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ネフローゼ症候群

疾患

・ネフローゼ症候群( Nephrotic syndrome)は、高度の蛋白尿により低蛋白血症を来す腎臓疾患群の総称である。

・低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)を主な症状とし、病理学的には糸球体基底膜の透過の亢進を一次的異常として認める。時に脂質異常症も合併する。

・ネフローゼ症候群は、原発性糸球体疾患に起因する「一次性ネフローゼ症候群」と続発性糸球体疾患による「二次性ネフローゼ症候群」に分類される。

 
一次性ネフローゼ症候群の原因疾患
・微小変化群(または微小変化型:Minimal change nephrotic syndrom:MCNS)
・巣状糸球体硬化症(Focal glomerulosclerosis:FGS)または巣状分節状糸球体硬化症(Focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)
・膜性腎症(Membranous nephropathy:MN)
・膜性増殖性糸球体腎炎(Membranoproliferative glomerulonephritis:MPGN)
二次性ネフローゼ症候群の原因疾患
・自己免疫疾患:ループス腎炎、IgA血管炎、血管炎
・代謝性疾患:糖尿病性腎症
・パラプロテイン血症:アミロイドーシス、クリオグロブリン、重鎖沈着症、軽鎖沈着症
・感染症:溶連菌感染症、ブドウ球菌感染症、B型・C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、パルボウイルスB19
梅毒、寄生虫(マラリア、シストゾミア)
・アレルギー・過敏性疾患:花粉症、蜂毒、ブユ刺虫症、ヘビ毒、予防接種
・腫瘍:固形癌、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫、白血病
・薬剤:ブシラミン、D—ペニシラミン、金製剤、非ステロイド性消炎鎮痛薬
・遺伝性疾患:アルポート症候群、ファブリー病、ネイルパテラ症候群(爪膝蓋骨症候群)
・そのほか:妊娠高血圧腎症、放射線腎症、移植腎における拒絶反応

ネフローゼ症候群の症状

・浮腫(眼瞼や下肢)、強度の全身倦怠感、皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水・胸水・血尿、など。

・主に、アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れる。

・また、尿中タンパクが増大するため、尿の浸透圧が増大し、尿細管における水の再吸収が抑制され、一過性に利尿傾向となる。

・この遺失タンパク分を肝臓が補完しようとするため、肝臓がアルブミンの合成を開始するが、同時にLDLのようなコレステロール運搬タンパクも合成してしまうため、高頻度に脂質異常症の状態をみることがある。

・長期の利尿期間を経て、腎臓の病態が改善されず、高度に腎不全の状態を呈し始める時期には、乏尿となる。

 

一次性ネフローゼ症候群の診断基準

<成人ネフローゼ症候群の診断基準>
(平成 22 年度厚生労働省難治性疾患対策進行性腎障害に関する調査研究班)
 1 .蛋白尿:3.5 g/日以上が持続する。
  (随時尿において尿蛋白/尿クレアチニン比が 3.5 g/gCr以上の場合もこれに準ずる)。
 2 .低アルブミン血症:血清アルブミン値 3.0 g/dL 以下。
   血清総蛋白量 6.0 g/dL 以下も参考になる。
 3 .浮腫
 4 .脂質異常症(高 LDL コレステロール血症)
注:
1)上記の尿蛋白量,低アルブミン血症(低蛋白血症)の両所見を認めることが本症候群の診断の必須条件である。
2)浮腫は本症候群の必須条件ではないが,重要な所見である。
3)脂質異常症は本症候群の必須条件ではない。
4)卵円形脂肪体は本症候群の診断の参考となる。

 

<小児における診断基準>
1.  高度蛋白尿(夜間蓄尿で 40mg/hr/m2以上)又は早朝尿で尿蛋白クレアチニン比 2.0g/gCr以上
2.  低アルブミン血症(血清アルブミン2.5g/dL以下)
診断のカテゴリー:
1と2を同時に満たし、明らかな原因疾患がないものを一次性ネフローゼ症候群と診断する。

 

治療

・入院、安静臥床
・細胞外液量は増加しているため、原則として補液は不要。ただしネフローゼ急症(nephrotic crisis)といわれる高度の血管内脱水によるショック時には、生食やアルブミン製剤投与が必要。
・原因治療:二次性(続発性)のものは原因疾患の治療を行う。
・食事療法:蛋白質摂取制限および塩分制限。塩分は1日5〜7g、摂取カロリーは35kcal/kg(標準体重)/日
・浮腫に対して対症的にループ利尿剤、尿蛋白抑制のため抗凝固薬を使用することがある。
高度の浮腫・肺水腫・呼吸不全や、血管内脱水による急性腎不全を呈した場合には一時的に透析療法を行うこともある。
・薬物療法:副腎皮質ステロイドを投与。ステロイド抵抗性や頻回再発型には、免疫抑制剤(ミゾリビン)を投与する(併用の場合も)。
・症状によりステロイドパルス療法も有効とされる。
診察・検査腎臓
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