処方例(総合診療2020.vol30.6)
内服
1)経口即効型モルヒネ(オプソ)2.5~5㎎/回、4時間以上あけて内服
レスキュー2~3mg/回(1日量の1/6程度)
2)経口持効型モルヒネ(MSコンチン)10㎎ 1日1回
静注
3)モルヒネ0.5㎎/1回静注、4時間毎、または呼吸困難時屯用
4)モルヒネ6~10㎎/日、持続静注
持続注射療法
呼吸困難にモルヒネを投与すると、効果の幅は少ないが有意な呼吸困難改善効果があることが確かめられています。全身状態が良い場合(外来レベル)には、必ずしも意識やバイタルの低下を引き起こしません。
呼吸困難に対するモルヒネに上限があるかどうかは定説がありませんが、近年は、呼吸困難に効果のあるモルヒネは比較的低用量(10~20mg/日まで)であるといわれるようになりました。それ以上は、「明確に効果がある」と患者が評価するなら増量可能です。
眠気が増えたり、患者が評価できない場合、それ以上の増量は呼吸困難の緩和というよりも鎮静の意味合いになってくるため、単純にモルヒネだけを増量することは推奨されていません。治療目標をどこにおくかを相談して、「眠気がでてもとにかく楽に」なら、鎮静薬を併用することも考えてください。
モルヒネ塩酸塩注5mL(50mg)+生食5mL /合計10mL(5mg/mL )
投与速度上限は0.4mL/時(モルヒネ48mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)
※古賀Dr.の持続皮下注射方法
塩モヒ2A(10㎎/1ml)+生食8ml(2mg/mⅬ)
0.2ml/時より開始(10㎎/日)
レスキュ―:0.2ml(0.4㎎)早送り
投与速度上限は5.0mL/時(モルヒネ120mg/日)
■疼痛時頓用:1時間分早送り。効果がないとき2時間分にしても良い
(RR≧10回なら30分あけて反復可)
酸素療法
・低酸素を伴う呼吸困難に対しては、積極的に行ってよい
・一方、低酸素を伴わない呼吸困難については、有効性が認められていない
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いずれにせよ、患者の希望を勘案して実施してもよい。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬、抗うつ薬
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