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尿検査所見

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尿比重

1.009~1.025

 

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尿浸透圧

50∼1300 mOsm/kg H2O

 

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尿糖

食後血糖が170㎎/dL以上になると陽性になる。

 

尿蛋白

基準値:尿定性(ー)、定量0.15g/gCre(150㎎/日)未満)

・健康人でも尿中に40~80㎎/日の尿蛋白が排泄されている

・150㎎/日を超えた場合、病的意義があると判断

・尿蛋白定性で(±)の場合は「B判定(軽度異常)」で、精査・経過観察の必要なし

・尿定性(1+)以上の時は再検査を行い、再検査でも(1+)以上の場合は医療機関での精査を受けるよう指導する。再検査で(ー)であっても年に1度の定期検査を指導する。

 

定性検査と定量検査の関係

(ー)A(異常なし):1-9 mg/dL

(+-)B(軽度異常):10-29 mg/dL

(1+)C(要再検査・生活改善 ):30 mg/dL

(2+)D:要精密検査・治療:100 mg/dL

(3+):300mg/dL

(4+):>1000 mg/dL

 

尿蛋白定性検査

・腎障害診断のための尿蛋白定量では、1日蓄尿による測定が望ましい。
・しかし蓄尿が無理な場合には尿蛋白濃度(mg/dL)、尿クレアチニン濃度(mg/dL)から尿蛋白/クレアチニン比(g/gCr)を算出(1 日尿蛋白量(g/day)に相当)

※女性や高齢者では1日クレアチニン排泄量を1gと仮定すると、尿蛋白を過大評価してしまう可能性あり

 

0.15未満:正常
0.15~0.49:軽度蛋白尿
0.50以上:高度蛋白尿

 

<g/Crの式の根拠>

尿蛋白量(mg/日)=尿蛋白濃度(mg/dl)×尿量(dl/日)

尿Cr排泄量(mg/日)=尿Cr濃度(mg/dl)×尿量(dl/日)
よって、
尿蛋白量(mg/日)/尿Cr排泄量(mg/日)=尿蛋白濃度/尿Cr濃度
よって、
尿蛋白量(mg/日)=尿蛋白濃度/尿Cr濃度×尿Cr排泄量(mg/日)


ここで尿Cr排泄量(mg/日)≒1,000mg/日=1g/日と仮定すると,
尿蛋白量(g/日)≒尿蛋白濃度/尿Cr濃度

※ 1日の尿Cr排泄量が1gより大幅に多かったり,少なかったりすると,実際の値とずれる場合がある(女性や高齢者など小柄な人では、1日クレアチニン排泄量を1gと仮定すると、尿蛋白量を過大評価してしまう可能性あり)

 

尿ウロビリノーゲン(基準値  ±)

偽陽性(±): 正常
陽性 (+): 急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、溶血性疾患、腸閉塞、過度の便秘、激しい運動後
陰性 (–): 閉塞性胆道疾患(胆石症 、胆道がん)、抗菌薬の影響

 

機序

・寿命を迎えた赤血球が破壊され、中に含まれていたヘモグロビンがビリルビンへと代謝され、胆道系を経て腸管に排泄される。

・ビリルビンは腸内細菌によってウロビリノーゲンとなり、多くは便に混じって体外へ排出されるが、一部が腸管より再吸収された後、肝臓に戻りまたビリルビンに再合成される。

・再吸収されたウロビリノーゲンのうち、ビリルビンにならなかったものが尿中に排泄される。

・健常人でも尿中に微量のウロビリノーゲンが検出される(±)

・肝炎、肝硬変、肝癌などで肝臓の働きが悪くなると、ウロビリノーゲンをビリルビンに再合成できないため、尿に排泄されるウロビリノーゲンの量が多くなる

・ウロビリノーゲンが検出されない場合は、胆道閉塞などが疑われる。

・溶血性黄疸では腸に入るビリルビンは増え、尿中ウロビリノーゲンは増加する。

 

 

 

尿中ビリルビン

・正常:陰性(ー)

・寿命を迎えた赤血球が破壊され、中に含まれていたヘモグロビンが処理されて発生。

・通常ビリルビンは肝臓から胆汁に排泄される。そのため尿の中に出てくることはない

・肝臓、胆道疾患により胆汁の流れが妨げられてた場合、ビリルビンが血液中に増え、腎臓から尿に排泄されるようになる

・陽性の場合は急性肝炎や胆道閉塞などの疾患が疑われます。

 

尿潜血、赤血球

基準値
・尿潜血:(ー)
・沈査:赤血球<4

・尿潜血(±)は「B判定(軽度異常)」

・沈査(赤血球)≧5で「D判定」

・尿潜血(1+)の場合には再検査を行い、(+)であれば精密検査として尿沈渣検査を行う

 

尿円柱

①硝子円柱(hyaline casts)

各種円柱の基質となるもので、成分として全く何も含まないものから少量の成分(細胞 2 個以下、顆粒 1/3 未満など)を含むものまで多彩です。

硝子円柱は健常人でも認められ、特に激しい運動後では出現頻度が高くなりますが、続いて出現するような場合には、種々の腎障害も考えられます。

 

②上皮円柱(epithelial casts)

硝子円柱内に尿細管上皮細胞が 3 個以上封入された円柱を上皮円柱とします。

この円柱の出現意義としては、急性尿細管壊死、糸球体腎炎などの腎・尿細管障害で出現することが多いとされています。

 

③赤血球円柱(RBC casts):糸球体由来

硝子円柱内に赤血球が 3 個以上封入された円柱を赤血球円柱とし、赤血球円柱は変形赤血球と共にネフロンに出血のあることを意味します。

出現意義としては、急性糸球体腎炎、膜性増殖性腎炎、IgA 腎症などの腎性出血を伴う尿に認められることが多いとされています。

 

④白血球円柱(WBC casts)

硝子円柱内に白血球が 3 個以上封入された円柱を白血球円柱とし、ネフロンにおける感染症や炎症性疾患があった時に出現します。

出現意義としては、腎盂腎炎、間質性腎炎、ループス腎炎などが考えられます。

 

⑤脂肪円柱(fatty casts)

硝子円柱内に脂肪顆粒が 3 個以上封入された円柱を脂肪円柱とし、卵円形脂肪体が封入されていることもあります。

出現意義としては、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症などが考えられ、特に、ネフローゼ症候群では高率に認められます。

 

⑥顆粒円柱(granular casts):尿細管障害

硝子円柱内に顆粒成分が 1/3 以上封入された円柱を顆粒円柱とします。

この顆粒成分は円柱内に封入された細胞が変性したものですが、ほとんどは尿細管上皮細胞が変性したものです。

出現意義としては、慢性糸球体腎炎、腎不全などの腎実質障害があるときに高率に認められます。

⑦蝋様円柱(waxy casts)

円柱全体またはその一部が均質状となり、厚い蝋のように変性した円柱を蝋様円柱とします。

この円柱が出現するということは、尿細管腔の長期閉塞により細胞成分→顆粒成分→蝋様へ
と変性が進行したことを意味します。

出現意義としては、ネフローゼ症候群、腎不全、腎炎末期などの重篤な腎疾患に認められます。

 

細胞

扁平上皮細胞

・外尿道口付近の粘膜に由来しています。

・扁平上皮細胞は、膣トリコモナスや細菌感染による尿道炎や尿道結石症、カテーテル挿入時の尿道の機械的損傷および前立腺癌のエストロゲン療法時などに多数出現します。

・扁平上皮細胞はエストロゲンの作用により増殖するため、女性に多く認められます。また女性の場合は解剖学的見地から、採尿の際に膣部、外陰部よりの混入が多く、尿路系に異常がなくても多数認められることがあります。

・男性で扁平上皮細胞を多数認めた場合は、トリコモナスやクラミジアによる尿道炎も考慮する必要があります

 

亜硝酸塩

・感度は低い
・陽性になるには尿貯留時間が4時間以上必要
・連鎖球菌、腸球菌は硝酸塩を亜硝酸塩に還元できず陰性になる

 

尿中ヘモジデリン

→陽性ならなら血管内溶血(PNH、G6PD異常症、赤血球破砕症候群など)
血管内溶血が起こると放出されたヘモグロビンは血中のハプトグロビンと結合し、網内系で処理される。ハプトグロビンの結合能を上回るとヘモグロビンは糸球体から濾過される。溶血の程度が弱いとヘモグロビンは近位尿細管で再吸収され、尿細管上皮細胞内で変化してヘモジデリンとなる。尿中にヘモジデリン顆粒やヘモジデリン顆粒を含有した尿細管上皮細胞が認められる。

 

 

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