左室肥大(LVH)の心電図所見
・「左室肥大」とは、「左室高電位」所見のみでなく、加えて「QRS時間延長」かつ「ST-T変化」を伴う場合をいう。
左室高電位の定義(Sokolow-Lyon基準)
『SV1+V5~6のうち最も高いR波の合計≧35mm』
『SV1+V5~6のうち最も高いR波の合計≧35mm』
・左室肥大を有する患者の心電図では、「左室高電位」に加え、「側壁誘導(Ⅰ、aVL、V5~6)でのST低下とT波の陰転化所見(ストレインパターン)」、「QRS幅の延長」を伴う所見を認める
ストレインパターン
・心筋の再分極異常や心肥大による左室心筋量と冠血流の不均衡が原因による「心内膜下虚血」の所見
・原因としては、高血圧(それに伴う左室肥大)、大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症、心筋症、冠動脈疾患など
・疫学研究では、ストレインパターンの存在はその後の心血管死亡との関連が示唆されており、決して良性の変化ではない
・ストレインパターンを認めた際には、心エコーや家庭血圧の測定、心疾患の家族歴の聴取など、心血管疾患が隠れていることを念頭に精査を行う必要がある。
右室肥大(RVH)の心電図所見
・V1-3でR/S比>1に加えて、ストレインパターンの陰性T波を伴う
・肺性P波(Ⅱ誘導でP波の尖鋭化)
・右軸偏位
・右脚ブロック
等
コメント