失語症の定義
・大脳皮質言語野や基底核の障害により、言葉を読んだり聞いたりして理解することや、話したり書いたりして表出することができなくなる状態
鑑別
全く会話ができない→無言症
↓
発話ができる
↓
流暢か否か、話している内容が理解できるか、呼称障害があるか
↓
1)非流暢な失語
全失語、超皮質性混合失語、Broca失語、超皮質性運動失語
理解不良
・理解、呼称、復唱ともに障害
→全失語(左半球シルビウス前後の広範病変、右片麻痺を伴う)
・復唱のみ比較的良好
→超皮質性混合失語(Broca、Wernickeを取り囲むような広範囲病変)
理解障害軽度
・復唱障害
→Broca失語(左下前頭回弁蓋部、三角部と中心前回を含むやや広い病変、右片麻痺を伴う)
・復唱、理解は良好、呼称が困難
→超皮質性運動失語(Broca野を取り囲むような境界領域)
2)流暢な失語
Wernicke失語、超皮質性感覚失語、伝導失語、健忘(失名辞)失語
理解不良
・理解、呼称、復唱ともに障害
→Wernicke失語(左上側頭回後部のWernicke野、病識の欠如)
・復唱のみ良好
→超皮質性感覚失語(Wernicke野を取り囲むような境界領域梗塞を中心に出現)
理解障害軽度
・復唱重度障害、音韻性錯誤(鉛筆を「えんぺつ」と言い誤るなど)
→伝導失語(弓状束障害)
・復唱良好だが、喚語障害が著明、迂遠表現が多い
→健忘(失名辞)失語(各失語型の回復期に出現)
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