疫学
・20~40歳代が22.4%と若年層に多い
症状
・慢性咳嗽
・血痰
・微熱
・体重減少
・寝汗
胸部CT所見
・主に上葉を含む空洞影、結節影
・tree in budパターン(小葉中心結節および分枝に沿った線状影)
喀痰検査
3日連痰
・塗抹(蛍光法)、培養(MGIT培地)を3回
・結核菌/PCR、MAC/PCRを1回提出
※ 喀痰採取が困難な時は誘発喀痰:3%高張食塩水 2~3ml 吸入
痰採取が困難な場合、早朝空腹時の胃液採取
・起床時(絶食状態)、経鼻、10Frチューブを入れ、胃液( 5~10ml )を採取
・これは、痰が出なくとも、結核菌が出てきていれば、唾液とともに飲み込まれ、胃から検出できるという考えに基づいています。
・蛍光法で塗抹検査を行なう場合に、ゴミが判定の障害になったり、培養時の雑菌混入を避ける意味からもディスポの滅菌済みチューブを使用すべきです。
インターフェロン-γ(IFN-γ)遊離検査(IFN-γ releasing assay;IGRA)
・結核菌に対する細胞性免疫の有無を検査する方法。
・この IGRA 検査には本邦では現在、「クオンティフェロン-3G(QFT-3G )」と「T-SPOT 」の 2 つが市販されている。
・IGRAsだけでは活動性、潜在性、既往の区別はできない。過去の感染と現在の感染も区別できない(必ず結核の既往歴、治療歴を聞くこと)。
・高齢(≧60歳)、HIVなど、細菌性免疫低下が起きている状態では偽陰性リスクが上がる(そして細菌性免疫が低いほど結核を発症し易い)
・M.kansasii、M.marium、M,szulgai等のNTMと交叉反応を示し、偽陽性となる。
・いずれの IGRA 検査も、診察または画像診断等により結核感染が強く疑われる患者を対象として検査した場合のみ保険診療が算定(結核菌特異的 IFN-γ産生能 630 点)でき、同時の検査は保険では認められていない。
ツベルクリン反応とIGRAの違い
各検査の特徴
1)QFT-3G
・結核菌感染によって分化したメモリーT 細胞とマクロファージを含む全血を検体として、結核特異抗原で刺激することによりメモリーT 細胞から産生放出されたIFN-γ量を ELISA 法により定量する方法。
2)T-SPOT
・現在の主流
・採血後に分画したリンパ球を用いて、結核特異抗原で刺激することにより IFN-γ産生T細胞数を ELISPOT 法により定量する検査法。
・クオンティフェロンTBは取り扱いの煩雑さから普及に支障をきたしており、QFTの煩雑さを克服したT-SPOTが多く採用されている。
治療
・活動性結核の治療は、リファンピシン、イソニアジド、エタンブトール、ピラジナミドの4剤併用療法が基本
初期悪化
・結核の治療途中でみられる再燃のような症状
・強力な化学療法により急激に死滅した大量の結核菌の菌体に対する局所アレルギー反応
・胸水増加、縦郭リンパ節腫大など
・治療開始3か月以内の発症が多いが、6か月以降でも起こりうる
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