単純ヘルペスウイルス
・「単純疱疹」、「Kaposi水痘様発疹症」の原因ウイルス
・HSV-1とHSV-2の2系あり
HSVの種類
①HSV-1(=HHV-1)
・口唇やその周囲では「口唇ヘルペス(Herpes labialis)」といい、単純ヘルペスウイルス1型 (HSV-1) が原因になりやすい。
・kaposi水痘様発疹症
②HSV-2(=HHV-2)
・陰部では「性器ヘルペス」といい、2型 (HSV-2) が原因になりやすい。
※ ちなみに水痘・帯状疱疹ウイルス(VSV)はHHV-3
HSVによる感染症
① 単純疱疹
・単純疱疹ウイルス(Herpes simplex virus)の感染症
・口唇、外陰部などに有痛性の小水疱、びらんが生じる
・免疫低下状態、疲労、ストレス等が契機になり再発を繰り返す
・単純疱疹ウイルスはI型とII型の2種類があり、口唇・口腔内病変はI型、陰部病変の大部分はⅡ型によって起きます。
・初感染(ほとんどは不顕性感染)あるいは数回の再感染を経て、知覚神経節内にウイルスが持続潜伏感染します。
・I型は三叉神経節、Ⅱ型は脊髄後根神経節に潜伏感染します。
・個体の免疫低下などが誘因となりウイルスが再活性し発症します。
・単純疱疹(単純ヘルペス)は再発を繰り返すことが特徴です。
その誘因として日光照射、寒冷被曝、機械的・物理的刺激、発熱、精神的ストレス、疲労、免疫低下状態などがあります
・口唇やその周囲に軽度の痛み、違和感が先行し、小紅斑が生じ、次第に水疱を形成します
・小水疱が集簇し、数日の軽快でびらんあるいは膿胞化します。その後痂皮となって改善します。瘢痕はできません。
口唇以外にも外陰部、臀部も好発部位です
病変の所属リンパ節には有痛性腫脹を伴います。
治療
<軽症>
・ゾビラックス軟膏
・アラセナA軟膏<中等症>
・バルトレックス(500)2錠 2×
② kaposi水痘様発疹症
・アトピー性皮膚炎など皮膚バリア機能が損傷されている部位にHSVが感染し、掻破によっては播種状に散布されて発症する
・びまん性の落屑様紅斑、小水疱、点状びらん、痂疲が多発
・多くの症例はHSV-1の初感染だが、再発によることもある
治療
・抗ウイルス薬の内服または点滴投与
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