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前庭神経系の診察法これ3つ

【前庭神経系とは】
内耳にあり重力と直線加速度を司る感覚器官。前庭器官の名でも知られる。
前下内側は蝸牛と、後上外側は三半規管と接する内耳の中央部にある器官である。三半規管同様、内部はリンパ液で満たされており、三半規管や蝸牛に通じている。内壁には卵形嚢と球形嚢という2つの耳石器が、中耳側には前庭窓と蝸牛窓がある。

図:内耳の外観。三半規管と蝸牛の間が前庭。

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耳石器の内部には炭酸カルシウムでできた平衡砂(耳石)があり、感覚細胞に繋がっている。これが重力や直線加速度によって傾くことで前庭神経から脳に刺激が送られる。

末梢:前庭神経核より末梢
中枢:前庭神経核より中枢

【前提障害の診察法 】
1. 腕偏倚(へんい)試験
・患者の両側上肢を前方水平にまっすぐ伸ばし、示指ものばす
・検者は自分の両示指を患者の示指に向かい合わせ固定する。それを元の位置の指標にする。
・その後、患者に閉眼させ、患者の示指がどのように偏倚するか観察する(約20秒)。

末梢神経障害では、両上肢が平行に偏倚する
中枢性障害では、一側優位となり非対称性に偏倚する

2. 閉眼足踏み試験
・直立、閉眼させる。
・その場を変えないように足踏みをさせる(40~50歩)
・45°以上回旋した場合を陽性

末梢神経障害では、眼振の緩徐相(病変側)に回旋する傾向があり、中枢性では特異性がない
腕偏倚試験と閉眼足踏み試験の偏倚方向が一致した場合は末梢性といえることが多い。

3. head impulse test(HIT)
・片側前庭障害では、障害側に回旋すると眼位がずれる。


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