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急性薬物中毒(診断、治療)

1)ABC評価と安定化

 

2)詳細な病歴聴取と全身観察

・AMPLEの確認(allergy、medication、past medical history、last meal、event)

・注射痕の確認

・臭い:腐敗臭(硫化水素中毒)、ニンニク臭(有機リン、ヒ素中毒)

 

3)トキシドローム

・toxic syndromeから作られた造語

・特徴的な症状・兆候から薬物中毒の原因物質を大まかにカテゴライズしたもの。

・原因物質が判明していなくとも薬物中毒を疑い、原因物質を推定する際に役に立つ。

コリン作動性:農薬、有機リン、サリン、ウブレチド

唾液↑、流涙、発汗、下痢、気管支痙攣、嘔吐、徐脈、気道分泌↑、傾眠
縮瞳

抗コリン性:向精神薬

皮膚/口腔内乾燥、頻脈、尿閉、せん妄、散瞳

 

交感神経刺激性:エフェドリン、覚せい剤

発汗著明(抗コリン性との鑑別)、頻脈、高血圧、頻呼吸、興奮、せん妄、高熱、散瞳

 

セロトニン症候群:抗うつ薬

精神状態変化、頻脈、高血圧、高熱、反射亢進、クローヌス、散瞳

 

オピオイド(麻薬):

鎮静、呼吸抑制、縮瞳

4)血液ガス分析

・AG
・SG(saturation gap)
SpO2とSaO2に解離あり(一酸化炭素中毒、メトヘモグロビン血症、シアン化合物中毒)

5)12誘導心電図

QT延長

 

QRS延長、aVRでのR波増高

 

6)尿中薬物検出用キット

 

「TriageDOA®」

尿中の乱用薬物8項目を検査できる。

PCP フェンシクリジン類

THC 大麻類

BZO ベンゾジアゼピン類

OPI モルヒネ系麻薬

COC コカイン類

BAB バルビツール酸

AMP 覚せい剤

TCA 三環形抗うつ剤

 

7)浸透圧ギャップの測定

・計算値と実測値の差

・開大時にはメタノールやポリエチレングリコールなどのアルコール中毒が疑われる

 

8)吸収の阻害

・中毒治療の基本は全身管理であり、特異的な治療は必要としない場合が多い

・ただし、薬物摂取から1時間以内であれば胃洗浄や活性炭による未吸収薬物の排除を考える

・また中毒物質を推定できた場合は排泄の促進や特異的な拮抗薬、解毒剤の投与も考慮する

 

① 胃洗浄

② 活性炭投与

③ 尿アルカリ化

・アスピリンで有効

・炭酸水素ナトリウム静注し、尿中pHを7.5~8.5に維持する

④ 血液浄化療法

 

検体の保存

・血清検体、尿検体を冷蔵もしくは冷凍保存しておく

 

各論

1)ジフェンヒドラミン(レスタミン®、トラベルミン®、ドリエル®)

・第1世代抗ヒスタミン薬(脳血液関門を通過性が良いため、中枢症状をきたしやすい)

・抗コリン作用(発熱、頻脈、散瞳、粘膜・皮膚乾燥、腸蠕動運動低下)

・セロトニン作用:セロトニン再取り込み阻害作用による(クローヌス、幻覚、他動)

・QT延長

・1gを越えると痙攣、昏睡、精神症状、心電図異常が増加する

 

 

medicina(メディチーナ) 2019年 増刊号 特集 一人でも慌てない! 「こんなときどうする?」の処方箋85

 

 

 

 

 

 

 

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