原因の有無による大まかな分類
1)原因のないもの
特発性間質性肺炎
・原因が特定できない間質性肺炎の総称
・特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)など
・50歳以降の男性喫煙者に多い
・乾性咳嗽が特徴的
・肺癌の合併頻度が高く、特に扁平上皮癌が多い
病理に基づく分類(予後・治療法が異なる)
・UIP (Usual interstitial pneumonia;通常型間質性肺炎)
など
2)原因のあるもの
・原因別の分類(膠原病などに随伴するもの)
・原因によって予後・治療法が異なる
各論
1)特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis:IPF)
・原因なくUIP病変を来す間質性肺炎
・受診動機は労作時息切れ、咳などの自覚症状や健診での指摘
・
診断
・原因の明らかな疾患を除外
・症状として、「捻髪音(fine crackle)」と「乾性咳嗽、労作時呼吸困難、ばち指のいずれか」がある
・KL-6、SP-D、SP-A、LDHのいずれかが上昇
・拘束性障害、拡散障害、低酸素血症のうち2つを満たす
・胸部X線で「両側びまん性陰影」ならびに「中下肺野、外側優位または肺野の縮小のいずれか」を認める
・HRCTで胸膜直下の陰影分布および蜂巣肺がある
検査
・HRCT(診断は可能)
・BALF(リンパ球≧20%の場合、IPF以外の疾患の可能性を示唆し、治療反応性が期待できる)
・TBLB(癌、肉芽腫などの鑑別に意義がある)
治療
・ステロイドは使わない
・許容できれば抗線維化薬
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