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喫煙、禁煙指導

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喫煙について

・喫煙率 16.7%(男性27.1%、女性7.6%)

・比較的若い女性層では、喫煙率が上昇している

・タバコに含まれる発癌物質は約70種類ある

 

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pack-years(喫煙指数)

・喫煙の量を示す国際的な指標

・計算式:

pack-years =(1日の喫煙本数/20本)× 喫煙年数

すなわち「1日のタバコの箱数 × 年数」という意味です。

・クリニカルパールとしては、記憶しやすいように
「喫煙歴20 pack-yearsの患者の20%がCOPDである」と覚えておく。

・特に20pack-yearsを超えていれば、「目の前の患者さんは少なくとも20%の確率でCOPDがある」と考え、積極的に呼吸機能検査を行う必要がある。

 

参考:

喫煙歴20pack-yearsの患者の20%がCOPDである
慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary ...

 

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禁煙外来登録手順 4つのステップ

STEP 1:施設基準の確認 施設基準を満たしているか確認します。
施設基準

・禁煙治療を行っている旨を保険医療機関内の見やすい場所に掲示していること。

禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること。なお、当該医師の診療科は問わないものであること。

禁煙治療の経験は、医師の自己申告によります。特定の資格は必要ありません。

厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する⼿続きの取扱いについて 保医発0305第3号(令和2年3⽉5⽇)

 

・禁煙治療に係る専任の看護師又は准看護師を1名以上配置していること。

・禁煙治療を行うための呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること。

・保険医療機関の敷地内が禁煙であること。なお、保険医療機関が建造物の一部分を用いて開設されている場合は、当該保険医療機関の保有又は借用している部分が禁煙であること。

・情報通信機器を用いて診察を行う保険医療機関にあっては、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う体制を有すること。

・ニコチン依存症管理料を算定した患者の指導の平均継続回数及び喫煙を止めたものの割合等を、別添2の様式8の2を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。

 

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する⼿続きの取扱いについて 保医発0305第3号(令和2年3⽉5⽇)

 

STEP 2:届出書類の作成 届出に必要な書類を作成します。
必要な書類等

1. 特掲診療料の施設基準に係る届出書
(記入事項)
保険医療機関コード又は保険薬局コード
所在地および名称
開設者名
連絡先(担当者氏名・電話番号)
施設基準の名称

2. ニコチン依存症管理料の施設基準に係る届出書添付書類
(記入事項)
禁煙治療を担当する医師について
専任の看護職員について
当該保険医療機関に備えている呼気一酸化炭素濃度測定器の機種名、メーカー名および台数
その他
実績等
情報通信機器を用いた診療を行う体制
(情報通信機器を用いた診療を行わない医療機関は、記載不要)

3. 勤務する従事者の名簿
(記入事項)
職種
氏名
勤務の態様
勤務時間

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する⼿続きの取扱いについて 保医発0305第3号(令和2年3⽉5⽇)

STEP 3:届出書類の提出 地方厚生(支)局長あてに書類を提出します。

これで届出は完了です。

要件審査に要する期間は原則として2週間以内を標準とし、審査期間は遅くとも概ね1ヵ月以内とされています。

 

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する⼿続きの取扱いについて 保医発0305第3号(令和2年3⽉5⽇)

STEP 4:算定要件の確認 禁煙治療施設に認定されたら、算定要件を確認します。
算定要件

・入院中の患者以外の患者に対し、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会及び日本呼吸器学会の承認を得たものに限る)に沿って、初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する。

「禁煙治療のための標準手順書 第8版」(PDFファイル)2021年4月6日公開

・なお、加熱式たばこを喫煙している患者ついても、「禁煙治療のための標準手順書」に沿って禁煙治療を行う。

 

対象患者

・ニコチン依存症管理料の算定対象となる患者は、次の全てに該当するものであって、医師がニコチン依存症の管理が必要であると認めたものであること。

ア 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。

イ 35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数(ブリンクマン指数:Brinkman Index))が200以上であるものであること。

ウ 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。

・初回算定日より1年を超えた日からでなければ、再度算定することはできない。

・治療管理の要点を診療録に記載する。

・情報通信機器を用いて診察を行う医師は、初回に診察を行う医師と同一のものに限る。

・情報通信機器を用いて診察を行う際には、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う。

・情報通信機器を用いた診察は、当該保険医療機関内において行う。

・情報通信機器を用いた診察時に、投薬の必要性を認めた場合は、区分番号「F100」処方料又は区分番号「F400」処方箋料を別に算定できる。

・情報通信機器を用いて診察を行う際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収を行うことはできない。

・情報通信機器を用いた診察を行う際の情報通信機器の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。

・ニコチン依存症管理料2を算定する場合は、患者の同意を文書により得た上で初回の指導時に、診療計画書を作成し、患者に説明し、交付するとともに、その写しを診療録に添付すること。

・ニコチン依存症管理料2を算定した患者について、2回目以降の指導予定日に受診しなかった場合は、当該患者に対して電話等によって、受診を指示すること。また、受診を中断する場合には、受診を中断する理由を聴取し、診療録等に記載すること。

・ニコチン依存症管理料2を算定する場合においても、2回目から4回目の指導について、情報通信機器を用いて実施することができる。なお、その場合の留意事項は、(5)から(10)まで及び(12)に示すものと同様である。(14) (2)に規定するニコチン依存症管理料の算定対象となる患者について、「注1」に規定する厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合には、所定点数の100分の70に相当する点数を算定する。

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
診療報酬の算定⽅法の⼀部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第1号(令和2年3⽉5⽇)

 

禁煙外来開設後のポイント

禁煙治療成果の報告

(禁煙外来開設後、1年に1回(毎年7月)、所定の用紙にて、下記項目の報告が必要です)

ニコチン依存症管理料に係る報告書

(記載事項)
① 本管理料を算定した患者数
② ①のうち、当該期間後の6月末日までに12週間にわたる計5回の禁煙治療を終了した者
③ ②のうち、禁煙に成功した者
④ 5回の指導を最後まで行わずに治療を中止した者(①-②のうち、中止時に禁煙していた者)
喫煙を止めたものの割合(%)=(③+④)/ ①

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する⼿続きの取扱いについて 保医発0305第3号(令和2年3⽉5⽇)
参考

対象患者

・ニコチン依存症管理料の算定対象となる患者は、次の全てに該当するものであって、医師がニコチン依存症の管理が必要であると認めたものであること。

ア 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること(5点以上)
イ 35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。
ウ 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。

出典:厚⽣労働省保険局医療課⻑ ⻭科医療管理官 連名通知
診療報酬の算定⽅法の⼀部改正に伴う実施上の留意事項について 保医発0305第1号(令和2年3⽉5⽇)

 

TDS(Tobacco Dependence Screener)

・禁煙治療の保険診療で用いられる、ニコチン依存度テスト。

・計10問、「はい」が1点。

・ニコチン依存症管理料を算定するためには5点以上取る必要がある。

設問内容

問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
問2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
問3. 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
問4. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか?
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
問5. 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
問6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
問7. タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問8. タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
問10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?

※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。

 

喫煙に関するマメ知識

・寿命が10年短くなる

・完全に禁煙できなくても減量することで肺癌減少効果があるという観察研究がある
・心筋梗塞のリスクは、20本を1本にしても半分にしかならない

・無煙たばこにもニコチンが含有されており、肺癌のリスクはある

・禁煙による精神症状は、不安、ストレス、うつ、精神的QOL全てにおいて、喫煙を継続するより禁煙した方が改善したというメタ解析がある(禁煙により精神症状は最終的には安定する)

・突然中止と漸減法では、実は禁煙効果は同等と報告されている

 

禁煙外来について

禁煙外来は初診からオンライン診療可能

・2016年(平成28年)4月から35歳未満の人は「ブリンクマン指数200以上」という条件がなくなり、喫煙本数・喫煙年数に関係なく、ニコチン依存症と診断されれば保険で禁煙治療を受けることができるようになりました。

・治療開始12週間後の成功率は60%、1年後の成功率は30%~40%程度

・禁煙治療の期間は12週間が基本で、その間に5回診察(初回診療・初回診療から2週間後・4週間後・8週間後・12週間後)を受けることになります。

・禁煙治療の条件確認後、診察時に一酸化炭素濃度の測定や禁煙指導を行います。

・12週間のプログラム終了後であっても、自由診療でなら禁煙補助薬を継続することが可能です。

 

治療

1)非薬物療法:

薬物療法を受ける患者においても必須

・5Aアプローチ

ask、advise、assess、assist、arrangeの5ステップで禁煙をサポートする

 

2)薬物療法

①ニコチン置換療法

・長時間作用のパッチ、短時間作用のガムがある

・両者の併用が効果的

 

②バレニクリン

※両者に禁煙効果の差はないといわれている

 

 

 

 

 

 

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