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糖尿病性神経障害(糖尿病性ニューロパチー)

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特徴

・糖尿病患者の30~40%に発症

・神経線維の変性、脱落は軸索の長さに依存するため、両下肢遠位(足趾、足底)から発症し、その後かなり進行した後に両手に発症する。

・左右対称性(靴下・手袋型)
・感覚障害優位(↔運動神経障害優位、筋萎縮では慢性炎症性多発神経炎や脊髄根神経叢障害を考える)
・安静時に強い(↔運動時では脊柱管狭窄症や脊椎症を考える)

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神経学的検査

アキレス腱反射

「膝立位姿勢」が推奨される(仰臥位では足に無用な力が入り、また打腱器で打ちずらい)

振動覚検査

・C128音叉
・内果に当てる
・音叉を叩いた時から振動を感知しなくなった時間を測定。10秒以下で異常

タッチテスト

・モノフィラメント使用

 

自律神経機能検査

・安静時心電図R-R間隔変動係数(CVR-R)<2%の場合、心血管系の自律神経障害の存在が疑われる

 

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糖尿病多発神経障害の簡易診断基準

必須項目(以下の 2 項目を満たす)

1.糖尿病が存在する

2.糖尿病多発神経障害以外の末梢神経障害を否定しうる

条件項目(以下の 3 項目中 2 項目以上を満たす場合を「神経障害あり」とする)

1.糖尿病多発神経障害に基づくと思われる自覚症状

2.両側アキレス腱反射の低下あるいは消失

3.両側内踝の振動覚低下

注意事項
1.糖尿病多発神経障害に基づくと思われる自覚症状は下記 2 項目を満たす
1)両側性である
2)足趾先および足底の「しびれ」「疼痛」「異常感覚」のいずれかの症状を訴える

上肢の症状のみの場合および「冷感」のみの場合は除外する

2.アキレス腱反射の検査は膝立位で確認する

3.振動覚低下は C128 音叉にて 10 秒以下を目安とする

4.高齢者については老化による影響を十分考慮する

参考項目(以下の項目のいずれかを満たす場合は条件項目を満たさなくとも「神経障害あり」とする)
1. 神経伝導検査において,2 神経以上でそれぞれ検査項目(伝導速度,振幅,潜時)中 1 項目以上に明らかな異常
を認める
2.臨床症候上,明らかな糖尿病自律神経障害がある.ただし,自律神経機能検査で異常を確認することが望ましい

 

治療

成因に対する治療

・アルドース還元酵素阻害薬(キネダック®、エパルレスタット®):進展例では効果期待できず

 

対症療法

・プレガバリン(リリカ)
・アミトリプチン(三環系抗うつ薬:トリプタノール)
・デュロキセチン(SNRI:サインバルタ)

効果なければ
・トラマドール
・オピオイド

 

 

 

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