スポンサーリンク

急性期脳梗塞(NIHSS、rt-PA治療の適応、血栓回収療法)

脳梗塞rt-PA適正使用講習e-learning

脳梗塞rt-PA適正使用e-Learningシステム

・通年5月と11月に日本脳卒中学会のホームページより受講可能

 

 

NIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)

参照:https://okayama-gmc.or.jp/shimin/application/files/1215/5366/8042/board_nihss.pdf

 

・脳卒中重症度評価スケール。0~42点で評価。

・各項目ともに点数が高いほど重症度も高くなり、最大で42点となるように設定されている。

・以下の注意を守り、1aから11までの項目ごとに評点し、最後に合計点を計算する

1. 検査はリストの項目順に行う

2. 結果をすぐ記録し、迅速に進める

3. 検査済の項目に戻って評点を変えてはならない

4. 各項目に定められている方法に従って評価する

5. 評点は患者が実際に遂行したことに基づいて行い、推測で評点してはならない

6. 指示されている部分を除き、患者を誘導してはならない

 

急性期脳梗塞治療 ①静注血栓溶解療法(rt-PA静注療法)

rt-PA治療適応

静注血栓溶解(rt-PA)療法適正治療指針 第三版(2019年)

・対象は脳梗塞のすべての病型(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原生脳塞栓症

・静注血栓溶解療法は、発症から 4.5 時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害患者に対して行う
・発症時刻が不明な時は、最終健常確認時刻をもって発症時刻とする
・発症時刻が不明な時でも、頭部 MRI DWI(発症1時間で出現)の虚血性変化が 、FLAIR 画像(発症5時間で出現)で明瞭でない場合には、発症 4.5 時間以内の可能性が高い。このような症例に静注血栓溶解療法を行うことを、考慮しても良い。
※発症早期にMRIの FLAIR ( fluid-attenuated inversion recovery )画像で拡散強調画像(diffusion-wieghted image: DWI)で認める虚血性変化が明瞭でない場合、いわゆる「 DWI/FLAIR ミスマッチ」がある場合は、発症 4.5 時間以内の可能性が高い

 

1.適応外 (禁忌):1項目でも「適応外」に該当すれば実施しない)

1)発症ないし発見から治療開始までの時間経過
・発症(時刻確定)または発見から 4.5 時間超
・発見から 4.5 時間以内で DWI/FLAIR ミスマッチなし、または未評価
2)既往歴
・非外傷性頭蓋内出血
・1 ヵ月以内の脳梗塞(症状が短時間に消失している場合を含まない)
・3 ヵ月以内の重篤な頭部脊髄の外傷あるいは手術
・21 日以内の消化管あるいは尿路出血
・14 日以内の大手術あるいは頭部以外の重篤な外傷
3)治療薬の過敏症

 

4)臨床所見
・くも膜下出血(疑)
・急性大動脈解離の合併
・出血の合併(頭蓋内,消化管,尿路,後腹膜,喀血)
・収縮期血圧(降圧療法後も 185mmHg 以上)
・拡張期血圧(降圧療法後も 110mmHg 以上)
・重篤な肝障害
・急性膵炎
・感染性心内膜炎 (診断が確定した患者)
4)血液所見 (治療開始前に必ず血糖、血小板数を測定する)
・血糖異常(血糖補正後も<50mg/dL 、または>400mg/dL)
・血小板数 10万 / mm3以下 (肝硬変、血液疾患の病歴がある患者)
※肝硬変、血液疾患の病歴がない患者では、血液検査結果の確認前に治療開始可能だが、10万/mm3以下が判明した場合にすみやかに中止する
・血液所見:抗凝固療法中ないし凝固異常症において
 PT-INR>1.7
 aPTT の延長(前値の 1.5 倍(目安として約 40 秒)を超える)
 直接作用型経口抗凝固薬の最終服用後 4 時間以内
※ダビガトラン(プラザキサ®)の服用患者にイダルシズマブを用いて後に本療法を検討する場合は、上記所見は適応外項目とならない
5)CT/MR 所見
・広汎な早期虚血性変化
・圧排所見(正中構造偏位)

2.慎重投与

・年齢 81 歳以上
最終健常確認から 4.5 時間超、かつ発見から 4.5 時間以内に治療開始可能でDWI/FLAIR ミスマッチあり
・既往歴
 10 日以内の生検・外傷
 10 日以内の分娩・流早産
 1 ヵ月以上経過した脳梗塞(とくに糖尿病合併例)
 蛋白製剤アレルギー
・神経症候
 重症(NIHSS ≧26点)
 軽症(NIHSS ≦4点)
 症候の急速な軽症化
 痙攣(既往歴などからてんかんの可能性が高ければ適応外)
・臨床所見
 脳動脈瘤・頭蓋内腫瘍・脳動静脈奇形・もやもや病
 胸部大動脈瘤
 消化管潰瘍・憩室炎,大腸炎
 活動性結核
 糖尿病性出血性網膜症・出血性眼症
 血栓溶解薬,抗血栓薬投与中(とくに経口抗凝固薬投与中)
 月経期間中
 重篤な腎障害

 コントロール不良の糖尿病

感染性心内膜炎

 

急性期脳梗塞治療 ② 機械的血栓回収療法

主幹動脈(内頚動脈、中大脳動脈、脳底動脈)閉塞で、神経症候と画像所見が適応基準を満たす場合、最長24時間までが治療対象となる。

 

適応

経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第 4 版(2020 年 3 月)

 

1)①前方循環系の主幹脳動脈(ICA または MCA M1 部)閉塞と診断され、②発症前の modified Rankin scale (mRS)スコアが 0 または 1、③頭部 CTまたは MRI 拡散強調画像で Alberta Stroke Program Early CT Score (ASPECTS)が 6 点以上、④National Institutes of Health Stroke Scale (NIHSS)スコアが 6 以上、⑤年齢 18 歳以上のすべてを満たす症例に対して、遺伝子組み換え組織プラスミノゲン・アクティベータ(rt-PA、アルテプラーゼ)静注療法を含む内科治療に追加して、発症 6 時間以内にステントリトリーバーまたは血栓吸引カテーテルを用いた血管内治療(機械的血
栓回収療法)を開始することが勧められる【グレード A】

 

MCA M1:中大脳動脈水平部

参照(このサイトより引用):https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/15633

 

 

mRS

 

Alberta Stroke Program Early CT Scor(e ASPECTS)

レンズ核と視床を通る軸位断と,それより約 2 cm 頭側のレンズ核構造が見えなくなった最初の断面の 2 断面にて,MCA 領域を 10 カ所に区分し,減点法によって病変範囲をスコア化するもの
である.

評価領域のどこにも EIC(早期虚血性変化;early ischemic change:「皮髄境界消失」「レンズ核の不明瞭化」「脳溝の消失」)がみられなければ 10 点,全域にみられれば 0 点とする.

一般に ASPECTS 7 が MCA 領域の 1/3 に相当し,オリジナルの論によると 8 以上が転帰良好[modified Rankin Scale(mRS)0-2]と関連していた.10 領域を系統的に判読することで EIC の見落としが少なくなり,一カ所ずつ所見を吟味できるので,初心者向けの教育ツールとしての利用価値も高い.

 

 

 

2)最終健常確認時刻より 6 時間を超えた ICA または MCA M1 部の急性閉塞が原因と考えられ
る脳梗塞では、発症前の mRS スコアが 0 または 1 で、NIHSS スコアが 10 以上かつ MRI 拡
散強調画像で ASPECTS が 7 点以上である症例に対して、発症または最終健常確認時刻か
ら 16 時間以内に本療法を開始することが強く勧められる【グレード A】。

また、頭部 CT灌流画像または MRI 拡散強調画像における虚血コア体積と、神経症状あるいは灌流画像での灌流遅延領域にミスマッチがあると判断される症例に対し、最終健常確認時刻から
24 時間以内に本療法を開始することが勧められる【グレード B】。

ただし我が国では、Trevo、Solitaire を除く血栓回収機器の添付文書での使用目的は「原則として発症 8 時間以内の急性期脳梗塞」であることに留意する。

 

3) ASPECTS が 6 点未満の広範囲虚血例、NIHSS スコアが 6 未満の軽症例、MCA M2 部や BA の
急性脳動脈閉塞例、発症前 mRS スコアが 2 以上の脳梗塞例に対して発症 6 時間以内に本療法を施行することは、十分な科学的根拠は示されていないが、症例ごとに適応を慎重に検討し、有効性が安全性を上回ると判断した場合には本療法の施行を考慮しても良い【グレード C1】。

 

4) 本療法の適応決定において、灌流画像の撮影に時間を要さない場合には、虚血コア体積お
よび低灌流領域を迅速に計測可能な自動画像解析ソフトウェアを用いても良い【グレードC1】。

救急脳神経系
スポンサーリンク
シェアする
Dr.Gawaso,M.D.,Ph.D.をフォローする
スポンサーリンク
総合診療・救急医療施策要綱(Dr.GawasoのBlog)

コメント

タイトルとURLをコピーしました