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トータルペイン(全人的苦痛)

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トータルペイン(全人的苦痛)

①「身体的苦痛」

・がんそのものやがんの治療によって生じる副作用などの苦痛

・痛み、吐き気、便秘、全身倦怠感、呼吸困難など

②「精神的苦痛」

・気持ちが落ち込んでしまったり不安を感じてしまったりといった苦痛

・不安、苛立ち、焦り、抑うつ、怒りなど

③社会的苦痛

・痛みがあることで働くことができずに経済的な問題が生じてしまうといった苦痛

・経済的苦痛、家庭内の負担など

④スピリチュアルペイン

・人生の意味や苦しみの意味、自分の存在意義などを考えてしまう

・自己の存在と意味の消失から生じる苦痛

 

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スピリチュアルペインとは

定義:「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(無意味、無価値、虚無など)」

 

概要

・生きることそのものに疑問を抱き、自らの人生の意味、死後の恐怖などについて苦しみを抱くことによる苦痛

・病気に直面した時に、「なぜ自分にこんなことが起こったのか」「なぜこのような苦しみを経験しなければならないのか」「人生にはどんな意味や目的があるのか」といったように、自分自身と向き合い、現状に対して深い疑問を感じたり、生きることの意味を考えてしまったりすることがある。

・病気に対する大きな不安や恐怖、家族や職場の人に対する申し訳なさや依存することへの負担感などから、自分という存在の意味や価値を見失ってしまったり、虚しさを覚えてしまう。

・特に、がん治療が継続されている患者さんでは、生活圏が自宅と病院とに限られてしまうこともあり、社会との繋がりの消失(社会的孤立)がある

・スピリチュアルペインをそのまま翻訳すると霊的苦痛とされてしまいますが、適切な日本語を見つけることは困難。このようなことを考慮すると、実存的苦痛(自分の存在意義への問い)という言葉があてはまるかもしれません。あるいは自己肯定感、自己効力感、自尊心などの低下と表現されるかもしれません。

このような苦痛は、もっとも人間の根源的な部分に関わります。

・「なぜ私ががんになってしまったのだろう」という不公平感や、「家族や他人の負担になりたくない」という無価値感、「ばちが当たったのだ」という罪の意識は、人によってはとても大きく深いものとなってしまうことがあります。

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