバックスNP®)に含まれる莢膜多糖体はB細胞依存性抗原であるため、免疫は数年後には減弱し、追加接種による著名なブースター効果は認められない。
・多糖体ワクチンであるため、2 回目を追加接種してもあまり劇的な追加免疫効果はない。
1回目とほぼ同等か多少低い抗体価しか上昇しない。3 回目はさらに低いとされている。
・また 2 回目の追加接種では 1 回目よりも副反応が多少増えるため注意が必要。
・稀には接種部位が蜂窩織炎様に 10㎝ほど腫れあがり痛みと熱感がひどいという副反応もある。
・そのため、これまでは65 歳以上は1回でもいいとされていたが、最近の検証などでは 2 回目までは有効であろうと考えられている。
・ただ基礎疾患のある侵襲性肺炎球菌感染症に関しての有効性は認められているが、健康人の肺炎予防の有効性についてのデータは様々である。
・PPSV23初回接種後の予防効果は3-5年で低下するとの報告もあり、わが国では初回接種後5年以上あければ2回目の接種(任意接種)をすることができる。
・ただし、PPSV23の再接種(2回目以降)の実際のIPD予防効果についてはエビデンスがはっきりしておらず、2回までが一般的。
65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第6版 2024 年 9 月 6 日の改訂)
定期予防接種を中心とした肺炎球菌ワクチン接種
1)PPSV23 未接種者について
PPSV23 未接種で、65 歳の者等及び 60 歳以上 65 歳未満で日常生活が極度に制限される程度の基礎疾患を有する者が PPSV23 の定期接種の対象となる。PPSV23 接種後 5 年以上の間隔で PPSV23 の再接種 、または 1 年以上の間隔で PCV20 の接種、あるいは PCV15-PPSV23 の連続接種をすることも考えられる。PCV15 と PPSV23 の接種間隔については、1 年から 4 年が適切と考えられる。
。後述のように、ハイリスク者においては PCV15-PPSV23 連続接種または PCV20 の接種を検討することが望ましい。
2)PPSV23 既接種者について

ニューモバックスNPは何回まで繰り返し接種できるか
・PPSV23初回接種後の予防効果は3-5年で低下するとの報告もあり、わが国では初回接種後5年以上あければ2回目の接種(任意接種)をすることができる。
・2回目以降の効果についてはエビデンスがはっきりしておらず、一般はに1-2回接種
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