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FAST(focused assessment with sonography for trama)、E-FAST

定義

・外傷の初期診療における迅速簡易超音波検査法。

・JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)では特に、循環の異常(C:circulationの異常)を認める傷病者に対して、心嚢腔、腹腔および胸腔の液体貯留(出血)の有無の検索を目的として行う。

・循環の異常を認める傷病者に対しては必須の検査であるが、ショックに陥る可能性のある損傷を鑑別するためにも行われる。

・FASTは迅速性に優れるが、皮下気腫がある場合、胸腔内液体貯留の判断が難しいことがあり、
全ての例において胸部エックス線撮影の代替になるものではない。

・最初に異常がみられなくても、時間をおいて反復して施行することが重要である。

 

検査時の体位

・主に腹部外傷患者に対して行うため、仰臥位のままで実施する

 

機器の準備

・腹部操作用のコンベックスプローブを用いて、描出条件は 「abdomen」に設定する

 

順序

①心膜腔

②Morrison窩

③右胸腔

④脾周囲

⑤左胸腔

⑥ダグラス窩

の順に液体貯留の有無を検索する

 

各部位の走査

① 心嚢(心窩部)

・心窩部四腔断面像(プローブマーカーを患者の左肩に向ける)

→心嚢液の確認

 

参照(このサイトより引用):https://www.jmedj.co.jp/premium/treatment/2017/d040604/

 

・心窩部長軸像(心窩部にプローブを長軸方向に押し当て、ビームが胸骨裏面の心臓方向に向くように傾ける)
→動いている心臓の外側にエコーフリースペースがないか探す

 

参照(このサイトより引用):https://heart-clinic.jp/%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%85%B9%E7%97%87/

 

 

②  Morrison窩(肝腎境界)

・右中腋窩線、右肋間または右肋骨弓下アプローチにて、肝臓と腎臓が両方見える位置を探す

 

③ 右胸腔

・右中腋窩線、右肋間操作
・右胸腔内を走査

 

参照(このサイトより引用):https://heart-clinic.jp/%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%85%B9%E7%97%87/

 

 

④ 脾周囲

・後腋窩線、左肋間走査
・脾臓と腎臓が両方見える位置を探す(かなり背側
・プローブマーカーは尾側(画面向かって右に左腎)

 

参照(このサイトより引用):https://heart-clinic.jp/%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%85%B9%E7%97%87/

 

 

⑤ 左胸腔

・左肋間走査にてなるべく背側を観察

 

⑥ 膀胱直腸窩、膀胱子宮窩

・恥骨上縁ぎりぎり、恥骨裏面をのぞき込むように扇動、長軸、短軸それぞれ観察
・「Douglus窩」(直腸子宮窩)は女性のみ

 

参照(このサイトより引用):https://heart-clinic.jp/%E6%80%A5%E6%80%A7%E8%85%B9%E7%97%87/

 

 

E-FAST(Extended FAST)

・FASTに気胸の評価を加えた評価法
・リニアプローベ使用(コンベックスのままでも可)
・鎖骨中線、第2‐4肋間
・lung sliding+comet tailが両方あれば正常(感度100%で気胸を除外できる)
・M-modeでseashore signあれば正常
・lung pointの確認(気胸と正常肺の境目)

 

 

参考文献:下記教科書が詳しく分かり易い

 

 

 

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