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ステロイドの基本(使用法、ステロイドカバー)

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ステロイドの種類(糖質コルチコイド作用の力価)

ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ)は生理的に分泌される内因性ステロイドで、最もミネラルコルチコイド作用が強い(ストレスがない状態での成人のヒドロコルチゾン分泌量は10㎎/日)

→副腎不全における補充療法に適している

・血中半減期が長いほど、グルココルチコイド作用が強力になる

プレドニゾロン(プレドニン®)の抗炎症作用(糖質コルチコイド作用)を基準にして力価を計算することが多い

例)ソル・コーテフ®100㎎はプレドニン換算で25㎎

・Na貯留作用(鉱質コルチコイド作用)はステロイド使用により浮腫や心不全など体液貯留が問題になる時に考慮する

例)プレドニゾロンをメチルプレドニゾロンに変更

・下表の上に行くほど効果発現が早い。副腎不全による血圧低下などで迅速な効果を期待したい場合は、ヒドロコルチゾン静注(ソル・コーテフ®)を使用する

 

 

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投与の原則(内服と静注の換算)

・1日換算の投与量が同等であれば回数が増えるほど作用が強く、副作用も出やすい

例)プレドニゾロン(プレドニン®)1日60㎎を1回で投与するよりも、20㎎1日3回に分割した方が作用が強く出やすいが、副作用も強い

・バイオアベイラビリティーは高い(70~100%)ため、食事の影響も少ない(経口投与を優先する)

・経口の方が注射薬より速効性あり

・静脈投与と経口投与に関しては同用量で投与してよい

・腸管浮腫、腸炎などで吸収不良が予測される場合には静脈投与が安全である

 

 

注)ステロイド注射換算に関する別の考え方

参考:「膠原病診療ノート」による方法

「経口不能あるいは腸管浮腫によりプレドニン内服が不可の時、静注に変更する場合は経口予定量の1.5〜2倍の水溶性プレドニンを2分割して、one shotではなく30分以上かけて点滴する。昔の臨床経験に基づいて提唱されたものだが、文献的な記載はない。」

 

例)
PSL 10㎎内服中の患者、経口困難な場合

水様性プレドニン(10㎎)1A+生食100ml
1時間ペースで点滴 1日2回

 

 

 

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ステロイド中断による症状(副腎抑制時)

・倦怠感、嘔気、下痢、腹痛、血圧低下、低血糖、低Na血症、高K血症、好酸球増加

・プレドニン換算7.5㎎/日以上、3週間以上内服していれば副腎不全になる可能性があるといわれている。

・副腎不全による血圧低下などで迅速な効果を期待したい場合は、効果発現が早いヒドロコルチゾン静注(ソル・コーテフ®)を使用する

 

内科レジデントの鉄則 第3版 単行本 – 2018/4/16
聖路加国際病院内科チーフレジデント (編集)

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