糖尿病の眼病変(ドック学会専門医試験)
糖尿病の眼病変:
・糖尿病網膜症は糖尿病発症後、血糖コントロール不良例で5年から10年でみられることが多い。
・白内障存在下では、直視での眼底評価が困難なため、糖尿病網膜症の評価には蛍光眼底造影が有効である。
・糖尿病血管新生緑内障は,糖尿病網膜症,網膜中心静脈閉塞症,内頚動脈閉塞症などの眼内虚血に起因して発症する難治性緑内障である。「糖尿病性網膜症の終末像」といわれる。
・糖尿病血管新生緑内障では,眼内虚血により血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)が産生放出され,新生血管が誘発される。新生血管が虹彩、前房隅角にでき線維柱帯を覆うと房水の流れが妨げられ眼圧が上昇し、著明な視力障害をきたす。
・糖尿病性黄斑浮腫は、糖尿病の罹患期間に関係なく発症する黄斑部を含む網膜に浮腫を生じる病態である。毛細血管透過性亢進が原因である。
糖尿病網膜症
参照:糖尿病網膜症

血管新生緑内障(虹彩ルベオーシス)
・血管新生緑内障は,糖尿病網膜症,網膜中心静脈閉塞症,内頚動脈閉塞症などの眼内虚血に起因して発症する難治性緑内障である。
・「糖尿病性網膜症の終末像」といわれる
・血管新生緑内障では,眼内虚血により血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)が産生放出され,新生血管が誘発される.
・新生血管が虹彩、前房隅角にでき線維柱帯を覆うと房水の流れが妨げられ眼圧が上昇し著明な視力障害をきたす
・眼内虚血が増悪するとさらにVEGFが放出され,血管新生が進行するという悪循環に陥る.
・血管新生緑内障の約97 %が網膜虚血を原因として発症し,3 %は,炎症性疾患により生ずる
・一般に難治性で視機能予後も不良であるが,近年登場した抗VEGF薬の使用と,緑内障インプラント手術の導入により治療の選択肢が広がった.
虚血性視神経症
・網膜動脈の急性な閉塞により突然の視力低下や視野欠損を来す疾患
・糖尿病、高血圧症、心房細動、側頭動脈炎でみられる
糖尿病性黄斑症(黄斑浮腫)
・罹患期間に関係なく発症する黄斑部を含む網膜に浮腫を生じる病態
・毛細血管透過性亢進により黄斑部に浮腫を生じる
・糖尿病患者の9%にみられ失明の原因となりうる
・レーザー光凝固、硝子体手術などを行う
外眼筋麻痺
・糖尿病性ニューロパチーのひとつ
・動眼神経、外転神経麻痺が原因
・発症時期、期間、血糖コントロールに関係なく発症
・複視で発症することが多く、自然回復することが多い
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