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血尿が見つかったら

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基準値

基準値
・尿潜血:(ー)
・沈査:赤血球<4

・尿潜血(±)は「B判定(軽度異常)」

・沈査(赤血球)≧5で「D判定」

・尿潜血(1+)の場合には再検査を行い、(+)であれば精密検査として尿沈渣検査を行う

・尿沈渣で「赤血球が5~6個/HPF(high power field:強拡大の視野.400倍)」あれば病的な血尿とみなす。

・尿沈渣をみて変形赤血球や赤血球円柱があれば,糸球体腎炎の可能性が高くなる。

 

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血尿の主な原因

① 膀胱癌などの悪性腫瘍

② 尿路結石

③ 尿路感染症

④ 糸球体性血尿

⑤ その他(激しい運動、月経血の混入、外傷など)

⑥ 良性家族性血尿(菲薄基底膜症候群)

⑦ Alport症候群

 

 

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まずは無症候性、一過性血尿の除外

・以前から持続していて,無症候性の血尿であれば「良性家族性血尿(菲薄基底膜症候群)」「Alport症候群」を考える。

・突発的な血尿であれば「腎動静脈瘻」「ナットクラッカー現象」「行軍ヘモグロビン尿症(注:尿潜血陽性,沈では血尿なし」などの可能性が挙がる.

・突発的で側腹部や腰背部痛を伴う場合には「尿路結石」を疑う。

・外傷、運動後、月経、尿路感染症などの原因がはっきりしているなら、再検査不要

一過性血尿と断定できない場合、または50歳以上なら、尿検査再検が必要

・特に、「35歳以上」かつ「喫煙歴あり」では膀胱がんを念頭に置く必要がある。

・膀胱癌リスクがなく、再検査で尿潜血陰性なら、終了

 

高齢者の血尿の鑑別

・高齢であれば,悪性腫瘍は必ず鑑別に挙げる.

尿細胞診を複数回(一般には3回)施行し,泌尿器科にコンサルトし、経尿道的内視鏡検査で尿管,膀胱を観察する必要がある。

 

再検査で陽性だった場合→尿沈渣提出

尿沈渣提出し、糸球体性血尿の鑑別


「尿沈渣で変形赤血球」「赤血球円柱」「0.5g/日(尿蛋白(㎎/dL)/尿中クレアチニン(㎎/dL)比)以上の蛋白尿」があれば、糸球体性血尿の可能性が高い

※ 尿細胞診は感度34%、特異度98%で、陰性でも膀胱がんを否定できない


糸球体性血尿が否定的であれば、悪性腫瘍による血尿の可能性を考慮

リスク因子:「40歳以上の男性」「喫煙」「有害物質への曝露(染料工業、皮革工業、ゴム工業の従事者)」「肉眼的血尿」

エコー、CT(造影も考慮)を行い、積極的に膀胱鏡検査も検討すること。

 

 

medicina(メディチーナ) 2019年 増刊号 特集 一人でも慌てない! 「こんなときどうする?」の処方箋85

 

 

 

 

 

 

 

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