疾患:D2
・「加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)」は加齢に基づく黄斑異常の総称をいう。
・加齢によって黄斑とその周囲に出血などの異常変化が起こり、視力が低下する疾患である。
・我が国の視覚障害における身体障害者の原因疾患の1位(28.6%)は緑内障、第2位が網膜色素変性(14.0%)
・欧米では成人の失明原因の第1位で、珍しくない疾患である。
・日本では比較的少ないと考えられていたが、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位を占める。
・50歳以上の人の1.3%にみられ、高齢になるほど多くみられる。
・60歳以上、男性に多い。
・喫煙が危険因子
・加齢によって黄斑とその周囲に出血などの異常変化が起こり、視力が低下する疾患である。
・脈絡膜の新生血管により黄斑部に出血や滲出液貯留をきたす
(黄斑部に白斑、出血を認める)
・「前駆病変」「滲出型加齢黄斑変性」「萎縮型加齢黄斑変性」に分けられる。本邦の多くは「滲出型」である。
症状
・黄斑部の病気は自覚症状が起こりやすく、発見につながる可能性が高い。
・初期症状は物が歪んで見え(変視症)、進行に伴い中心視野障害が悪化する(中心暗点)
・自覚症状は病気の進行具合によって異なりますが、初期はものがゆがんで見える、中心が見づらい、視界の真ん中がグレーになってかすむなどの症状が多い(変視症)
・進行すると、真ん中が真っ暗になって見えなくなります(中心暗点)。
・しかし、眼は左右ふたつあるので、片眼にのみ症状が出た場合は、その眼が利き目でない場合には発見が遅れる、あるいは、生活に支障がないという理由で放置されることがあります。
・日頃から、片目をふさいで、左右のそれぞれの目の見え方を自分でチェックしてください。
参照(このサイトより引用):知っておきたい加齢黄斑変性―治療と予防―
病変
・黄斑部に白斑、出血を認める
・前駆病変として「軟性ドルーゼン」「網膜色素上皮萎縮(異常)」がある
軟性ドルーゼン
・「軟性ドルーゼン」とは加齢やその他の原因によって、網膜色素上皮内で老廃物が処理できなくなり、網膜色素上皮の外側(脈絡膜側)に老廃物が沈着してしまった状態をいう
・黄斑部や血管周辺に、白い、点状~斑状の上の丸い塊として見える
参照(このサイトより引用):https://koikeganka.com/news/oshirase/moumaku/5380
網膜色素上皮萎縮
・「網膜色素上皮萎縮(異常)」とは、網膜色素上皮がダメージを受け萎縮してしまった状態をいい、網膜色素上皮の色素脱出、色素沈着、色素ムラ、小型の漿液性網膜色素上皮剥離を指す
参照(このサイトより引用):https://www.sugahara-ganka.com/menu/disease/disease16
分類
① 前駆病変
・前駆病変には、「網膜色素上皮異常」と「軟性ドルーゼン」がある。
・軟性ドルーゼン(直径63μm以上のドルーゼン)が1個以上見られれば前駆病変と診断される
※ ドルーゼンとは?:
網膜細胞が加齢によって変性し、視細胞の一部が剥がれ落ちて、網膜色素上皮細胞(網膜の最下層)の下に溜まった脂質を中心とした老廃物をいう。
・網膜色素上皮異常とは、網膜色素上皮の色素脱出、色素沈着、色素ムラ、小型の漿液性網膜色素上皮剥離を指す。
② 滲出型加齢黄斑変性
・脈絡膜新生血管(それに伴う網膜出血、浮腫)
・網膜色素上皮剥離
・線維性瘢痕等を認める
③ 萎縮型加齢黄斑変性
・脈絡膜血管が透見できる網膜色素上皮の境界明瞭な地図状萎縮などを認める。
・脈絡膜の神経血管は認めないため、出血や浮腫は認めない
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