老年症候群患者に対する糖尿病治療
・認知機能の確認(DASC-8やHDS-Rでの評価)
・服薬回数は1日1~2回に留める
・可能な限りインスリン治療は避ける
・どうしてもインスリンが不可欠な場合は、1日1回の基礎インスリン補充療法を選択する
・インスリン量は、血糖が一番低くなっても低血糖にならない量を選択する
・認知機能が低下した高齢者で比較的安全に使用できるのはDPP-4阻害薬
・DPP- 4阻害薬の中では、リナグリプチン(トラゼンタ®)とシタグリプチン(ジャヌビア®、グラクティブ®)は心不全などの併存疾患を有する高齢者への有効性が検証されている
・週1回のGLP-1受容体作動薬も有効
高齢者で使える薬剤
① 第1選択→DPP4阻害薬
・高齢者ではDPP4だけの処方のことも多い
・トラゼンタ(リナグリプチン)は腎機能障害で投与量を調整することなく処方可能
① ジャヌビア®(シタグリプチン)
・腎代謝
・ジャヌビア®(50) 1~2T 1×朝食後
② トラゼンタ®(リナグリプチン)
・肝代謝(胆汁排泄型)
・腎機能障害に処方可能
(腎機能障害時でのfirst choice)
・心不全などの併存疾患を有する高齢者への有効性が検証されている
トラゼンタ®(5mg) 1T 1×朝食後
② 第2選択
インスリン
・DPP4阻害薬だけでは血糖が高すぎる時に併用(毎日でなくてもよい)
・持効型溶解インスリン(インスリンデグルデグ)
1日1回、または隔日など
・混合型1日2回など
少量メトホルミン
・高齢者であっても禁忌ではないが、慎重、少量投与(250mg/日でも効果示す)
1錠~2錠程度
・インスリン抵抗性が問題になる症例
・eGFR<30では禁忌
少量SU剤
・グリメピリド(アマリール®)
0.5T 1×朝食後
GLP-1受容体作動薬
・週1回注射
SGLT-2
・口渇訴え可能であれば
・フォシーガ5㎎、スーグラ50㎎
持効型インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤
インスリンのステップダウン
1.まずは「持効型溶解インスリン」1日1回打ちへの移行
・血中濃度のピークがないのは「トレシーバ」「ランタスXR」
2.週1回のDPP4阻害薬内服
↓
随時血糖が300㎎/dLを超えるなら、
GLP-1受容体作動薬「トルリシティ―(デュラグルチド)」
週1回注射
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