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黄色ブドウ球菌(CNS、MSSA、MRSA)

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コアグラーゼ試験による分類

・黄色ブドウ球菌は血漿を固める作用があるコアグラーゼの産生性により、「コアグラーゼ陽性」の黄色ブドウ球菌と、「コアグラーゼ陰性」の黄色ブドウ球菌(coagulase-negative staphylococcus:CNS)に分けられる

 

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CNS

・コアグラーゼ試験陰性となるブドウ球菌群の総称

※コアグラーゼ:フィブリンを析出させる酵素で、これを持つブドウ球菌は周囲にフィブリンを析出させることで免疫に対するバリアを張ることができる

(↔コアグラーゼ陽性:MSSA、MRSA)

・CNSのブドウ球菌としては、表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)、腐生ブドウ球菌(S.saprophyticus:膣常在菌で、女性の尿路感染症の原因菌となる)、溶血性ブドウ球菌(S.haemolyticus)などがある

・皮膚常在菌の1つ。

・皮脂腺や皮膚の襞などの深部に常在し、消毒薬や手洗いによっても除去されない。

・病原性は低く、健常皮膚で感染症を引き起こすことはほとんどないが、血管内留置カテーテルなど医療デバイスが皮膚を経由して挿入された際には、医療デバイスを感染してしまうことがある。

その場合、汚染された医療デバイスが無菌臓器に挿入されることになるため感染引き起こす

・CNSによるCRBSIは血管内カテーテル挿入時の不潔操作、もしくは、挿入部のや点滴ラインの不十分な保護・管理による「医療従事者を介した汚染」を考える必要がある

血液培養でコンタミネーションの原因となりうる

※2セット中、1セットのみで検出された場合はコンタミネーションの可能性が高いが、2セット中2セットで陽性であれば、真の原因微生物である可能性を考慮しなければならない。

 

参照:皮膚常在菌(コンタミネーションである可能性が高い菌種)

・Propionibacterium(プロピオニバクテリウム)

・Corynebacterium(コリネバクテリウム)

・Bacillus(バチルス)

・CNS

 

疾患

・CNSは感染症を起こしにくいが、「体内挿入人工物感染症」「血管カテーテル関連血流感染症」を起こすことがある。

・腐生ブドウ球菌(S.saprophyticus)は「若年女性の尿路感染症」の起炎菌となる

 

治療

・CNSの多くがメチシリン耐性

・内服:MINO、CLDM、ST

・注射:VCM

 

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MSSAとMRSA

MSSA

・ペニシリン耐性(ペニシリナーゼ産生)MSSAが多いため、第一選択はセフェム系

注)β-ラクタマーゼはβラクタム系抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系など)のβラクタム環を加水分解し抗菌力を失わせる細菌産生酵素の一つであり, 「ペニシリナーゼ (ペニシリン分解酵素) 」と「セファロスポリナーゼ (セファロスポリン分解酵素)」 に大別される

 

MRSA

 

 

 

卒後15年目総合内科医の診断術 ver.2

 

 

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