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たこつぼ型心筋症(Takotsubo(ampulla) cardiomyopathy)

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概要

・急性心筋梗塞に類似した胸痛と心電図変化を有しながら、それに伴う左心室の壁運動異常が一つの冠動脈支配領域を越えて広く存在し、かつ冠動脈には有意狭窄を認めないのが特徴

・精神的、身体的ストレスを契機に発症するため、カテコールアミンや自律神経の関与が推定されている(カテコラミン過負荷に対する心臓カテコラミン受容体の反応)
・左室造影では心尖部を中心とした広範囲な収縮低下とそれを代償する心基部の過収縮を示し、収縮終期の左室形態が「たこつぼ」を思わせる形を示し、この名の由来となっている。
・この壁運動は数日~数週間後には正常化することが多く、異常Q波の出現やCPKの上昇はないか、あっても軽度に留まる。

 

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疫学

高齢女性に多くみられる(男女比 1:8)
・典型的には「激しい口論」「身内・ペットの不幸」「震災」「運動」などの強い精神的ショック、肉体的ストレスが契機となるが、誘因を認めないこともある。

・陽性感情に起因する場合もある(happy heart syndrome)

・高度な心筋虚血に陥る冠動脈の多枝攣縮によるstunned myocardium(気絶心筋)がその病態であるとの説や、カテコラミンの過剰分泌や交感神経の過剰興奮などの説もあるが、発症機序は不明である。
比較的予後良好とされていたが、心事故率や死亡率も高いとする報告もある。

 

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症状

・胸痛(約80%)

・呼吸困難(約20%)

・息切れ

・失神(7.7%)

 

心電図所見

・広範囲な誘導で、急性心筋梗塞を思わせるST上昇を示す。ST上昇はV1~3よりV4~6に強い。

・対側誘導のST低下が少ない

・経時的にT波が陰転化し、時に巨大陰性T波となり、QT延長を示す

・異常Q波の出現は少なく、心電図所見も回復することが多い。

・陰性T波は1か月ほど残存することもある

 

前壁梗塞との鑑別

V1でST上昇が認められない

aVRでST低下

・異常Q波がない

・たこつぼ群はV1のST上昇は少なく、aVRのST低下が多い。QTcはたこつぼ群のほうが延長。

 

検査所見

・トロポニンT、Iが陽性になることがある

 

 

心エコー所見

・冠動脈支配域を越えた広範囲の壁運動低下

・心尖部無収縮、心基部過収縮

 

診断

※ 確定診断には冠動脈造影が必要

・急性心筋梗塞、冠攣縮性狭心症、脳血管障害、心筋炎、褐色細胞腫の除外が必要

・特に、冠動脈の支配領域に一致しない広範囲なST-T変化を認める時に疑う

 

 

治療

急性期は集中治療室での経過観察を要する!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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