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鉛(鉛中毒予防規則中毒)

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鉛の用途

鉛のモデルSDS

推奨用途及び使用上の制限:

鉛管・板

蓄電池

電線被覆

リサージ(一酸化鉛:顔料、クリスタル・ガラスの製造、皮蛋(ピータン)の熟成、セラミックス、ゴムの加硫)

鉛丹(日本画の絵の具、陶磁器の釉(うわぐすり)、顔料)

鉛白(白色顔料)

ハンダ

活字

 

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鉛等の溶融を行う屋内の作業場に儲けなければならない局所排気装置及び除じん装置

・鉛業務(鉛蓄電池を解体する工程において鉛等を溶融する業務等)に労働者を従事させるときは、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を設けなければならない。

・局所排気装置に設けなければならない除じん装置は、ろ過除じん方式又はこれと同等以上の性能を有するもの」としなければならない。

・局所排気装置は、そのフードの外側における鉛の濃度を、空気1立方メートル当たり0.05ミリグラムを超えないものとする能力を有するものでなければならない。

 

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鉛作業主任者

鉛作業主任者には、労働者の指揮、局所排気装置の毎週1回以上の点検の点検、労働衛生保護具等の使用状況の監視等を行わせなければならない。

 

原因

・経気道(粉塵、フューム)が主(蓄電池製造、クリスタルガラス製造、七宝焼き、塩化ビニル加工)

・鉛入りの塗料を飲み込むこと、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器での飲食

 

 

病態

・吸収された鉛の99%が赤血球に結合し、長期間留まる(半減期35日程度)

・赤血球のδ‐アミノレブリン酸脱水素酵素の阻害によるヘム合成抑制

・プロトポルフィリンからヘムへの代謝も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

鉛中毒の生物学的モニタリング法

鉛の生物学的モニタリングの項目
・血中鉛濃度赤血球中
・赤血球中プロトポルフィリン濃度
・尿中デルタアミノレブリン酸濃度

 

赤血球中のδ-アミノレブリン酸脱水酵素阻害による酵素活性の低下

・その器質である尿中δ‐アミノレブリン酸上昇

・またプロトポルフィリンからヘムへ合成するヘム合成酵素も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

 

鉛の作用点

・鉛はデルタアミノレブリン酸(δ‐アミノレブリン酸)をコプロポルフィリノーゲンに変換するδ-アミノレブリン酸脱水酵素を阻害する。

・そのため、血中、尿中δ-アミノレブリン酸濃度が上昇する

・またプロトポルフィリンからヘムへ合成するヘム合成酵素も阻害するため、赤血球中のプロトポルフィリンの増加と尿中コプロポルフィリン(プロトポルフィリンの代謝産物)が増加する

 

参照(このサイトより引用):https://kusuri-new.link/category18/entry483.html

 

 

 

症状

3徴:貧血、腹部疝痛(鉛疝痛)、神経症状

・低色素性小球性貧血(δ-アミノレブリン酸脱水酵素による)

重篤になると「鉛蒼白」とよばれる顔色が青白くなる症状が出る。

中枢神経障害

・認知障害、腹部痙攣,便秘,振戦,気分変化

・伸筋麻痺(橈骨神経麻痺による垂れ手、下垂足)

腎臓障害

・鉛縁(Bruton’s line):歯肉の青み掛かった、または灰色の色素沈着。鉛が口腔内細菌の代謝物と反応することで生じる。

診断

血算

・小球性貧血

・特に網状赤血球数増多

・赤血球に好塩基性斑点が出現

 

 

 

 

治療

鉛源の除去(例,鉛が消化管にある場合全腸管洗浄)
中毒症状がありPbBが70μg/dLを超える成人ではキレート化
脳症が認められるか,またはPbBが45μg/dL(2.15mmol/L)を超える小児ではキレート化
全ての患者において,鉛源を除去する。鉛の小片が腹部X線上でみられる場合は,繰り返しの腹部X線で鉛がみられなくなるまで,ポリエチレングリコール電解質溶液を用いて成人で1~2L/時,小児で25~40mL/kg/時で全腸管洗浄を行う。そのような大量の投与には経鼻胃管による投与が必要になることがあり,気道を保持するように注意する必要がある;挿管が必要になる場合がある。弾丸が原因の場合は,外科的除去を考慮すべきである。PbBが70μg/dL(3.40μmol/L)を超える小児,および神経症状を呈する全ての患者は,入院させるべきである。急性脳症患者はICUに収容する。

キレート剤(例,サクシマー[succimer][メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸],CaNa2EDTA,ジメルカプロール[British Anti-Lewisite,BAL])を投与し,鉛に結合させて排泄可能な形にする場合もある。キレート療法は,経験豊富な毒物学者が監視すべきである。キレート療法は,中毒症状があることに加えてPbBが70μg/dLを超える成人,および脳症を認めるかまたはPbBが45μg/dL(2.15μmol/L)を超える小児に対して,適応となる。肝疾患および腎疾患は,キレート剤に対して相対的禁忌である。キレート化により鉛の消化管吸収が増加する可能性があるため,鉛曝露が継続している患者に対してはキレート剤を投与してはならない。キレート化で除去されるのは,比較的少量の金属のみである。鉛の身体への総負荷が非常に大きい場合は,多年にわたる複数回のキレート化が必要になることがある。

 

鉛則の特殊健康診断

・事業者は、鉛業務に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期に、次の項目について、医師による健康診断を行わなければならない。

一 業務の経歴の調査

二 作業条件の簡易な調査

三 鉛による自覚症状及び他覚症状の既往歴の有無の検査並びに第五号及び第六号に掲げる項目についての既往の検査結果の調査

四 鉛による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査

五 血液中の鉛の量の検査

六 尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査

・健康診断(6月以内ごとに一回、定期に行うものに限る)は、前回の健康診断において血液中の鉛の量の検査及び尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査に掲げる項目について健康診断を受けた者について、医師が必要でないと認めるときに、その項目について省略できる。

1年以内ごとに1回の健康診断でよい鉛業務

・動力を用いて印刷する工程における活字の文選、植字又は解版の業務

・自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務

・鉛化合物を含有する釉ゆう薬を用いて行なう施釉ゆう又は当該施釉ゆうを行なつた物の焼成の業務

・鉛化合物を含有する絵具を用いて行なう絵付け又は当該絵付けを行なつた物の焼成の業務

・上記の鉛業務を行う作業場所における清掃の業務

 

鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について

鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について

鉛中毒発生の原因となる作業環境上の問題

わが国では、1990年頃まで、高速道路の橋梁などの塗料に四酸化三鉛が混入されていた。そのため、ディスクグラインダー等を使用して塗料の剥離等作業を、隔離又は閉鎖された作業場(隔離区域等内作業場)で行う場合に、その区域内の鉛等有害物の粉じんの濃度が極めて高濃度になることが問題となる。

作業環境上の問題に対して、鉛による健康障害を防止するために必要な措置

(1) 剥離等作業は必ず湿潤化して行うこと。湿潤化が著しく困難な場合は、当該作業環境内で湿潤化し
た場合と同等程度の粉じん濃度まで低減させる方策を講じた上で作業を実施すること。

(2) 隔離区域等内作業場に粉じんを集じんするため適切な除じん機能を有する集じん排気装置を設ける
こと。この際、集じん排気装置の排気口は外部に設けること。また、集じん排気装置は作業場の空間に応じて十分な排気量を有するものとすること。

(3) 隔離区域等内作業場より粉じんを外部に持ち出さないよう洗身や作業衣等の洗浄等を徹底すること。

(4) 隔離区域等内作業場については、関係者以外の立ち入りを禁じ、区域内で作業や監視を行う労働者 については、電動ファン付き呼吸用保護具又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスクを着用させること。

なお、電動ファン付き呼吸用保護具については、フィルタ ーを適切な期間ごとに交換するなど適切に管理して使用させること。

(5) 呼吸用保護具については、隔離区域等内作業場より離れる都度、付着した粉じんを十分に拭い、隔離区域等内作業場とは離れた汚染されていない場所に保管すること。

(6) 隔離区域等内作業場の粉じんを運搬し、又は貯蔵するときは、当該粉じんが発散するおそれがない
よう堅固な容器を使用し、又は確実な包装をすること。また、それらの保管については、一定の場所を定めておくこと。

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