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くも膜下出血(警告出血、オタワSAHルール、MRI所見、初期対応など)

2次性頭痛のred flag sign

・頭痛の1~5%は2次性頭痛

『Dr.林のSNOOPY』

S:

・systemic symptoms/signs:全身症状(発熱、倦怠感、筋痛、体重減少)

・systemic disease:全身性疾患(悪性腫瘍、AIDS)

・sleep(睡眠中)、sex(性行為中)、 strain(バルサルバ)

・significant history(癌、免疫不全、最近の頭部外傷、血液サラサラ薬

N:

・neurological symptoms or signs (神経欠落症状、意識障害、意識消失)

O:

・onset abrupt(突然の発症、雷鳴頭痛、急速に悪化)

O:

・older(onset after age 40 years(40歳以上の新規発症)

P:

・pattern change(以前と異なる頭痛(頻度、持続、性状、重症度))

Y:

・younger(<5歳

 

雷鳴頭痛の鑑別

『Dr.林のSTAR』

S:

・SAH

・sentinel bleeding(警告出血)

T:

・thrombus(静脈洞血栓症)

A:

・artery dissection(解離)

・apoplexy / pituitary(下垂体腺腫出血)

R:

・RCVS(revwersible cerebral vasoconstriction syndrome)

 

 

SAHを疑うべき症状

・歩行可能だったり、現在痛みが軽度であっても「発症が突然」の場合や「発症時の痛みが強い」場合は必ず鑑別に挙げること。

・頚部痛(LR 4.12)、項部硬直(LR 6.59)がある場合は要注意

・痛みが出てからピークに達するまでの時間が10分以内(必ずしも雷鳴頭痛や、バットで殴られたような頭痛ではない)

・痛みの強さが8/10以上の場合は要注意

 

症状

・頭痛(78.5%)

・意識障害(20.4%)

・嘔気嘔吐

・眩暈

・頚部痛、背部痛

・髄膜刺激症状(出血による無菌性髄膜炎症状)

・網膜前出血(Terson症候群)

・神経巣症状を来すことがある(頭蓋内圧上昇、動脈瘤による圧迫、脳虚血などによる)

 

 

警告出血を認めることがある

・SAHの10~40%に認める。

・SAH発症2~8週間前に出現
・多くは数分以内にピークに達する激しい頭痛。くも膜下出血の頭痛と類似し、発症数分以内に痛みは最高となる
・一方でクモ膜下出血と異なり、髄膜刺激症状や意識障害、神経症状はきたさない。
・CTで異常を認めない
・数時間~数日持続する。

リスクファクターのある患者で注意→MRAを!

喫煙、高血圧、アルコール過剰摂取、家族歴、女性、SAH・動脈瘤の既往

 

 

オタワSAHルール(Ottawa SAH Rule)

・SAHを疑い、精査すべきか否かの判断材料
・「16歳以上」「非外傷性」「新しく」、「ひどく」、「1時間以内に最高の強さになる」頭痛患者のうち、神経所見や脳動脈瘤やSAH、脳腫瘍、繰り返す頭痛の既往のないもの。
・6項目のうち、一つでも陽性であれば感度100% (97.2~100.0)、特異度15.3% (13.8~16.9)

・1時間以内に痛みのピークを迎えた頭痛があり、神経障害がない成人では、6項目のいずれも有さない場合、クモ膜下出血は概ね否定できる。

以下の1つでもあてはまれば精査(まずは頭部CT)を要する
Ottawa SAH rule

以下の1つでもあてはまれば精査(まずは頭部CT)を要する

① 40歳以上
② 頸部痛か項部硬直
③ 意識消失の目撃
④ 労作時に発症
⑤ ただちに最大となる雷鳴様頭痛(thunderclap headache;突然発症の強い頭痛で、1分未満に痛みが最高になる)
⑥ 顎を胸につけることや臥位で8cm以上頭をあげることができない場合

 

検査

頭部CT

・シルビウス裂、橋前槽、側脳室内の出血に注意

異常がなければ、MRIを考慮
【MRI所見】
FLAIRでhigh、T2*でlow

 

 

参照:このサイトより引用:http://www.yamasaki-neurosurg-clin.com/smart/column/entry/post-10/

 

 

FLAIRとt2の違い、その意義

・FLAIRとはfluid attenuated inversion recoveryの略で、液体の信号を減弱させたIR法の画像”という意味。

・基本的にはT2強調画像と同じであるが、脳脊髄液の信号を減弱させている。
・端的に言えば、T2強調画像は水を高信号にするため、脳脊髄液は水が多いので高信号(真っ白)に描出されるが、FLAIRでは液体の信号を抑制するため、脳脊髄液は低信号(真っ黒)にして描出させる

 

 FLAIRは何故必要なのか、いつ必要なのか?
① 脳脊髄液と接している病変の評価
・T2では脳脊髄液も病変もどちらも高信号に写ってしまうので、これらが接している場合は病変の同定が困難となる。
・しかしFLAIRでみれば脳脊髄液を無信号にしてくれるので病変だけを浮き彫りにすることが可能である。
・脳脊髄液と接している病変(例えば皮質梗塞や傍脳室の多発性硬化症プラークなど)ではFLAIRはT2に勝る。
② クモ膜下出血の診断
・FLAIRは純粋な液体を無信号にするが、血液のように混濁した液体は高信号となる。
そのためクモ膜下出血で脳脊髄液に血液が混ざればFLAIRで脊髄腔が高信号となり診断できる。
・くも膜下出血の急性期の多くはCTで評価できるが、出血が少量であったり貧血(Hb<10)、時間の経過(6時間以上)したくも膜下出血であればCTで映らない場合もあり、そのような時はMRI、MRAの方が感度が高い。

SAHの心電図所見

頭蓋内出血により交感神経が過剰になり、それにより過度のカテコラミンが放出されて、虚血が生じると考えられる(左室の心内膜下の虚血を反映したもの)
・T wave abnormalities(giant negative T wave)

・Big U wave

・prolonged QTc

・high R wave

・ST depression

 

 

初期対応と進行予防

・収縮期血圧は160㎜Hg未満に抑える

・トラネキサム酸はすぐに外科的介入が難しい場合に、発症早期に短期間のみ投与(1gを6時間毎、3日間)再出血のリスクを軽減する。

 

 

 

診察・検査脳神経系
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