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1,2‐ジクロロプロパン、MOCA、オルト‐トルイジン、石綿ばく露の事案

1,2‐ジクロロプロパン:胆管がん

1,2‐ジクロロプロパン:胆管がん

 

CH3-CHCl-CH2Cl

 

2012年3月に大阪府内のオフセット印刷業の事業場で発生した胆管がん事案:

・2012年3月に表面化した大阪府の校正印刷事業場での胆管がんの多発事案。

・大阪府で、地下室の換気の十分ではない校正印刷の作業場において、きわめて頻繁にジクロロメタンと1.2-ジクロロプロパンの混合溶剤を用いて、ローラーやブランケットを洗浄する作業に従事していた作業者に胆管がんが多発した。

・作業場における気中濃度は、後に行われた再現実験では、ジクロロメタンが70~190ppm(許容濃度:50ppm、TLV-TWA:10ppm)、1,2-ジクロロプロパンが30~80ppm(許容濃度:1ppm(現在)TLV-TWA:10ppm)程度と推測された。

・適切な呼吸用保護具の着用が行われていなかったことから、経気道ばく露(吸入ばく露)をしたものと考えられる。

・当時1.2-ジクロロプロパンは特定化学物質障害予防規則などの規制の対象外で、法令を守っているだけでは防げなかったことが大きな問題になりました。

・原因物質の1,2-ジクロロプロパンは翌2013年に「特定化学物質第2類物質(特別有機溶剤等)」、「特定化学物質特別管理物質」に追加され、IARCの発がん分類でも最上位のグループ1とされた。

・この事案により、規制対象物質だけを個別に管理する方式の限界が明らかになった。これを契機に SDS 交付対象物質のリスクアセスメントが義務化され、さらに事業者が自らリスクを評価して対策を選ぶ「化学物質の自律的管理」への転換に繋がった。

地黒の大阪人のプロパンでタンを焼く

 

 

 

MOCA(4,4′-methylene-bis-ortho-chloroaniline):膀胱がん

化学物質「MOCA」について

3,3’-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)による膀胱がん事例:

 

 

・MOCA(3,3’-ジクロロ-4,4′-ジアミノジフェニルメタン)は防水材、床材や全天候型舗装材などに利用される「ウレタン樹脂の硬化剤」として使用される。

・2016年、静岡県のイハラケミカルでMOCA(3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン)製造に関わった労働者に膀胱がんが多発した。

・ばく露経路は主に経皮ばく露と吸入ばく露の2つがあり、特に経皮吸収が重要視されている。作業現場においてMOCAは液体や粉末の形態で存在し、製造・取扱工程の中で皮膚への直接接触や粉塵の吸入により労働者の体内に取り込まれる。

・現在、MOCAは「特定化学物質障害予防規則」(特化則)の「第2類物質(特定第2類物質)」及び「特別管理物質」となっている。

 

 

 

 

オルト‐トルイジン:膀胱がん

オルト‐トルイジン:膀胱がん

 

 

2015年12月に福井県の染料・顔料の中間体を製造する化学工場における「膀胱がん」事案の原因物質

・芳香族アミンの一つ

 ※アミン:アンモニアの水素原子を炭化水素基または芳香族原子団で置換した化合物の総称

・アゾ系及び硫化系染料の原料として用いられる。その他、顔料の中間体原料、エポキシ樹脂硬化剤原料としても用いられる。

 ※アゾ系:アゾ基 R−N=N−R’ で2つの有機基が連結されている有機化合物の総称である。アゾベンゼンなど、芳香族アゾ化合物には色素となるものが多くアゾ染料として有用で、その他にもアゾ顔料として有用なものがある。

・経皮吸収により健康障害を起こす

・常温で無色~黄色の液体

・常温で蒸発しないため、皮膚に付着すると、蒸発せずそのまま皮膚にとどまることになる。

・噴霧することにより許容濃度を超えても臭気を十分に感じないが、わずかな臭気がある。

・引火性がある

・o-トルイジンによる膀胱がんの発がんメカニズムには、多くの種類の酵素による代謝活性化が関与しているものと考えられている。

・慢性毒性として発がん性(膀胱がん)が確認されているほか、急性毒性として呼吸困難、意識喪失、神経障害、チアノーゼ、メトヘモグロビン血症などがみられる。

・ 健康障害を早期発見するための検査:

尿中の潜血検査、尿沈渣検鏡の検査、膀胱鏡検査等

 

オルト‐トルイジンによる膀胱がん事案:

オルト‐トルイジンによる膀胱がん事案:

・2015年12月に福井県の染料・顔料の中間体を製造する化学工場で膀胱がんが多発した事案。

・O‐トルイジン(オルト‐トルイジン)などを原料として染料・顔料の中間体を製造する化学工場で作業者に膀胱がんが多発した。

・作業に使用したゴム手袋をオルト‐トルイジンを含む有機溶剤で洗浄し、再度使用することを繰り返し行ったため、内側がオルト‐トルイジンに汚染されたゴム手袋を通じオルト-トルイジンに皮膚接触し、長期間にわたり労働者の皮膚から経皮吸収(経皮ばく露)されていたことが示唆された。

・一方で、ばく露限界量を超えるような経気道ばく露があることの確認はできなかったとしているが、過去の作業環境測定の結果から判断すると、過去に経気道ばく露した疑いは持たれる。

・その後オルト – トルイジンは「特定化学物質第2類物質(特定第2類物質)」、「特定化学物質特別管理物質」に追加された。

福井の偉人暴行でがーん

 

 

 

 

石綿による健康被害で、社会問題になった事案(2005年の、いわゆる「クボタショック」)

石綿による健康被害で、社会問題になった事案(2005年の、いわゆる「クボタショック」)

・2005年、株式会社クボタの旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の石綿製品工場の元従業員に中皮腫などが多発していたことに加え、工場周辺の住民にも中皮腫の発症が確認され、大きな社会問題になった事案。

・旧神崎工場において、1954年から1995年まで石綿を使用した水道管や建材の製造が行われていた。

・労働者本人だけでなく、家族や周辺住民にまで被害が及ぶという、石綿の深刻さを示した。

・これを契機に翌2006年、労災補償の対象にならない周辺住民等を救済する石綿健康被害救済法が制定され、石綿の製造等も原則禁止に至った。

・中皮腫は潜伏期間が数十年に及ぶため被害は現在も続いており、今後は建築物の解体に伴う対策が課題となっている。

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